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いい加減と適当(1)

日本人は細やかなくせして、契約とかレギュレーションみたいなものにいい加減だと言われますね。商売しようとする相手を性悪説でみることに慣れてないのかどうなのかわかりませんが、そういう様々な要因ありつつ、日本文化の根幹には明らかに「いい加減」と「適当」から生まれたと思えるふしのものがいくつかあります。
クリスマスと正月両方祝うなんてのはまさにそうですし、神社と寺の集合体みたいなのが多いのも本来考えられないわけで、都合よく、いい加減に宗教を取り入れちゃっている結果でしょう。

「かな」は漢字文化圏にあって日本しか生み出してないものです。多分あんな面倒くさい漢字書いてられるかってことで、適当に書き始めたものでしょう。漢字が無理な女が使用したみたいなこと言いますが、結局みんな使ってるわけで、逆にその時代の女性はえらいと思います。

これが、隣の朝鮮半島にいくとそうはいかない。儒教国家のエリートとして、中国の王朝に朝貢しつづけ、その文化を厳格に守りぬきます。漢字はもちろん、ついにはそれを使った名前まで全部中国風に直しちゃった。もともとの朝鮮民族の姓はああいう漢字一文字のものではなく、意図的に全国民に改定させたものです。
当時の日本人にそう言う背伸びは難しかったでしょう。というかそんな気自体、島国の「田舎もん」は希薄だったのかもしれません。結局、独自の解釈で「良い加減」にアレンジしなおしたことが、独自の日本文化創造につながっていくのです。

【源氏物語】かなの成立、国文学の成立に大きな役割を果たした源氏物語。日本文学はラブストーリーから始まっていると言っても過言ではない。「すずめのこを、いぬきがにがしつる!」後に光源氏の生涯の伴侶となる紫の上、その初登場シーン

一方、中華文明の優等生・朝鮮半島も、実は漢字だけだと普段の生活だいぶ不便だったようで、15世紀にハングルという発音記号の機能ももった高性能表音文字を開発してます。でも、エリート思考の貴族層(両班)からは「漢字ができない人間がやる卑しい文字」などと言われ、差別意識が抜けず、なかなか広まらなかった関係もあって朝鮮半島の人々の識字率は近年に至るまで低かったのです。
この状況を変えたのはなんと日本人です。日韓併合時代に「朝鮮半島にも日本の仮名みたいなハングルがあるじゃないか」という事で学校教育に導入。「いい加減で適当な」日本人によって、飛躍的に識字率が上がりました。
それで、日本のように漢字と仮名を併用していくのかと思いきや、戦後、韓国はナショナリズムが勃興し、中国へ従属してきたこれまでの歴史を恥と感じたようで、過激と言っていい程「脱漢字・ハングル使用」に傾き、もはや韓国人はほとんど漢字が書けなくなってるというほどで、とにかくちょっと徹底ぶりが違うわけです。

今の韓国と日本みてもなんとなくわかる話ですよね。
(続く)

【たんす屋の古代~中世考】
◆恐怖の時代
 https://note.com/mazetaro/n/necc41b776ca7

◆更なる恐怖の時代
https://note.com/mazetaro/n/n31e341e69e1f

◆いい加減と適当(1)
https://note.com/mazetaro/n/n9064a5c9f8fb

◆いい加減と適当(2)
https://note.com/mazetaro/n/nc660bc6e93c3

◆将軍~GENERAL(前編)
https://note.com/mazetaro/n/nbba5de87d528

◆将軍〜GENERAL(後編)
https://note.com/mazetaro/n/n0e3dc3b8d351

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