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大好きだった、クリーニング屋さんのおばちゃん

私はチェーン店より
昔ながらの町のお店が好きです。

7年前に
20年お世話になっていたクリーニング店が
閉店しました。
ご夫婦でやっている、
個人経営のちいさなクリーニング屋さん。

奥様は、はっきりしたもの言いの
ちゃきちゃきサバサバしたおばちゃん。

「あなたはすぐ汚すのに、白ばっかり着てー」
「猫の毛がつきやすいから黒はダメよー!」
(おばちゃん、私何色着ればいいのかな…)
「○○ちゃん(息子)、瘦せなさい!」

と、ダメ出しの嵐…

だけど、
障害のある息子のことを
特別視することもなく可愛がり
いつも味方でいてくれ
励ましてくださった。
私の悩みや愚痴も、
たくさん聴いてもらった。

ちょっとしたほつれやボタンの緩みは
必ず気づいて
無料で丁寧に補修してくださり、
「直しといたわよー」と
なにごともなかったように
「今日天気いいねー」とおなじテンションで伝えてくれた。

クリーニングタグもただ付けるのではなく、
衣類を傷めないよう タグを外しやすいよう
わざわざブランドタグと同色の糸で
タグのキワに同化するくらい丁寧に
しつけ糸を縫い付け
そこにつけてあったり。

シミ抜きもプレスも
技術だって、
麻布十番の某超一流店に
勝るとも劣らないくらい
素晴らしかった!

口はちょっと(?)わるくても
心のあったかい、
お客様をたいせつにしてくださる
素敵な 
そしてプロフェッショナルなお店でした。

閉店の数年前から
ご主人が腰を痛められ、
「もう無理」といいつつ
たくさんのお客様の「辞めないでー」の声に
がんばってこられたのだけど
ついに閉店。

ほんとうに、かなしかった…

いまだに、
ここを超えるお店には出会えていません。

見ためはキラキラ華やかでも
高かろう悪かろう、
(値段は一流、仕事は三流)
「お客様は神様じゃない」と上から目線で
ごじぶんたちの都合優先と言い訳ばかりの
「似非プロ」があふれる世の中。
あらためて、
「プロの矜持」とはなんぞや、
と考えてみる。

昔ながらの、
「ほんもの」をまもるお店が
どんどんなくなっていく。

物質的な豊かさが
こころの豊かさを失わせていくようで
さみしく、残念におもうのです。

人のこころをあたためるのは
キラキラの「モノ」じゃない。

血の通った、
心とことばのキャッチボールが
いまの時代には
なによりも必要だと、私は思っています。

あなたの
ほんとうにほしいもの
たいせつなものは
なんですか。


#接客 #接遇 #ホスピタリティ #ほんもの #心のキャッチボール










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