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ゲームの変遷とじょうずな販売#08

 前回は、買い切りのゲームと基本プレイ無料のゲームを比較しました。どちらにも利点がありますが、近年では基本無料のゲームがトレンドであることが分かります。ゲームと言えば任天堂やソニーなどといった日本の企業が有名であり、「ゲーム=日本」であるイメージの人も多いと感じます。しかし、「無料ゲーム」市場では、日本は出遅れていると考えます。今回は無料ゲームで大躍進をした、中国企業について考察していきたいと思います。
 
 無料ゲームで多くの市場を築いているのが「中国」です。リリースしているゲームは数え切れないほど多くあり、パクリゲームやくそゲーと呼ばれるようなゲームが多く存在します。そんな中、独自のシステムや高度なモデリングで勝負をし、大きな利益を上げた中国の企業が存在します。それが「miHoYo(現在はホヨバース)」です。中国の総合日刊誌である「光明日報」によると、2022年におけるmiHoYoの財務状況を明かし、その成長ぶりが非常に話題になりました。
 
 miHoYoの売上高は273億4000万元(現在のレートで5400億円)、純利益は161億4500万元(約3200億円)と驚異的な数字を築いていることが分かります。比較のために前回紹介した「Apex Legends」やサッカーゲームである「fifa」を制作したことで知られる「Electronic Arts」の純利益は1115億円。また日本の代表企業であるスクウェア・エニックスの純利益は492億円であり、ゲーム業界では大御所のような大企業に大きな差をつけていることが分かります。
 
 そんなmiHoYoがリリースした「原神」は2年ほどサービスを継続させていますが、定期的にアプリのセールスで1位をとり、今年の4月26日にリリースし配信がスタートした「崩壊:スターレイル」では、10日間でグローバル収益が1億ドル(約140億円)を達成するなど、確実に利益をあげていることが分かります。
 
 そんな中国の企業がなぜ、大きな利益をあげているのでしょうか。日本と中国におけるゲーム作りは根本から違うと考えます。
日本のゲームメイカーはプラットフォームを先に考えてから、それに見合ったゲームを作る傾向にあると感じました。例を挙げると、スマホゲームを作ると決めてから、それに見合うようなシステムやデザインを考えることです。
それに比べて中国の企業は、先にゲームやその内容を考えることで、コンシューマーやスマホ、PCといった区別がなく、そのことからマルチプラットフォームへの対応が迅速です。
また、原神においては、多くのゲームの要素をインスピレーションとして取り入れていることが成功の秘訣だと感じました。
 
 ゲーム開発を目指す身として、上手な販売、売り上げの伸ばし方を考えることは大切なことであるため、理解を深めていきたいです。