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茂木大輔著「オーケストラ楽器別人間学」再読♪


本を整理していたら、
だいぶ前に購入した、元N響オーボエ奏者 茂木大輔さんのこの本が出てきました。パラパラとめくったら、面白い〜

ちなみに、この表紙のイラストは、
バスクラリネットを演奏する小泉純一郎さん。(画・南伸坊さん)
小泉さんがバスクラリネットを吹ける訳ではなく、
小泉さんに合う楽器はバスクラかなという、茂木さんの妄想図です😂

この本を買った当時、まさか自分が将来アマオケに入るなどと夢にも思っていなかったなぁと
不思議な気持ちになりました。

さて、以下、抜粋です。

◆同じ楽器を演奏する人間には、共通点がある。
これは、先天的にそういう楽器を選択するという一面と、その楽器に長く触れていると後天的にその楽器にマッチした性格が形成される、という二つの面がある。

この事について、
その秘密を解き明かすべく、
楽器別人格形成論刊行基準委員会
において、若干の法則性を発見するに至った。
毎年夏にストックホルムで開催される「世界楽隊人格研究者シンポジウム」で、世界的センセーションを呼ぶ事になるであろう。(全て茂木さんの妄想で、大嘘です😂笑)

ヴァイオリンは、オーケストラの中で最大の同種楽器集団を形成している。
第一ヴァイオリンだけで多い時は20人、第二ヴァイオリンもユニゾン(同じ音程を、オクターブ違いで演奏する事)で演奏する場合には
実に40人という数の人が、
一糸乱れず完全に同じボウイング、同じ音程、同じタイミング、同じニュアンスで演奏している。

この事は、自分の音が大勢と混じりあい共鳴しあって強い音になっていくという、最強集団の一員としての安定感、安心感とともに、好き勝手は許されないものいう制約を生む。
結果として奏者は、忍耐と客観性にたけ、仮面をつけて集団に同化する事のできる匿名性を身に付けてゆく。

◆第二ヴァイオリン奏者のその後の人格の変異(わたくし第二ヴァイオリンなので^^;)

第二ヴァイオリンは、オーケストラの中で、最も複雑な業務に携わることになる。(中略)
生涯自分は主役ではないという悲劇的事実、しかも要求される完全な自己抹消、演奏する音域、音量が中途半端で煮え切らないというフラストレーション、伴奏を主体とする仕事の単調さ。
同じように教育を受け楽器を習得しながら、
毎日隣で自分たちを尻目に心地良さそうに演奏を続ける第一ヴァイオリンの存在。
こうした、もはや最大の幸福を求めても得られぬ人生の宿命と矛盾への考察から、奏者は大いなる哲学的思考に導かれる。
結果として奏者たちは、諦観と深い人間観察にもとづくユーモア、アイロニーとペーソス、メランコリー、他者への思いやり、正義感などを身につけた、きわめて魅力的な人間像を形成する。

以上、
笑ってしまった箇所を
抜粋させて頂きました。

最後の文章以外はほぼ当たっています😂笑



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