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幸福は香水のごときもの

「好きだから一緒にいる」

簡単そうで実はそんなシンプルなことが難しかったりする。

この日本でそんなシンプルな動機で結婚した人は、どれぐらいいるのだろう。

そして、人間がそのシンプルな感情を貫き続けることは、できるのだろうか。

私は独身で結婚もしていない。

はっきり言って家族や親類とは疎遠気味だし、多くの友人も持たない。

「寂しい」とか、「可哀想」なんて同情してくる人がたまにいる。

でも、1人心の通じる人間がいれば孤独を感じることはほぼ無いし、

むしろ孤独な時間がないと私は生きていけないタイプだったりもする。

私の数少ない友人の1人は「恋愛に興味」がない。

ある1人は、「恋愛を知らなかった」が突然に結婚し、今では子どもも産まれて田舎に一軒家を構えた。

正直言うと、結婚している人が羨ましい。

「家族」というものに対して私は猛烈な憧れと幻想を抱いている。

同時にそれが憧れと幻想でしかないということも知っている。

憧れや幻想は、儚く脆いものだ。

テレビや週刊誌に踊るのは、いつも「不倫」の2文字。

私の両親を見ても愛というより情や惰性で繋がっているようで、とてもお手本にはできない。

結婚適齢期というものに達するとやはり焦る。

この機を逃せば笑いものだとか、子どもが産めないだとか、とりあえず仕入れた情報で混乱する。

唯一の救いは、友人が少ないから結婚ラッシュを見なくて済むことぐらいだろうか。

ところで、結婚したいの?と問われれば、結婚したいと答える。

けれど、結婚したいことと生活していくことはイコールではない。

今は「結婚しない」という選択肢もあるし、籍を入れずに内縁関係として過ごすこともできる。

「結婚のカタチ」にこだわらない理由なんていくらでもあるのだ。

玉の輿なら結婚したいわね…とか、年収が大事とか、そう言った類のことには頓着があまりない。

しかし、「シンプルな感情」で繋がっていたいと思う。

もちろん、結婚はおままごとではないから、喧嘩や価値観のズレなんてものも起きる。

それでも、嫌なことは嫌でいいし、違うものは違うでいい。

ただそこに、偽りや妥協といった雑な感情が入り込むのが嫌なのだ。

もし、子どもが生まれたとして、「どうして結婚したの?」と聞かれたとき、

「お金だよ」なんて答えられないな、とぼんやり思った。

でも、嘘をついて「好きだからだよ」なんて不純なこともしたくない。

だったら、純愛ですか。プラトニックですか。

と、人によっては笑われそうだ。

私が言いたいのは、結局のところ人間はシンプルな感情が本心だということなのだ。

自分が思うよりずっと、人間の心は単純だ。

みんな複雑に解釈して、こねくり回しているけれど、ほつれた糸は美しくない。

しかし、環境や世間体にどうしても私たちは振り回されてしまう。

それでも、「好きだから一緒にいる」を貫ける人はカッコいいと思う。

もしかしたら、それは簡単なことかもしれないし、難しいことかもしれない。

でも、仕事でも恋愛でもすべてにおいて言えると思うのだ。

シンプルな感情は世界共通だし、人類共通だと。

すべての人とわかり合いたいなんて思わない。

けれど、自分のなかに生まれた、たった一つの感情を守り通す生き方だってあっていい。

不器用な私は一生、独身なのかもしれない。

でも、独身を貫いたとしても「シンプルな生き方」を望むのだろう。

みなさんも、たまには「シンプルな感情」が何なのか感じてみてほしい。

もしかしたらそれは、遠い昔に仕舞い込んだ大事なものかもしれない。

まじまじめでした。

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