見出し画像

温泉についてあれこれまとめてみました

こんにちは

一言で温泉と言っても、お湯の色もそうですが
含有する成分がさまざまで
調べれば調べるほど面白くて、入ってみたらさらに楽しい

そして、体が芯から温まり将来の健康につながる

それが温泉であると思っています

今回は温泉についての詳しいお話と、
たまに良く見かけると思うのですが、
『療養泉』についてもお話をいたします

温泉とは

温泉には、温泉法で定められた定義があります

温泉とは、地中から湧出する温水、鉱水および水蒸気
その他天然ガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除)で

・源泉温度が25℃以上であること
・溶存物質の総量、リチウムイオン、水素イオン、
ヨウ素イオン、フッ素イオン、メタけい素、重炭酸ソーダ
など含有成分に関する19の特定の条件のうち
1つ以上期待値に達しているもの

これらのいずれか一方があれば、『温泉』と呼べます

つまり、源泉温度が25℃以上あるか、あるいは
それよりも冷たくても19の成分の条件のうち
1つでも規定値に達していれば温泉になるのです

地中の深いところほど圧力が大きく、
また、マグマにも近づくので
地中を100m掘るごとに地下水の温度は2〜3℃前後
上昇するそうです

地面を1,000mほど掘り湧出した地下水は
25℃以上になっていることが多く、温泉の定義によると
『温泉』になるのです


今は陸でも昔は海だった?

温泉に行くと、『塩化物泉』に出会う事があります
舐めると海水のように塩辛くて、ポカポカ温まる泉質です

海の近くなら、海水の成分に近い
塩化物泉の温泉が出るところが多いです

しかし、海から遠く、陸地の温泉地でも
塩化物泉に出会う事があります

今は陸地でも、はるか昔は海だったのかなぁ…?と
歴史を感じることもあります


療養泉とは

療養泉の条件は、温泉の条件より厳しくなっています

・源泉温度が25℃以上であること
・溶存物質の総量、硫黄、二酸化炭素(遊離炭酸)など
含有成分に関する9つの特定の条件のうち
1つ以上規定値に達するもの

であり、泉質名がつくのは療養泉のみです
また、泉質名がつかなければ『適応症』は認められません

たとえば硫黄が温泉1mg/kg以上あれば温泉ですが、
それだけでは泉質名はつかず、
2mg/kg以上含有されていれば療養泉と認められ、
これは硫黄泉と名乗れるのです

この温泉の条件と、療養泉の条件には矛盾があり、
たとえば、メタほう酸やメタけい酸が
規定値に達していれば温泉となるにもかかわらず、
療養泉の条件に、両者の含有量の規定がなく
温泉と認められても泉質名がつかないと
いうことになるのです

温泉法の規定と療養泉の規定

画像1

泉質のつき方と、パターン別泉質名まとめ

分析結果に基づき、療養泉に該当する温泉の場合は
泉質名がつきます

基本的に泉質名は特殊成分、陽イオン、陰イオンの
順で並びます

例:カルシウム・ナトリウム・マグネシウム-硫酸塩 など

温泉法上の温泉であっても療養泉に該当しない場合は
泉質名がつきません

その場合は項目名は「6.泉質」が「6.判定」となり
「温泉法第2条の別表に規定する○○の項により
温泉に適合する」といった記載になります

また、泉質名の後に
低張性・アルカリ性・低温泉などのように、
浸透圧の分類、液性の分類、温度の分類が
併記されるのが通例となっています

下記の数値は温泉1kgあたりの量です

・単純泉パターン

成分含有量が規定値に達しておらず、
源泉温度が25℃以上である→単純温泉

・塩類泉パターン

溶存物質(ガス性のものを除く)が総量1,000mg以上
塩化物泉、炭酸水素泉、硫酸塩泉

・特殊成分を含む療養泉パターン

水素イオン(H+)が1mg以上→酸性泉

総硫黄(S)
HS-(硫化水素イオン/陰イオン)+
S2O3(2-)(チオ硫酸/陰イオン)+
H2S(遊離硫化水素/溶存ガス成分)に対応するもの
=2mg以上→硫黄泉

※厳密な計算法は、硫化水素イオン×0.970+チオ硫酸×0.572+遊離硫化水素×0.941で2mg/kg以上

遊離二酸化炭素(CO2/溶存ガス成分)が1,000mg以上
二酸化炭素泉

ラドン(Rn)が8.25マッヘ以上→放射能泉

総鉄イオン(Fe2+Fe3/陽イオン)が20mg以上→含鉄泉

よう化物イオン(I-/陰イオン)が100mg→含よう素泉

アルミニウムイオン(AI3+/陽イオン)が100mg
含アルミニウム泉

銅イオン(Cu2+/陽イオン)が1mg→含銅泉

※鉱泉分析法改定に伴い、
含アルミニウム泉と含銅泉は除外され
よう素泉(よう化物イオンが10mg/kg以上)が加わり、
療養泉(泉質)は10種類となりました


療養泉(温泉)の適応症と禁忌症の見直し

平成26年7月1日に、
温泉の適応症と禁忌症が見直されました

見直し前と見直し後の違いは、

見直し前の適応症は主に『経験による見地』、
改定後の適応症は『科学的(医学的)見地』に
よるものだと考えて良いものになっています

しかし、見直し前の適応症も、長きに渡り
信じられてきたものですし、
各地の伝統的な温泉療養ならではの効果が期待できると
親しまれてきたものです

温泉を利用する立場としては、
『どちらも効果があるものだ』と考えながら入浴しても
差し支えないでしょう

偽薬でも信じて飲めば本当に効くという
プラシーボ効果という概念もあります

温泉は偽薬どころか、
科学的・医学的にきちんと効果が認められたものですから
その効果を信じて入ることにより、
より効果が高く期待できるでしょう

また、この見直しにより
『自律神経不安定症』や『ストレスによる諸症状』が
加わりました

心に関わる症状にも効果的だと認められたということです

そして、温泉の成分だけでなく、
温泉に入浴すること自体のリラックス効果や、
温泉地に行くこと自体の癒し効果が認められたのです

また、それまで禁忌症に指定されていた
『妊娠中(とくに初期と末期)』が除外されたようです

ご妊娠されている方も、安心して温泉に入る事ができます
しかし、浴室内は大変滑りやすくなりますから
くれぐれも足元には慎重に…

※温泉分析表は10年以内に分析したものを掲示するので
適用前の適用症が掲げられている場合もあります


低張性?等張性?高張性?

浸透圧とは、濃度が異なる水溶液の間に生じる圧力の差で
温泉の場合は溶存物質の量(濃度)または
凝固点(氷になる温度)によって
低張性、等張性、高張性に分類されます

画像2

溶存物質(ガス性のものを除く)が1,000mg/kgを超え、
より多いほど『濃い温泉』と言えます

10,000mg/kgを超える『高張性』の温泉はかなり濃いです

酸性、硫黄、鉄などの特殊成分を含んでいれば
溶存物質の数値が低くても、
一般的には濃い温泉と言えます

ちなみに、人間の体液(生理食塩水)の濃さは
約8,800mg/kgで等張性となります

簡単にいうと、低張性とは体液よりも濃度が低い温泉、
等張性は体液と濃度が等しい温泉、
高張性とは体液よりも濃度が濃い温泉です

身体への作用として、高張性の温泉に入ると
体内の水分が体外へと出ていきやすい
(=湯あたりしやすい、脱水症状を起こしやすい)
逆に低張性の温泉に入ると、身体は水分を吸収しやすい(=身体がふやけやすい)と考えられますが

実際は身体の皮膚表面は細胞壁で守られているため、
浸透圧によって温泉水が体内に吸収されたり、
体液が出ていく心配ありません


まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます

今回は長くなるのでこの辺で…

先日、温泉ソムリエを取得いたしました
ただいま認定証待ちなので、
また後日記事でご報告いたします


温泉は自然の恵みというイメージがありながら
掘削技術の進化により、都心部でも温泉地が新たに
誕生する時代です

都心部に住まわれている方にとって、身近なところで
温泉入浴が出来ることは
健康管理・ストレス解消などの点から素晴らしいことです

一方、たまには旅に出て、自然の中で
より効能の高い温泉で温泉療養したり
のんびりゆったり過ごしてみませんか?

この記事が参加している募集

スキしてみて

最後までお読みいただきありがとうございます! なにかのお役に立てられたらとっても嬉しいです いつもサポートいただき、 誠にありがとうございます🙏 いただいたサポートは、 今後の活動費として活用させていただいております