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札幌本屋案内 5

書肆吉成

地下鉄北24条駅からバスで数分。揺られた先に今回の目的地である書肆吉成があります。建物は2階建て。入ってみると1階は文庫等が中心。螺旋階段を昇って2階に上がるとハードカバー系の本。北海道関連の資料や人文系の資料が豊富な本屋です。入り口近くにはガラス戸があり、その中に本棚が。こちらは均一棚です。

書肆吉成 外観

ここ、古本屋ではあるのですが、1階に水声社や夏葉社などの新刊を取り扱っています。これは数年前まで札幌中心部にあった丸ヨ池内ゲート店で取り扱っていたものを、ビルの取り壊しに際して引き上げたものだそうです。話を伺った方曰く「水声社の本は絶版になったもの以外はほぼ取り揃えている」とのこと。実際水声社の本だけでかなりの棚になっていました。正直自分が今まで見た本屋の中で一番取り扱いの多い本屋です。(個人的に水声社はパスカル・キニャールやイスマイル・カダレがあるのでかなりお気に入りの版元です)
なお、こちらでも『東京古書組合百年史』を取り扱っており、本稿執筆時点(2021年12月)では1冊置いてありました。ちょうど札幌入しているタイミングで小樽文学館にて出版特別展をやっていたので、個人的にはタイムリー。少々積読気味なので、50年史とセットで読み比べを早いところしたいものです。
この書肆吉成、個人的には札幌で必ず寄りたい本屋の一つでした。理由は簡単。日本の古本屋で以前『北のアンティクアリアン』を注文したのですが、注文先が書肆吉成だったから。買ったところがどういうところか、一度はちゃんと見ておきたい、というものでした。
改めて『札幌古書組合八十年史』を読み返しておきたいものです。

今回買った本

今回買った本は『足助素一集』(湖北社)。ようやく見つけました…多分1~1年半くらい探してましたがここで見つかるとは、と思いました。足助素一は北海道にて貸本屋の独立社を発足、しばらくして東京神楽坂で出版社叢文閣を開いた人物で、札幌の本屋関連ではかなり重要な人物です。独立社関連の話は藤島隆『貸本屋独立社とその系譜』に詳しいので、興味ある方は読んでみてください。


今回対応頂いた方、円錐書店という活動をしております。URLは↓


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