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星新一はちょっと子供っぽいかな
中学の時、国語の先生に
「星新一が好きです」
と言った。
すると返ってきた答えは、
「いいですねぇー。でも、星新一はちょっと子供っぽいかな?」
だった。
当時の僕は
「はぁー、やっぱ国語の先生って色んな小説か知ってるんだな。俺なんか唯一まともに読んだことある小説家が星新一だけだからな。
『好きです』というか『それしか知りません』だよな。」
と感じた。
月日が経ってみる。
いま改めて考えてみても、やはり星新一は面白いし、僕だけでなく様々な若者たちに影響を与えたと思う。素晴らしい作家だ。
そして全然子供っぽくなんかない。
むしろ、人間の醜いところやアホなところを子供にもわかりやすく伝えていて、そこが天才的だと感じる。
あの先生は適当なことを言っていたのだろうか?
そう捉えることもできるかもしれない。
「星新一なんかよりも○○とか○○の方が文学として評価されている(いずれも高校の教科書に載っているような作家)。
君もいずれそのような作家の方が気に入るようになるよ。」
という意味だったのか。
しかし、あの時の会話の流れからすると、一教員としての意見ではなく、文学オタクとしての意見だったようにも感じる。
恐らく本意はこうだ。
「星新一は素晴らしいと思います。
しかし、同じような作風で言うと○○が、SFという点に焦点を当てると○○が、コメディーチックな雰囲気は○○の方がより面白いでしょう。
しかし、どれも中学生には少し難しすぎる表現がある。
今はまだ星新一のような作家で良いと思いますが、いずれはもっと他の作家の作品も読めるようになるでしょう。
ようこそ、文学の沼へ。」
そんな中学時代のことをふと思い出した。
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