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仙台本屋案内 1

古本あらえみし

地下鉄東西線宮城野通駅から歩いて数分。今回訪れた古本あらえみしはあります。今回は宮城野通駅から歩きましたが、仙台駅からも歩ける距離です。暑いときや雨が降っている時でなければ仙台駅から歩くのもいいかもしれません。

店舗外観

古本あらえみしは1・2号店の2軒があります。両方とも歩いて1分くらいと非常に近いので、2軒とも見に行くのがいいと思います。
おそらく「あらえみし」の名前を見たことがある方はご存知かもしれませんが、ここは版元である荒蝦夷が営む古本屋となります。1号店は自社刊行物や海外文学、あと東北出身者のみの棚がありました。西荻窪の盛林堂書房のコーナーもありました。一方2号店はSFなど中心。自分が伺った時はイービーンズでの古本市と山形の古本市の後だったようでした。

本を買うタイミングでお話、といういつものパターン、ではなく、2号店に伺った時に、荒蝦夷の土方さんに直接話しを伺うことができました。非常にありがたい限りです……
やはり話はかつての仙台本屋事情。つい数年前まで仙台には貸本屋があった、という話に始まり本屋関係の情報を探るにも、仙台空襲の影響でだいぶ残っていない、という話も。自分がこの時頭に入れていた本屋以外の話ばかりでしたので、非常に面白い話でした。この貸本屋についても調査をしてみたいものです。
また、仙台の本屋の話で個人的に気になったものが、八重洲書房の話。恥ずかしながらこの時初めて知った本屋です。どうやら仙台では伝説となっている本屋とのこと。後々手元の本を読み返すと、石橋毅史『「本屋」は死なない』にて、早川光彦氏(現在は富士大学図書館長)の話の中に八重洲書房が出てきていました。「図書館員としての私の原点」と言わしめた八重洲書房、どのようなところだったのか、気になります。閉店が1993年12月10日ということがわかったので、その時点から20年くらい遡って新聞を読んでいけば少しわかるのかもしれません。また、どうやらレコーダというサイトに八重洲書房について載っているようなので、そちらも参考にしてみたいです。
本屋の話の後に何故か満州の絵葉書の本を見せていただきました。中国語の本だし、ほとんどに「偽」とついているので大陸中国の本であるのは間違いなさそうです。新京(現在の長春)にも「偽」とついていたのはやや驚きでした。これを見ながら「これはマニアが作った本だよなぁ」という話をしつつ、退散と相成りました。

今回買った本

今回買った本は、『日本列島を往く(I・II)』(岩波現代文庫)と『仙台学 Vol.6』・『仙台学 Vol.10』(荒蝦夷)の4冊。『仙台学』については、今後も仙台の本屋を掘るために購入。ありがたいことに1970~80年代の本屋の状況や店主へのインタビューなどが掲載されているので、他の資料との突き合わせでも使えそうな感じがします。そもそも仙台の本屋事情について、手持ちの資料が少ないので資料はあればあるだけいいのです。

今回伺った荒蝦夷のHPは↓




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