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第1回 私流、物語の作り方/最初の準備編


昔の悩み

商業で物語の企画を作る時や、自分の創作で作る時もですが
なるべく簡単ポンで作りたいと思っています。
昔、2010年頃は『こんな物語を書きたい』と思ったら、そのまま準備無し・プロット無しで書き始めていました。結果、途中で行き詰ったり、最後まで書けないことがしばしば。

それで、毎度毎度思うのが――
面白くて感動できて最後、読み終わった後に余韻が残るような物語が書きたいのに……どうしたら、最後まで書けるのか。ということでした。

とりあえずこの悩みを解決すべく調べたりすると『とりあえず最後まで書くこと』と書いてあります。そうなんですよね。それはわかるんですよ。誰も書きだした物語を中断したくはないんです。書けるなら最後まで書きたい! それが本音だと思うんです。
「じゃあ、四の五の言わずに書きな」なんですけどね……(汗)
どうしても書けなくなってしまう。頭が手が止まってしまうんです。
何故、書けないのか。何故、途中で筆を折ってしまうのか。
本当に長い間、私はそのことに囚われていました。

解決への糸口を見つけた話

2014年、私は海外向けではありますが、乙女ゲームを作る会社で働けるようになりました。『ゲーム事業部シナリオ制作部』という夢にまで見た『物語』を生み出す部署で、プロット作成を主にするお仕事です。
一番最初にしたお仕事は、和風モノのクリスマスイベント。
そのゲームはキャラクターが12キャラもいて大所帯でした。
クリスマスイベントなので、12キャラ分の違ったクリスマスのお話を考えなければいけません。

なかなかにハードでしょう?
プロットとは何ぞや? そんな状態で始まったお仕事。
それも、12パターンのクリスマスのプロットが書き終わるころには
プロットとはこういうものか、と少し理解できるようになっていました。
その時に理解したプロットとは、お話の設計図のことなんだなということ。
ヒロインがキャラクターたちと、どんなクリスマスを過ごすのか。

プロットのテンプレートはこんな感じです👇
『どういう経緯で二人がクリスマスを過ごすことになって、どういう風に準備をしてそこで何かたまげたことが起こって、たまげたことが解決(収束)し甘い素敵なクリスマスを過ごす』という流れ。
その中に各キャラクターの「らしさ」を入れて「きゅんきゅん」できるようにすることが大切でした。

お話の枠組み(テンプレート)ができれば、それをキャラクターごとにアレンジしていくだけなんですよね。

このお仕事のおかげで、昔の悩みは解決することになります。
そう、プロットをちゃんと書くようになって、物語を完結へと導けるようになりました。

準備が肝心/思考段階でもメモ

ここからは、今現在の私が物語を作る時にしていることです。
プロットはいろいろな事を決めてから進めます。
まったく新しい物語を作るのであれば尚更です。
プロットを書くようになったので、完結迄書くことができるようになったんですが、プロットを書く前段階がいろいろとあるのはご存知でしょうか。
そう皆さん、もちろんご存じですよね。

いざ、じゃあプロットを! なあんて危険ですよ?
とくに私のような忘れっぽい人間は。
設定を考えておくことは、本当に重要なことです。

物語は『世界観』『キャラクター』『ストーリー』の3つの柱で出来ています。
プロット(ここはストーリーの準備段階になるのですが)を設計するには、どんな世界(舞台)でどんなキャラクター(登場人物)が居るから、どんなストーリー(流れ)で活躍するのかをプロットに書けるのです。

ところで。皆さんは、アイデアが降りて来る派ですか?
それとも、いざ作ろうと考えて生み出す派ですか?

私の場合、唐突にアイデアが降りてくることが多いです。
それは言わせたいセリフの場合もありますし、書きたいワンシーンを思い浮かべることもありますし、その時に感じていることを書きたいと思うこともあります。

そういうアイデアを、いつでも書き留めておけるようにと、アプリをスマホにダウンロードしています。
ハッ! とひらめいたらそこ(アプリ)に打ち込む✨
寝ていて夢でハッ! と降りて来たりするときも、すぐに起きて書き留める。この間、そんなこともあって自分自身に驚きました(笑)
私の使用しているアプリは、こんな感じです👇


Miminote

新しい内容を書くときは、一番下の「あたらしいメモを作成する」をタップします。すると大きくメモが開かれて記入できるようになります。
また、以前のメモに内容を追加する場合は、その日のメモをタップすると、メモが大きく開かれて再記入できます。

湧いてきたアイデアも、そこから考えを広げたものがあれば、その内容も含め、とりあえずメモしているんです。

アイデアをまとめて広げておこう

スマホのメモがなんとなく使えそうな形にまで広がると、企画やちゃんとまとめておきたくなるのですが、それらを今度はPCでPowerPointを使用し詳細を作って保管するようにしています。

実用できる程度まで原案を作っておくということですね。

こちらは、この前までnoteで書いていたファンタジー作品になります。
このようにPowerPointを使って、まとめています。

PowerPoint使用時

【まとめている内容】


・タイトル
・ログライン
・参考にした作品
・大まかなあらすじ
・ハコプロット
・世界観イメージ画像
・キャラクター(主要登場人物)
 氏名・年齢・職業・性格や見た目の特徴など
・呼称表や口調表

・以下、他あってもいい内容
 ターゲット層 /マーケット/提案理由

PowerPoint使用してまとめ、保管しておくと企画として送りやすいこともありますし、新たに企画提出する場合の原案にしやすいこともあります。
企画を提出する、提出先の求めるフォーマットに書き直すこともありますが、その場合も書き直しやすいです。

また、自分で創作するときなどはPowerPointを使用することによって、テンションが落ちにくい気がしています。アイデアをまとめる時に多様なデザインを利用し、楽しくまとめられることが大きな要因のような気がしています。

私は、専門学校でゲームシナリオの講師をしているのですが、学生さんたちにはみっちり、設定を考えて事細かに創ってもらっています。
世界観もExcelにみっちり。
キャラクター設定もExcelにみっちり。
それらが出来たら、ストーリーボードを制作し、ラフプロット制作、そしてプロット制作、シナリオ制作へとその工程をみっちり(何回みっちり言うねん……💧)細かに作るよう授業しているんですよね。
ですが、冒頭にも言いましたが、私はなるべく簡単ポンで作りたいのです。

それでも、抜かしてはいけない工程もあるので、今試行錯誤で己の培ってきた物語制作手順を、楽しく時短で出来ないものかと考えています。

さて、第1回 私流、物語の作り方/最初の準備編はいかがでしたでしょうか。
なかなかやることが多いんちゃうん? と思われた方もいらっしゃるでしょうね……(私も思うもん)

全ては、最後まで物語を書き切るための準備です。
書いている途中で、設定が変わったり、キャラクターがぶれたり、途中でネタが思いつかなくなったり……途中で止まってしまう原因はいろいろとあると思うんです。

私は「準備」は大切なことだと思っています。
「準備」を制する者は「人生」を制するといいいます。
あ、ですが……私たちは物語を制することが目的ですよね^^
「物語」を制するため、ぜひ皆さんに合った方法で「準備」を制していただければと思います。

第2回私流、物語の作り方/世界観設定編もどうぞお楽しみに。

※この第1回以降については記事の専門性が高いため途中より有料になる場合がございます。

2023/8/27  株式会社one's glory 西門 檀





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