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専門職大学院とは

 昨年度、兵庫県は豊岡市に芸術文化観光専門職大学を設立しました。大学ではなく、専門職大学が設立されたわけです。同じように、大学院にも専門職大学院があります。大学と専門職大学が異なるように、大学院と専門職大学院は異なる大学院の設置形態です。専門職大学院は主として、社会人大学院生を対象に、弁護士や公認会計士などの専門職の養成、さらには、学校教員やビジネスマン、公務員等の実務的な専門教育を企図して設立されています。ロースクール、ビジネススクール、アカウンティングスクール、公共経営や教職などの大学院が、専門職大学院として設置されています。
 専門職大学院は社会人がより高度な専門的知識と実務の知見を身に付けることを意図して、諸般のキャリキュラムが構築されています。実務教育を優先するために、一般的には、大学院で求められる修士論文を完成することが必ずしも求められているわけではありません(※1)。そのかわりに、徹底した実務教育や実践力の養成が専門職大学院の教育目標となります。それゆえに、専門職大学院の修了要件となる単位数は、大学院と比べるとかなり多くの単位数の修得が求められています。
 なお、大学院で取得できる学位と専門職大学院で取得できる学位は何れも修士の学位です。両者の修士としての学位には何の相違もありません。ただ名称は、前者の場合が例えば、修士(経営管理)となるのに対して、後者は経営管理修士(専門職)となります。大学院博士課程後期課程に進学を希望する場合には、修士(○○○○)あるいは○○○○修士(専門職)の学位が必須となります。
 今後はますます、社会人大学院=専門職大学院となる時代の到来が近づいてきているのではないかと考えられます。
(※1)私が勤務するビジネススクールでは、修士論文に相当する課題研究論文執筆が、学位取得の要件となっています。専門家育成のための実務教育に多くの時間を求める一方で、実質的な修士論文の作成を課すわけで、院生各位はそれらをクリアして経営管理修士(専門職)の学位を授与されています。

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