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創作 vol.1 「麻由子は気づいてしまった」

麻由子は気づいてしまった。

嗚呼、結局私はあの子達だったんだ、と。

人には「あの子は面倒くさい、距離を置きたい。」と言いふらしておきながら、私だってあの子と同じ性質を持っていた。

そんな「あの子」がたくさんいる。

人の顔色を伺い、冷たくされた途端不安になってわざとらしく丁寧に接する。
人に壁を作って自分のことを話さない。
自分を最優先して図々しく振る舞う。
思い込みが激しく人を糾弾しがち。

「麻由子ちゃん、麻由子ちゃん」と、名前を呼ばれるほどに気持ち悪さを感じていたけれど、本当はもっともっと人に特別扱いしてほしかった。

人は自分とそっくりな人を嫌うという。
それは、自分の見たくない汚点だと思っている部分と向き合わざるを得ないからだ。

そんな有名な話くらい知ってるよ。
そう言って斜に構える私を、好きだと言ってくれる人はいるだろうか。

好きだと言ってくれるあの子達は、もう離れていってしまった。
だって、離れるように仕向けたからね。

なのに、今も帰ってきてくれることを願い、待っている。

待ち疲れちゃったよ。

もう、待たない。
あの子達に待たせもしない。

だから、
待つ日々から抜け出す日が来るのを、ずっと待ってる。

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