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消化を高める食べ方

古代インドには、「ヴェーダ」という壮大で奥深い科学がありました。わたしたちの目に見えない精妙な自然の法則を驚くほど緻密に捉えたもので、
音楽や建築などさまざまな分野を含んでいます。
医学であるアーユルヴェーダもそのひとつです。

食事で変わる心と体
アーユルヴェーダ食事法 理論とレシピ
香取薫・佐藤真紀子



心も体も食べ物でできている?



前回の記事にも書いた、豆料理。わたしはひよこ豆(ガルバンゾ)のサラダが好きなんですが、自分の体質的にもアーユルヴェーダ視点から見たら
あまり食べない方がいいんですね。
理由はきちんとあるんですが。

わたしの体質がヴァータ(乾的・動的・不規則)が強めなのと、
そもそも、特定の食物がヒトの体にとっての消化にはあまり良くないとされているのです。


ガルバンゾは、その典型。


このように、少しも勧めない、という食物が好きな場合。

どうするの?という話です。


まず、前提として、わたしは何が良くて何が良くないか、は個人の体質によるので特定の食べ物を否定したり推奨しているのではありません。


アーユルヴェーダでは
消化されない未消化物が毒素となり病気の元になると考えられているので、なるべく消化の良くないものを控えるというのが基本的な考え。


自分の消化力を知り、それに合う食べ物と
食べ方をする、というものです。


豆も、タンパク質が多く、日本では発酵食品である味噌にも使われていますし、栄養価が高いものと
されていますが、発芽したものは体に悪いとの考えもあります。
そもそも豆自体が「ガスを生みやすい」とされていて、ヴァータ体質が高めな場合には注意が必要と
言われます。

体は座学以前に感じている


わたしは元々、酸味が好きですが
酸味はヴァータを下げると知ったのは
アーユルヴェーダと出会ってから。
体は座学の前に知っていたとも言えます。
生野菜も苦手で、たくさんは食べられませんが
ピッタ体質の方から消化力が高いのでOKだったりします。


酸味が好きですので、ビネガーで和えた副菜が
あればそれだけで満足。酒を呑む人には多いと思うんですが、
酸味を効かせた副菜は日本酒にもワインにも合います。

豆を使ったサラダなんか最高。栄養価も高く
満足感も得られますから。


だけど豆類全般は、アーユルヴェーダでは
ヴァータを増やし、ガスを生む性質があるとされています。
大豆や味噌も。
唯一、緑豆の豆でもあるムーング豆だけは激推しされています。理由は消化の軽い豆だから。


これに反論するように
わたしは味噌も好きだしひよこ豆をパセリと新玉ねぎを酢で和えたサラダが大好物なんです。

食べたいものを食べるときの工夫


いくら食べないほうがよい、と言われようが
食べたいものを我慢する方が体に悪い。
と思う部分も正直あります。
自由を奪われるような感覚は誰しも嫌なもの。
ですので、そんな時はどうするか。


スパイスを使います。


ヒーングというスパイスがありますが、
植物の切り口から出る液を固めたもの。
とても強烈な匂いがしますが、炒めると香ばしく
玉ねぎのような甘味も出ます。
ほんとに、ほんのすこーしだけ入れるのがポイント。

ダールというネパールのカレーにも
ヒーングは欠かせないスパイスです。

スパイスは日本では山椒や七味、わさびや
芥子などの位置付けと同じです。
なくても良いんだけど、加えることで
香りを高めて味に深みを出したり食欲を刺激したりする以外に、
元々の食べ物の性質を強めたり和らげたりする
効果もあります。


豆繋がりで納豆も好きなんですが、
大豆は消化には重いといわれます。
ですから、食べる時は刻んだネギを薬味に使い、
芥子などの辛味を入れることで
重い消化を助けます。昔の日本人も、消化の事は理解していたと思われます。

スライスした生姜(ガリ)を寿司を食べる時に食べたり、も同じ理屈。

冷奴の美味しい季節ですが、
あれも冷やしすぎず、常温奴で、すりおろした生姜と一瞬なら大丈夫だとか。
常温奴って、、、夏だから、とか関係ないですね、笑


甘味、酸味、塩味、苦味、辛味、渋みの6味

今回は、先程の酸味と辛味を中心に書きましたが
アーユルヴェーダでは6味があり、
全ては土、水、火、風、空の五大元素の組み合わせでできているとされています。



▶︎辛味 熱によって食欲不振をなくし、経路の通りをよくする効果がありますが、とりすぎるとピッタやヴァータを上げるので、灼熱感やめまい、性的不能や体力の減退を招きます。生姜は辛味ですが、灼熱感はもたらしません。


日本人が、日常生活にアーユルヴェーダを取り入れる場合、なるべく大きくスタイルを変えず、
薬味を加えたり、冷やしすぎたりしないなど、
少し工夫するだけでも消化には効果があるようです。

他の味や食べ方についてはまた別に書いてみます。

お読みくださりありがとうございます。

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