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サンタいつまで

先日、1人で近所のイオンモールに行ってきた。

今年もサンタの代行業務シークレット・ミッション、プレゼントの調達をしないといけない。こどもたちにバレてはいけないので、こうして平日の日中にいそいそこそこそと依頼のブツを買いにきたわけである。まったくサンタも人使いが荒いぜ。

今年の注文は、7歳長女はポケモンのゼロの秘宝(ゲームの追加コンテンツ)、5歳次女は人生ゲームということだった。少し前にサンタさんに手紙出すよ~と言って書いてもらったわけだけど、長女の手紙にちょっとびっくりしてしまった。親バカみたいだけどさ、もう親バカでいいんだ。とにかくみなさんこれを読んでくれないか。

サンタクロースへ
サンタサン、いつもプレゼントありがとう!プレゼントをとどけてくださいね。日本にすんでいるわたしたちは、まちがとおいので、あらしや、ふぶきにきをつけてください!プレゼントは「ゼロのひほう」をとどけてほしいです。プレゼントをくばるのがんばってください。
                 〇〇より

原文ママ

やさしい〜〜!いつの間にやらこんな素敵な手紙が書けるとは!父ちゃんびっくりよ。もう成長に感動しちゃってね…ええ、ええ。いろいろと絵本を読んだり私も話したりするので、サンタが北欧在住ということは知っているんだろう。サンタの道中に気を使い、きちんと感謝と応援をしている。えらい、えらすぎるぞ長女。

しかし7歳なんて、そろそろサンタのことを疑ってもいい年齢な気がするのだけどどうなんだろう。私も小学生くらいからサンタの存在を疑いだし、小2のクリスマスに「今年はほしいものを親には教えない。手紙を書いて枕の下に入れたらきっと届けてくれるはず。そうだよねサンタクロース。ねえ証明してよ!」と思ってカービィのゲームをお願いしたら、全然ほしくなかったトトロのパズルが届いて私のサンタ信仰は終わったのだった。

妻なんかは保育園に来たサンタの仮装の安っぽさでもう見破ってたと言ってたしな。そう思うと7歳というのはなかなかグレーゾーンだろう。

ギリギリまで粘っていきたいが、きっと私もあと数年で娘にこんなことを言われる日がくるんだろう。

「お父さん、もうサンタとかいいよ」
「……そっか」
「友達でそんなこと言ってる人、まわりにいないしさ」
「……ん。そうだな」

その時の私の背中の丸さ。そこにふわりとガウンをかけてくれる妻。

「………………巣立ち、か」

すんごいセリフためて言ってみたい。邦画の恋愛映画くらいの間をあけてさ。そしたら妻が言うんだ。

「ちょっと寂しくなっちゃうわね」
「なあに、成長を喜ばなきゃいけないよ。少しくらいさみしくったって、思い出があたためてくれるさ」

こんな感じで『のび太の結婚前夜』のしずかちゃんのお父さんみたいなことをしみじみと言ってみたい。まあ、全部妄想だけどさ。

あと、まだこどもたちがサンタを信じてくれているうちに、どうせならやってみたいことがある。

サンタクロースの後継者が不足していて、このままではプレゼントを配りきれずに世の中にクリスマスがこなくなってしまう。そこで私がサンタを継ごうと思うんだけど、でももし私がサンタをやった場合、冬の間は忙しくて家族で一緒に過ごせなくなってしまう……父さん、どうすればいいかな?という二択をこどもにせまってみたりしたい。

世界の重さと、自分の幸せ。どちらかを選ばないといけないという難しさ。その重さを小さな肩に乗せるのは……ちと荷が重いか。

プレゼントのラッピングを頼んでる間、無印良品でぬか床を買った。お酒のアテにぬか漬けを食べたいなと思っていたのだった。俺もすっかりおじさんになっちまったぜ、と思った。

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