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相続の手続きについてまとめてみました

こんにちは

今回は誰もが避けては通れない相続について
お話しします

銀行に勤務していた経験があるので
多少の知識はあったはずなのですが
細かい手続きについては結構無知な事項が多く

このまま万が一の時を迎えた時に慌ててしまわないよう
今回まとめてみました

足りない部分が有ればぜひコメント欄で
ご教示いただけたら嬉しいです


1.まず葬儀会社に連絡

焦らず、最寄りの葬儀会社へご連絡しましょう

もしくは生前、互助会などに加入していれば
指定の葬儀屋があるかもしれません
可能であればあらかじめ生前に確認しておくと
良いでしょう

お葬式の段取りから市役所へ提出する死亡届まで
行ってくれるところが多いそうです


2.保険証等を市役所に返却

市役所に死亡してから14日以内に返却します

会社員ならお勤め先の会社に連絡して返却します

葬儀後、葬祭費申請すれば最大5万円の
還付があるようです


3.年金停止は年金事務所へ

年金手続きは管轄の年金事務所へ連絡しましょう

国民年金→14日以内
厚生年金→10日以内

未支給年金といって貰えた年金が戻ってくる手続き
があるそうです
年金受給前なら遺族年金の手続きもあるそうです

結構複雑なので、まず年金事務所に連絡しましょう
どんな年金が貰えるか丁寧に教えていただけるはずです


4.公共料金などの停止

電気、ガス、水道など、
故人の名義になっている場合、解約手続きや
引き落とし先の変更が必要になります

そのほかにもクレジットカード、NHK、
スマホ、プロバイダやwifi、サブスクリプション
などのインターネット関連の契約なども
もれなく手続きしましょう


5.確定申告があれば税務署へ

1/1~亡くなる日までに得た収入があるなら
準確定申告が必要になります

例えば、年金以外で収入があった場合
確定申告の必要になる可能性があります

また、現役会社員やフリーランス・自営業でしたら
確実に必要になってくるようです

準確定申告は亡くなった日から4か月以内です


5.相続人で財産の話し合い

上記のことが終わったら、
遺言書やエンディングノートなど探してみましょう

亡くなった人の最後の想いを綴ったものです

特に遺言書は、相続人全員で話し合う遺産分割より
優先して効力が発揮されるので注意しましょう

ただし、相続人全員の合意があれば
遺言内容と違った分け方も可能のようです


7.銀行、保険、不動産など手続き

現金預金、株(有価証券)、車、土地建物、
売却したらお金になる物、生命保険など
相続財産は何があるか把握しましょう

相続税計算や相続人たちでどう分けるか
話し合うために必須です

ただし注意点があります

生命保険は受取人が指定されていた場合、
相続財産に入りません


8.相続税

相続税の基礎控除:
3000万円+相続人×600万円です

相続人が3人なら4800万円になり、
これ以上超えたら申告しなければなりません

注意点として、生命保険や退職金がある場合
相続税の計算に加算されます

ただし相続人1人あたり500万円が控除されます

相続税は10ヶ月以内です


9.戸籍の集め

年金、銀行、株、不動産、その他手続きに
戸籍類が必要です

●どんな戸籍が必要なのか

・亡くなった人の戸籍→生まれてから
 亡くなるまで「すべて」の戸籍類
・相続人→現在の戸籍のみ

市役所の窓口で
『出生から死亡までの戸籍をください』
伝えるとよいでしょう


10.遺産分割協議書

誰がどう引き継ぐのかの話し合いです

決まったら遺産分割協議書を作成し、
相続人全員で署名押印(実印)と印鑑証明書を
添付して完了です

作成のコツは
「遺産分割協議書 フォーマット」
で検索してみて、ひな形を利用してみましょう

相続放棄は4ヶ月以内です

なお、
相続人の中に認知症や寝たきりで判断能力が難しくなっている方がいる場合には別途、対策する事があるようです


補足:成年後見制度

成年後見制度とは、
認知症、知的障害、精神障害などで
意思能力が不十分な方を保護するための制度です

判断能力が不十分なことをいいことに
悪徳販売業者等から高価な物を買わさせたり、
必要もないリフォーム契約をさせられたりしないように、
これらの方が不利益を被らないようにするための制度です

一定の法律行為をする場合には、
後見人等の同意が必要とすることで
認知症等になってしまった方を保護することができます

認知症の方は遺産分割(法律行為)を
することができませんので
成年後見人という代理人を定めて
その成年後見人に遺産分割を代理してもらうことで
遺産分割を成立させることができます

なお、成年後見制度には
法定後見制度と任意後見制度の2種類があります

法定後見制度は、
意思能力が不十分な方を保護するために、
本人または親族が家庭裁判所に申立を行うことで
後見人を選任してもらい、
後見人が本人に代わって法律行為を行ったり
同意権を与えることで本人を保護する制度です

遺産分割協議をするために後見制度を利用するので
自動的に任意後見制度は利用することができず
法定後見制度を使うこととなります

なお、法定後見制度は認知症等の方の度合いに応じて
3種類に分けられるそうです

補助:精神上の障害により判断能力が不十分な方
保佐:精神上の障害により判断能力が著しく不十分な方
後見:精神上の障害により判断能力を欠く状態にある方

どの種類になるかは申立人が判断するのではなく、
医師の診断結果などで決まるそうです


●成年後見制度のデメリット

・成年後見人は親族が選ばれるとは限らない

それは、親族は後見人に選ばれず
専門家が選ばれてしまう可能性が高いことです

成年後見人を誰にするかの決定権は、
家庭裁判所が握っています

ここ数年間の傾向では
現在の家庭裁判所での運用をみると、
親族が選ばれる割合は下がり、親族を後見人とするよりも
専門職(司法書士や弁護士等)を後見人とする方向に
傾いているようです

最近の家庭裁判所の運用では、親族の横領を防止するため
認知症の相続人が一定の流動性資産(1200万円)を
お持ちの場合には、専門職後見とする取り扱いのようです

この流動性資産には、
相続で当該認知症の相続人が取得する法定相続財産も含め
計算され、この一定額を超える資産をお持ちの
相続人の場合には
まず司法書士のような専門職後見人が選ばれてしまう
覚悟を持っておいた方が良いかもしれません

後見人に専門家が選ばれた場合には、
お母様の財産管理は後見人が行い
また、どこの施設に入れるかなどの
お母様の介護に関する決定などについても
専門家後見人と話し合って決めていくことになるそうです

また、確実にその親族が後見人となれる保証は
どこにもなく、
審判が終わってみたら全く見ず知らずの司法書士等が
成年後見人に選ばれてしまう可能性があり、
一度選ばれてしまった専門職後見人を変更することは
余程の理由がない限りは認められないそうで、
一生涯その見ず知らずの専門家と
付き合っていかなければいけないことになるそうです


・一生涯かかる成年後見人の報酬

また、後見人に報酬が発生することも
成年後見制度が使いづらい理由になるでしょう

親族以外の専門職後見人が選ばれた場合
成年後見人には報酬を支払わなければいけません

成年後見の報酬は
ご本人が保有する財産によって異なりますが、
目安は最低月2万円、
財産額によっては月5~6万円になることもあるそうです

財産の中に収益不動産が多数含まれる等の
難易度に応じた付加報酬も発生する場合があるそうです

専門職後見人がついた場合、
年間24~72万円の費用を一生涯続き、
今後収入が増える見込みがなく
貯金から医療費や生活費が毎月目減りしてしまいますし
後見制度は原則として途中で止めることができないので
ご高齢の相続人にとってみると、死活問題です


・後見制度支援信託が決まると信託報酬も発生する

後見制度支援信託とは、
ご本人の財産が日常生活に困らないほど
十分である場合には生活に必要最低限な財産を除いて
通常使用しない金銭を信託銀行等に
信託をする仕組みのことです

この制度を利用することで、成年後見人に横領等を
防ぐことができるメリットがある反面、
信託銀行へ支払う信託報酬が発生してしまう
デメリットがあります

必ずこの制度を利用しなければならない
わけではありませんが、
専門職後見人が後見制度支援信託を使った方がいいと
判断した場合には、信託することになります

専門職後見人だけでなく、
信託報酬まで発生するとなると
相当の費用が発生してしまいますので
できれば避けたいところですね


・仮に親族後見が認められても遺産分割の代理ができない

成年後見人は本人の法定代理人ですから、
遺産分割の代理もできそうに思いますが
親族後見が認められても遺産分割に参加できません

後見人になった親族自身が相続人である場合、
自らも遺産分割をする立場にあるため
被成年後見人と利益相反関係になり
代理行為をすることができないのです

こういった場合には、また家庭裁判所に申し立てをして
認知症の本人のため特別代理人を
選任しなければいけません

そもそも遺産分割を目的として後見人となるわけですから
こんな非合理的なことを家裁が認めるわけもなく、
相続人が候補者として申し立てをした成年後見の場合には
第三者である専門家が選任されるケースがほとんどです

成年後見人はあくまでも認知症となった本人の財産を
守る立場にあります

他の相続人のために存在しているわけではありません

つまり、成年後見人が親族になろうが専門家になろうが、成年被後見人の財産については
家庭裁判所の管理下におかれることになりますので
ご本人の財産を守るような協議内容にしか
応じることができません

ひとつの目安としては、
認知症、知的障害、精神障害などで
意思能力が不十分な方の法定相続分の割合です

この割合以上をご本人が取得するような
遺産分割協議の内容であれば、
成年後見人としては応じることはできるようですが
ご本人が法定相続分以下となってしまうような
協議の内容では、立場上応じることはできません

相続税が最もかからないような
遺産分割をしたいと思っても
自由に分割案を決めることができません

成年後見人となった方は
基本的に本人が死ぬまで一生涯
その方の財産を管理し続けなければいけません

毎年、裁判所に対する財産状況の報告といった
面倒な事務手続きが発生し、
遺産分割という目先の問題が解決した後は
報告が面倒で嫌になったとしてもやめることはできません

また、専門職後見人が付いた場合には
本人が死ぬまで毎月数万円の報酬を
払い続けなければならない大きな問題が生じます

成年後見人をつけることで
本人の財産を守っていくことができる
メリットがあるかもしれませんが
デメリットも存在します

安易に成年後見をつけることを考えず
今後のこともしっかりと考えて
慎重な判断をしていくべきです


各役所での手続き項目

・戸籍類→市役所
・年金→年金事務所
・準確定申告→税務署
・不動産の名義変更→法務局
・相続放棄→裁判所

市役所以外は、事前予約が必要な場合があります
事前に問い合わせをしてみると良いでしょう


相続時の期間などまとめ

・保険証の返却→14日(国保)
・国民年金の停止→14日
・厚生年金の停止→10日
・年金の時効→2~5年
・準確定申告→4ヶ月
・相続税の申告→10ヶ月
・遺留分侵害額請求→1年
・遺産分割より遺言書優先
・相続税控除→3000万+600万円×相続人数
・相続放棄→3ヶ月

万が一が訪れる前に…事前に準備しておきたいこと

現金の用意

意外に知られていないかもしれませんが、
葬儀費用を親の預貯金から引き出そうと思っても
亡くなった時点で預貯金は遺産となるため、
遺産分割の手続きが終了するまでは
原則引き出すことはできません

しかし、2019年の相続法の改正により、
預貯金の仮払い制度が新設
され、
一定の金額であれば相続決定前に
引き出すことが可能となりました

引き出せる金額は、
相続開始時の預貯金残高×1/3×請求する相続人の法定相続分

までで、金融機関ごとに150万円が上限となっています

これは銀行の窓口で、
直接払い戻しを受けることができます

このように、親が健在なうちに
親の預貯金(どの銀行にいくらあるのか)、
加入している保険会社などを聞いておき
現金化できる手だてを整えておきましょう

あとは、葬儀代を立て替えられるくらいの貯金を
しておけると良いと思います

葬儀やお墓について決めておく

こちらも親が健在なうちに意向を聞いておくと、
いざという時に慌てずに済みます

葬儀社には、互助会というシステムがあり
加入者が毎月一定額の掛金を前払金として
払い込むことにより、葬儀の際に割引などの
サービスを受けられるものです

親がある葬儀社の互助会の会員になっていたことを
子どもが知らずに、別の葬儀社で葬儀をしてしまったら、
元も子もありません

葬儀社は死後すぐに手配する必要があるので
あらかじめ依頼しておくところを決めておくと
スムーズです

お墓については
先祖代々のお墓に入る場合は
戒名彫りと納骨費用で済みますが、
新たに購入する場合は、
お墓の種類・場所・金額など、
本人の意向を含めて決めておくと良いと思います

遺言書を書いてもらう

残された家族が相続でもめないよう、
親に遺言書を作成しておいてもらいましょう

遺言書に相続財産を明記することで、
相続人の相続手続きの負担も軽減できます

書くことで相続財産がどれくらいあるかを把握できるので
相続税の対策を考えるきっかけにもなります

相続財産が基礎控除を超えそうだったら、
生前贈与などの節税対策も有効になってきます

不動産の価額や相続税の計算に迷ったら、
税理士などの専門家に相談すると良いでしょう


まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます

今回は、とても難しい内容になってしまいましたが
大切な人が亡くなった後の相続手続きを
簡単にご紹介いたしました

もしも足りない部分があれば申し訳ございません
そして、ケースバイケースなので
この通りに行かない場合も出てくるかもしれません

いつ何が起こるかは誰にも予測できません
しかし、今のうちにできることは備えたり
多少の知識はあった方が
万が一の時のためになると思います

実際に不幸がおとずれた時、
何をしていいか分からない…とならないよう、
覚えておいて損はないはずです

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