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2021年 AI時代の金融パーソンの生きる道


【想定読者層】20~40代の保険業の方(金融パーソン)

【伝えたいこと】AIに代替されないスキルを身に着けるには?

【私】保険業界を離脱して、霞ヶ関勤めとなった今でも大好きな「保険」についての発信を続けているただの物好きです(笑)。

新しい年に向けて「保険」の明るい未来について語りたいところですが、楽観的な話って誰も読んでくれないので(アクセス数が少ない・・)、仕方なく「保険」がこれから直面するであろう困難について書くことにします。

↓以下のnoteで、変化が必要だと語っています。今回は、じゃあどうするかについての話を進めます。

AIでなくなる仕事とは?

有名なオックスフォード大学の論文「THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?(外部リンク)」では、将来90%以上の確率で消える職業が紹介されています。

バッチリ金融業・保険業に関係のありそうな仕事がAIに代替されるであろう仕事としてノミネートされています。

「銀行の融資担当者」「保険の審査担当者」「電話オペレーター」「苦情の処理・調査担当者」「金融機関のクレジットアナリスト」「データ入力作業員」

私がやっていた「損害保険会社の保険金支払部門=通称:損サ」でいうと、電話オペレーターでもあり苦情処理・調査担当が仕事でしたので、まさにAIに代替可能な仕事と言えるのではないかと思います。


↓損サについては、以下のnoteで語り尽くしたのでよろしければ読んでみてください。読みごたえがあると思います。

AI代替で仕事がすべてがなくなる訳じゃないでしょ?

当然ながら、AIによってすべての仕事がなくなる訳ではありません。

・技術的にAIではできない仕事=人間にしかできない仕事

・AIでやるとコスパが悪い仕事=人間がやった方がいい仕事

・AIでやらないと決めた仕事=人間でやると決めた仕事

金融サービスを提供する相手はAIではなくて人間です。

AIではなくて人間による対応を希望されるお客様もいる訳で、将来的に人間の活躍できる領域が、「AIでなくなる仕事」に関してもゼロにはならないんじゃないかなと思います。

ただし、「AIでなくなる仕事」でもゼロにはならないだけで、少なくていいんですよね(ゼロ寄りでOK)。

多数派(マジョリティ)顧客には、AIを活用したチャットボット等による、正確で、迅速で、安価なサービス提供で事足りてしまう気がします。吉野家の牛丼のように「安い、早い、うまい」サービス提供をAIがしてくれるんだったら、AIとは反対に「高い、遅い、間違いもある、ただし人間味がある」サービス提供をわざわざ人間に求める人は少数派(マジョリティ)なんじゃないかなと思います。違うのかな。

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AI代替される仕事のトップクラス層は仕事なくらないでしょ?

「AIでなくなる仕事」でもゼロにはならないなら、その業務のトップ層であれば仕事はなくらないでしょ、という人がいるかもしれません。果たしてそうでしょうか。

例えば、コールセンター勤務でとっても会話上手でお客様評価の高い社員(Aさん)がいたとします。100人のオペレーターで業務をしていたけど、AI代替でチャットボット対応を標準対応に変更することで、コールセンターのオペレーターを10人でまわすことにしたとします(90人は別の業務に転換もしくはレイオフ)。
Aさんは、10人に入るでしょうか?

正直、コールセンターのエース級のAさんが10人に残る蓋然性はないのではないでしょうか。

まず、Aさんの優秀さが、チャットボットをメインに業務シフトした後も活きるか活かせるかはわからないですよね。

現在は、10分ほどのトークスクリプトを暗記して、お客様の理解度に応じて適切な言葉選びで説明して、感じの良い受け答えができることがお客様からの評価軸(基準)だったとします。

ところが、今後は暗記が必要だった10分ほどのトークスクリプトはチャットボットがほとんど説明してしまうので、チャットボットで対応できないイレギュラー案件(視覚障害をお持ちの方等)や、チャットボックスを信用できない高齢者向けの対応を人間(10人)がすることになるのではないでしょうか。そうすると、100人の人間で対応していた頃のAさんの強みがそのまま生かせる業務ではなくなっているかもしれませんし、むしろAさんほど能力の高い人でなくてもこなせる簡単で無機質な業務に変わっているのかもしれません。

言葉を選ばなければ、Aさんの高かった能力が「陳腐化(ちんぷか)」してしまったり、反対に「過剰品質(そこまで顧客が求めないレベルの対応)」になってしまうのかもしれません。

上記はコールセンター(電話オペレーター)での一例でしたが、他の業務も同様ではないでしょうか。違うのかな。半沢直樹や大和田常務や中野渡頭取みたいに超優秀な人は別でしょうけど。。

※他の業務:「銀行の融資担当者」「保険の審査担当者」「苦情の処理・調査担当者」「金融機関のクレジットアナリスト」「データ入力作業員」

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AI代替に備えてどうしていけばいいの?

ここまで、金融・保険業を含めた全産業に通じる環境変化の話をしてきましたが、この前提理解がないと「変化が必要だ」→「じゃあ、どうする?」の話へと進まないので、過去にもした話でくどいですがお付き合いありがとうございました。

いわゆるVUCAの話はわかりました。じゃあ、どうするか?

要は、定型化できる仕事はAIに代替されるので、定型化できない仕事をすれば良い、ということになります。

これって、簡単なようで難しいと思っています。

AIに代替されにくい仕事と言われているのは、保育士、看護師・保健師、機械保守、建設作業者などです。

手っ取り早いのは、上記仕事に転職してしまうとAI代替の恐怖からひとまずは解放されるかもしれませんが、以下の問題がありますよね。

「その仕事をやりたいか、やれるのか」(現在軸の話)

「その仕事の5年後、10年後はわからない」(未来軸の話)

たとえ、保育士や看護師などのいわゆるエッセンシャルワーカーはAI代替されにくいと理解しても、その仕事を自分がやれるのかは別の話です。
労働需要と人材供給の話もありますし、自分の適性の話も関わってきます。そして、結局はテクノロジーは今後も進歩していく訳で、現時点ではAI代替されにくいと言われている仕事だったとしても、5年後や10年後も同様かはわかりません。

人生100年時代に突入し、80歳まで働く可能性もある我々(20代~40代)にとって、AI代替の脅威は終わりなき戦いなのかもしれません。

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AI代替されにくい業務(≠仕事)なら?

AI代替されにくい仕事(エッセンシャルワーカー系)をしていても、将来的に安泰とは言えないし、そもそもなりたい職業に就けるのか問題を語ってきました。

仕事は難しい、では業務なら?って思いますよね。

業務について分類分けするなら、以下の①~⑤でしょうか。

①マネジメント系
②クリエイティブ系
③ホスピタリティ系
④クラフトマン系
⑤テクノロジー系

③に関しては、上記でふれたイレギュラー対応、高齢者対応等で、人間に対応してもらいたい層に向けて、必ず人手が必要となる業務です。ただし、人手を厚くかけるのか最小限にするのかは経営判断になるのかなと思います。

①は、AIを利活用しつつ、人間管理できる人材は必要なのではないでしょうか。

②は、AIは人間の介在なくゼロからイチは生み出せないわけで(今は)、人間の想像力・創造力は今後とも必要なのではないでしょうか。

④は、機械化よりも人間がやった方がいい仕事として職人仕事のようなものは、今後とも残ると思いますし、

⑤はエンジニアなどのAIを発展させていく人に関しては仕事の幅が今後も増える可能性すらありますよね。

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AI代替されにくい業務をできるようにしていく

AI代替の観点でいうと 仕事 × 業務 を考えることが重要と思います。

当たり前と言えば当たり前なんですが、あんまりこのことを考えていない人は多いのではないでしょうか。思考プロセスとしては、以下のようなイメージでしょうか。

自分の仕事(例、顧客からの問い合わせに正確に答える)とは何かを考える。
自分の仕事ってAI代替できるじゃんヤバいって思って、異動したいけど何かしらの理由で無理だと思ったら、転職を考える。
仕事について考えたら、次は業務について考える。
上記で述べたAI代替されにくい①~⑤の業務を希望する。
もっと言うと、①~⑤の能力を伸ばせる業務(ポスト)に就いて、「その(AI代替できない)分野で私は〇〇ができる人です」と専門性を高める。

ここまでくるとひとまずは安心ですね。

・・・と徒然なるままに話をしてきましたが、どうでしょう。

自分は大丈夫だって思える人(読者様)は素晴らしいと思います。

いわゆるキャリアプランニング、キャリア形成の話かと思うのですが、個人的には正解がないような話でなかなか難しいと感じますし、できないよーって人の方が多い印象です。知らんけど、ですけど。

かく言う私は、結果的にですが、縁あって、色々あって、完全に狙ったわけじゃ決してないけれども、AI代替で絶対になくならない仕事である公務員になり、AI代替できない系の業務をしているので、こういう選択もあるんだろうなと思っておる次第です。

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AI代替に向けて何をやった方がいいか?

現在の仕事で結果を出すのは当然として、

そりゃ何でもやった方がいいですよね、色々とやるにこしたことはない。

やった方がいいことの代表格は英語だと思いますし、私は英語力向上に数年来取り組んでいますが、英語やりましょうって言っても、「わかった英語やろう」ってならないんじゃないかなと思いますし、アクセス数が伸びないので(笑)、本日は別の切り口で語れたらと。


本を読みましょう。(これもアクセス数伸びなそう・・笑)

こちら↓

参考:私がやっていること

・(左3冊)セキュリティ、データ分析関係のインプット

→詳しくは忘れましたけど21世紀の石油?とか確か呼ばれている、情報(データ)って大事だなと思っています。データを制する者がゲームを制す。

ド文系の私ですが、あきらめずにコツコツ情報セキュリティ関係の勉強をやっています。ITパスポート、情報セキュリティマネジメント、個人情報保護認定士の資格を取得したのは、その流れからです。

(資格勉強も一段落したので、noteを再開しています)

フィンテックの波が来ると言われて久しいですが、いよいよ本格的な波が来ている金融業界にいる方は、情報(データ)の勉強=インプットと、できればその関連の業務に就いておくと将来的にいいのではないかと思います。

信じるか信じないかはあなた次第。


・(真ん中2冊)金融経済系のインプット

私は金融系出身(保険も金融業)ですし、基本的に金融(特に保険)が好きなので、ファイナンスやFinTech系の勉強は継続しています。来年は、FP2級も狙ってみようかなと思っています。

すっごく重要なところですが、これからの金融業はコンサル業的な要素が増していくと思います。銀行業と証券業を皮切りに、ゆくゆくは保険業やカード業、リース業などの垣根が次々に取っ払われていくのかもしれません。

ポーターの5フォースのすべてが変わる日がくるかもしれません。競合相手や新規参入等のビジネス環境のすべてが!

顧客にとって一番大事なことが、一気通貫でファイナンスやアカウンティングのコンサルをしてくれる企業ひいてはその担当者(個人)を見つけること、になるかもしれません。

前述の情報(データ)を多く集め、利活用したうえで、最適な提案をできる企業ひいてはその担当者(個人)が勝者総取りする未来もあり得ます。

担当者(個人)とわざわざ書いているのは、今まで以上に個人の力が重要になってくると思うからです。
SNS等で時間、場所を選ばずに個人でも発信ができる時代になってますし、新型コロナウイルスの影響もありこれから一層発信力勝負の流れが加速すると思うので、顧客の決め手が、企業<担当者(個)となっていくんじゃないかという気がしています。

なので、金融知識+経済知識のインプットは必要なんだろうなと思います。キャッシュレス決済についてもPayPayや楽天Pay使ってるよくらいじゃ全然足りなくて、やっぱりビットコインなどのブロックチェーンのこととかデータの秘匿性を担保する暗号技術の概要位知っておかないとだし、日本だけじゃなくて海外のキャッシュレス普及状況なども知っておきたい(スウェーデンのSwishとか)・・

私は全然インプットが足りないので、勉強中です。インプットが足りないとアウトプットも出ないので。。

・(右側2冊)モンテッソーリと言語スキル

これは趣味本と言うか、その時々で仕事とか未来とか関係なく、読みたい本を組み入れています(資産運用のポートフォリオみたいなもの)。

教育については、知っておいて損はないことが多く、モンテッソーリは特に知ってよかった知識の上位層です。私は、将棋の藤井さんでモンテッソーリを知りましたが、知ったおかげですっごく自分の子供のことが理解できました。観察の重要性とか敏感期とか、「お仕事」の概念とか・・。

教育については、同じように関心を持ち悩んでいる人が多いので、共通の話題として天気の話をすることもあれば教育についても深く語れるようになりたいと思い、自分の話題の引き出しの幅を広げるべく教育本はちょこちょこ読むようにしています。

斎藤先生の本もそうですが、業務と直結しなくても、自分の人間力やビジネス力を高めるような本を読むのはお勧めです。

インプットがないとアウトプットもでないですし、視野も視座も狭くなる気がするし、何よりも選択肢の幅が狭まるのが嫌なので、インプット=本を読むことを推奨しております。

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終わりに

結局、すべての読者層に取っての正解なんてわからないし、言えないので、

現業で圧倒的結果を出す+(英語をやって)本を読む

なんて、ありきたりな結論になってしまっていますが、必要なのは前段でつらつらと書いた自分の周囲に起こっている、もしくは起こるであろう環境変化を敏感に感じ取って、自分の立ち位置を決める(変える)ことなんじゃないかなと思います。

そして、変えること自体は簡単です。でも、変えようと思って実際に行動することは難しいです。(深い・・)
人間だれしも現状維持バイアスがあって、現状維持で良しとしてしまいそうになるものだから、仕方ないです(たぶん)。

でも、、現状維持でよいのでしょうか。

現状維持と言っても、自分が現在の立ち位置を知らないと、未来のことなんて考えられません。

現在の仕事は何?業務は何?

加えてAI代替できるか?
を考えると、少しずつ未来が見えてくるのではないでしょうか?

余談ですが、5年以上前、私が損害保険会社の保険金支払い部門にいる時に、

「グローバル化」「女性活躍の推進」「テクノロジーの発達によるAI代替」が進んでいくことが明白で、

「男性総合職で電話中心の示談交渉という調査業務をしている私に数年後の未来はあるのだろうか?」

と不安になったことが、つい最近のことのように思い出されます。

以上、このnoteが誰かの参考になりましたら幸いです。


御礼:コメントいただいた方を掲載