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熊本本屋案内 1

舒文堂河島書店

熊本市電を熊本城の見える通町筋で下車し、上通を歩く。長崎書店や金龍堂を過ぎ、しばらく歩くとアーケードがなくなり、そこにとても古い本屋が見えてきます。そこが舒文堂河島書店です。今年で営業開始から144年、西南戦争の終わった年からこの熊本の地で営業している本屋です。かつては旧制五高の教師であった夏目漱石や小泉八雲など、国語の授業で一度は聞いたことある方々がよく訪れていた本屋です。また、どうやら三島由紀夫も来ていたそうです。店内に入る前に店の左側にとある掲示があるので軽く見ておく。どうやら舒文堂河島書店と夏目漱石との関係について書かれているようです。当時の漱石が保有していた蔵書の1割はここで買った本だそうです。

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舒文堂河島書店 外観

店に入る。棚を軽く見ているだけでも時間がかなり過ぎてしまいます。熊本の郷土資料だけでなく、その他九州各地域の郷土資料も販売しており、それ以外には歴史系、文学なども取り扱っています。文学は熊本にゆかりのある作家の棚もありました。本を漁ったあとに軽く話になっていたので額に入っている書について聞いてみると、店の入口には徳富蘇峰の「敬天愛人」、奥には舒文堂の由来となった書が飾られていました。このような書も含め、長く地域に浸透した本屋であり、熊本の本屋文化の中心地の一つであるのではないか、と思われます。

今回買った本

今回買った本は、『三省堂の百年』『弘文荘 反町茂雄氏の人と仕事』『菊竹嘉市傳』『猫本屋始めました』の4冊。この時ですが、ここが熊本で回る本屋の1軒目です。買いすぎです。サイズも大型本が2冊はあるという...これがこのあと色々と災いしてしまうのですが、今回はそんな話ではないです。ここでの大収穫は『菊竹嘉市翁傳』。久留米にあった菊竹金文堂の創業者の資料となります。これがあると金文会への理解が少しは進む、かもしれません。『猫本屋始めました』は今後福岡に行く時、吾輩堂は絶対に見たい店なので、事前勉強として購入です。



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