池谷裕二・中村うさぎ著「脳はみんな病んでいる」/脳は不思議、脳は面白い♪
突然ですが、実は私、はっきりとした幻聴を経験したことがあります。
生きている人が吹くブルースハープの音が、本当に耳元で聴こえたのです。かなり長い時間でした。
その時私は、なんとなくですが、これは脳の誤作動的なものなのかなと思いました。生きている人(息子なんですが^^;)がさっきまで吹いていた音が、確かに聴こえる。これが幻聴なのかと思いました。
で、この本では、幻聴には触れていませんでしたが、「幻覚」について科学的な視点から言及されていた、その事がこの本を読むきっかけとなりました。
中村うさぎさんと、脳科学者池谷裕二さんの対談集です。
【幻視(幻覚)について】
この文章を読んで、
以前、生まれつき目の見えない人が突然見えるようになっても、健常者のようには見えない。例えば壁に掛かっている絵を見て「絵」だと認識できるのは、経験則に従って見えているに過ぎないという話をどこかで聞いてとてもびっくりした事を思い出しました。
また、幽霊が見える人は、見える事は嘘ではないが、そこにいるから見えているのではないのかもしれないという事なのかなと自分なりに解釈しました。
【夢について】
これは、よく、「夢枕に立つ」という表現があり、亡くなった誰かがあちらから現れた、と考えられているフシがありますが、それは違うだろうと考えておりました。何故なら私の夢にはよく芸能人が出てきて、ラブラブなおデートをしたからです^^;(ラブラブと言ってもプラトニックね)
私の事など知らない織田裕二さんや時任三郎さん(昭和のアイドル⁈)が私の夢にあちらから入り込んでくれたとはどう考えてもあり得ません^^;
【脳vs人工知能】
これから20年以内に、約半分の仕事が人工知能に取って代わられる時代が来ると言われている中、失業しない仕事の中に、メンタルヘルス・カウンセラーがあるが、
カウンセラーですら人口知能がやった方が利点が多いとも考えられる。(カウンセラーの心身の疲労がロボットにはない。患者にとっては、恥ずかしい秘密も言いやすい。カウンセラーの些細な言動や行動で患者がイラつく事もない、などがその理由。)
こうなると、旦那さんも奥さんも人口知能の方が良いのではと中村さん。
ペットロボットがじわじわと普及しつつある事を考えればあながち幻想とも言えないかも。いい悪いは別として。
【マシュマロテスト】
目の前のマシュマロを15分食べずに我慢できたらもう1個もらえるよ、と言って我慢させると、3歳児は食べちゃうけど4歳児になると合格する子が出てくるのだそうです。
やみくもに我慢を強要するのではなく、我慢(自制)すると利点もあるよ、という事を理解させるといい。というお話。
【人生は退屈との戦い】
「何もしないでください」と言われ真っ白い壁に囲まれた部屋に15分入る実験がある。参加者が、2度とやりたくないという実験だそうです。
マウスの同じ実験で、その部屋にボタンを押すと電気ショックが流れる装置を置くと、マウスはその痛みを知っていても何度も刺激装置を押してしまうという。
これは、人間は、何もしないくらいなら苦痛を味わう方がマシということ。リストカットする人は、痛くて血が流れている時に初めて生きている実感を得られた と言う人もいるそうです(T . T)
【何故人は承認願望やナルシシズムに突き動かされて人生を変えるところまで行き着いてしまうのか】
それは「脳のバグ」であると池谷氏。
本来単なる自己防衛の感情だったものが肥大しナルシシズムへとすり替わってしまう。
盲目的な愛も脳のバグゆえ。恋愛結婚は、壮大なる「勘違い」が原動力。
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池谷さんは、自身を自閉スペクトラム症だと自己診断しておられます。
半端ない凝り性だそうで、例えばバッハの無伴奏チェロ組曲だけを30人聴き比べ、次はモーツァルトのピアノソナタをいろいろな演奏家で聴き比べたり。
曰く、、普通の人ならスルーするような妙な違和感が異常なほど気になる。それは、社会や人生のいろいろな問題に気づける、偉大な長所でもあるのだろうなと思いました。
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最後の章は、互いを自閉スペクトラム症だと自覚しているお二人が、専門医の元へ行き診断してもらうという画期的?な企画における3人(お2人+医師)の会話でした。
このお2人の診断結果結果はいかに?
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対談形式は文章としてまとめられていないためあまり得意ではない形式なのですが、脳に関するお話はとても興味深く面白かったです。
本日も長文をお読み頂き
ありがとうございました❤︎