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iPhoneの標準アプリだけでミュージック&ビデオを制作する

iPhoneのみでアンビエントミュージックとそのビデオを作りました。アンビエントミュージックとは、リズムやメロディよりも音色や雰囲気を重視した環境に溶け込んだ音楽のことをいいます。ブライアン・イーノやエイフェックス・ツインが有名です。最近では青山ミチルという方が毎日アルバムをリリースしていてかなり気になっています。

使ったiPhoneアプリは作曲にGarageBandと動画にiMovieです。どちらもiPhoneに標準で入ってます。GarageBandは本格的に作曲が出来ますが、iMovieに至っては簡易的な動画編集機能しかありません。

こちらが完成したものです。以下で制作過程を簡単に説明します。ある程度の基本操作ができることを前提としています。

GarageBand

曲は朝の森をイメージして制作しました。タイトルはそのまんまのMorning Forest

キーはEメジャーで明るめの曲にします。テンポはゆったりの80に設定
アンビエントミュージックはドローンという長時間持続する音を使います。これにはAlchemy SynthのOrgansからWarm Winter Dayを使いました。
Alchemyシンセコントロールを表示させRELEASEのノブを右いっぱいに回して音を持続させます。RELEASEとは音の残響のことです。
編集画面で鍵盤のE3のリージョンを81小節まで伸ばします。これによりホワ〜ンとした音が鳴り続けます。
次にApple Loops(あらかじめ録音されたフレーズ)で曲の主役となるPadを選びます。これにはAround Midnight pad 01のフレーズを使いました。
Midnightというと暗いイメージがありますがキーをEメジャーにしているので明るめのフレーズに変換されます。これをドローンと同じ81小節までループさせます。
次に鳥の鳴き声をいれます。ブラウザボタンのKeyboardからSamplerを選択してトラックを作成します。
Apple LoopsからBird Song Erhu FXを選びます。チュンチュン、ピヨピヨという鳥の鳴き声のFXです。そしてSamplerトラックにドラッグします
読み込んだサンプルは鍵盤で好きなタイミングで鳥の鳴き声を鳴らすことができます。また気に入った部分のみをトリミングすることもできます。この音源を左と右で振り分けて2トラック作ります。16小節くらいまでは鳥の鳴き声は入れません。理由は後述します。
4トラックのシンプルな曲ができました。画面ではシンセサイザー(Around Midnight pad 01)のボリュームが低くなっていますがオートメーションで徐々にボリュームが大きくなるように設定しています。
次に簡単にミックス作業をします。それぞれのトラックをVisual EQで不要な周波数をカット・調整します。
Compressorで音を圧縮します。
Reverbで残響効果を加えます。
全てのトラックを結合します。
再度Visual EQなどを微調整しこれを書き出して曲は完成です。あまりこだわると先に進めなので妥協が必要です。

iMovie
次にiMovieでビデオを制作します。さきほど制作した曲の主役であるPadにあわせてグラデーションを回転させるビデオを制作したいと思います。

素材はバックグラウンドのグラデーションを使うので特別な素材は用意していません。グラデーションは縦方向と横方向(正確には若干斜め)の2種類があるのが分かります。これらをクロスディゾルブで繋げるとグラデーションが回転しているように見えます。クロスディゾルブとはクリップが次のクリップに徐々に切り替わる演出をいいます。本来は回転機能があればいいのですが、iMovieにはないので苦肉の策です。

+ボタンから曲を読み込みます。
縦方向のグラデーション。
横方向のグラデーション。カラーボタンで色を設定できます。バンディング(縞模様)ができますが気にしません。
曲のPadに合わせてグラデーションを変化させます。グラデーションの端をドラッグして4秒にします。次に縦と横のグラデーションのクリップを交互にタイムラインに配置します。
クリップとクリップを繋げるクロスディゾルブは2秒にします。トータルで4分4秒のビデオになりました。

16小節までは曲のPadとビデオとシンクロさせて聴覚(曲)に対して視覚(ビデオ)を慣れさせます。聴覚に対して視覚が慣れてきたころの16小節目から鳥の鳴き声が入ってくるように曲を作っています。
1小節目から鳥の鳴き声を入れると聴覚と視覚の処理が複雑になり脳が混乱します。あくまで個人的な考えですが。

完成したら保存して共有ボタンから書き出しと共有ボタンをタップします。
これを書き出してミュージックビデオが完成です。

曲を作ってからビデオを作成しているようにみえますが、実際にはそれぞれを並行して制作しています。時間にとらわれることなく、どこでも制作活動できるのがiPhoneのメリットです。というわけでiPhoneの標準アプリのみでミュージック&ビデオを制作しました。

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