【840/1096】それは当たり前
「夜、悩み事があって眠れない」というのは、私の10代から40代にいたるまでしょっちゅうあった。
夜、眠れなくてつらかった。
悩んで眠れないのも、他の人はそうではないだろうに、自分だけがこんなで、なんてダメな人間なんだろうと思っていた。
10代の頃はまだしも、40になってもその状態は、相当やばいと気がつくべきであった。
悩んで苦しんでいれば、眠れないのは当たり前である。
誰でもそうなる。
眠れない夜を過ごすのは、なにも自分だけではない。
それなのに、自分だけが悩んで眠れない、眠れなくてつらいと、くよくよしていた。
「どうして私は眠れないのか」と自分を責めて、さらにつらくしたりして。
つまり、その解釈が余計である。
「どうして私はこうなんだろう」と思うその解釈が自分を苦しめているのである。
眠れないのは、当たり前で、それでいいんだと思えていたら、自分で自分を苦しめずにすんだのだなと思う。
いつでも自分を苦しめるのは自分の解釈である。
苦しいことがあったときに、その自分の解釈ではなくて、どれだけ事実を認識できるかというのが大事だ。
悩みがあって苦しければ眠れないし、緊張が強ければ眠れなくなるのは当たり前である。
事実を認識して、どうしたらいいかを決断する。
そして、行動する。
そうやって、人は自立を獲得していく。
自分で決めないでいると、いつまでも情緒的に未成熟なままでいることになる。
事実を認識して決める練習をするのが大事である。
それは、身体を認識して、決める練習を積み重ねて獲得した。
身体でやれることは、精神的なことでもやれる。
50代になった今は、悩み事があって夜、眠れないということは皆無となった。
人生とは面白いものである。
では、また。
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