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写真日記(長崎帰省後編)

長崎の実家で朝ごはんを食べていると、父が「猫からは引っ掻かれとらんか?」とこどもたちに聞いていた。そこから父の話はだんだんと猫の倒し方はこうすればよかぞと適当にありもしない話になっていき、私が顔を洗って戻ってくる頃には父が四つん這いになっており猫の倒し方が実践編に入っていた。なんなんだこの人は。

その後、祖父のお墓参りに向かう道中の車内で、私は昨夜の雷ひどかったね〜という話をこどもたちとした。雷様におへそとられなかった?という話から、でも雷様は集めたおへそをどうしてるんだろうと思い、刺身みたいにわさび醤油で食べてるのかなとか適当なことを言っている時にふと私は父の息子なのだと自覚した。話のレベルが同じすぎる。写真の猫は祖父の墓の駐車場にいた野良猫。仲良しな2匹だった。

祖父の初盆だったので親戚で集まり焼肉屋でちょっとした食事会をした。長崎の初盆といえば精霊流しだが、そこまではやらないのだという(精霊流しについては以前こちらに詳しく書いた)。焼肉はうまい。人の金で食べる焼肉ならなおさらうまい。値段を気にせずに食べる幸せったらない。大満喫して実家に帰宅し、もちろん下痢した。良い肉はほぼ100%お腹を下すので最近もはやこれはおいしい下剤なんだと自覚するようになってきた。写真は焼肉屋の近くの海。アイスクリームで冷えた体を暖めるこどもたち。

まだ少し痛むお腹を抱えて夜には再び義実家に行き、義理兄の家族も来てみんなでご馳走を食べた。昔から親戚で集まる時は、近所のちゃんぽん屋さんから配達してもらう大皿の皿うどんがあるのが長崎スタイルである。昔は皿うどんにつくソースがリポビタンDの空瓶に入っていたのだが、今はプラのボトルになってしまった。ちゃんぽん屋さんにはファイト一発し続けてほしかったな。

こどもたちは久しぶりに会う義理兄家族に人見知りしていたが、帰る頃には健康的に真っ黒に日焼けした義理兄家のこどもたちとわが家の真っ白なこどもたちがオセロのように入り混じってキャーキャーと遊んでいた。5歳次女のプニプニのほっぺを触るための行列ができたり、腕相撲大会や軟体大会が突然開催されたりしていた。関東に住んでいた頃はお盆のハイシーズンに飛行機を取ると家族で往復20万以上したので時期をズラしたりしていたが、車で気軽に帰省できる場所に移住してよかったなあとしみじみ思った。

福岡に帰る道中、この写真に見切れているぬいぐるみを持ち帰り忘れたことに気がつき、7歳長女が私のぬいぐるみをしばらく貸してあげると次女をなだめていた。悲しんでいた次女もやがて寝て、それから長女も妻も寝て、私は静かな車内で父の猫の倒し方を思い出しながら夜の高速道路を走った。

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