見出し画像

プロフィール考

 ずいぶん間があいてしまいました。

 今、プロフィール撮影のセレクトと編集が、様々な案件でずっとつづいています。
 撮影の予定のほとんどがプロフィールです。
 たくさんの人たちと、短い期間で、お会いして、写真に写す、ということは、普通の方には想像もできないことだと思います。

 もともと引きこもりで、人とのコミュニケーションが苦手だったところから、カメラというツールを介在してコンタクトをとる、ということが私にとって楽だった、という成り立ちから、今があります。

 身近な、今までに関わってきたカメラマンの方たちも多かれ少なかれ、そんな特徴があるな、と最近気づきました。
 苦手、ってことは、なにか多く気づきすぎて、居心地が悪くて、必死で改善しようとする、その作用で、傍から見るといい写真が撮れるコミュニケーションが取れていたり、
 不器用ゆえに、言葉にできない、伝えられないおもいを持っているから、必然性にかられて写真という表現方法を選んで、やり始めて、突き詰めていくんじゃないかと。

 とりとめもない話になりそう。
 もとに戻すと、
 プロフィールをたくさん撮らせていただくなかで最近気づいたことを書こう、と急に思ったのでした。
※あくまでも1カメラマンの私見ですので、お聞き(お読み)流しくださいませね。私の考えに賛成いただける方のご依頼をお待ちしてます。 

【人の顔のつくりで良い表情はだいたい決まっている】
 笑わなきゃとか、口は閉じなきゃ、とか、プロフィールに対する先入観てたくさんあると思うし、私も撮影しつつも偏見持ってました。
 撮影者側から言えば、笑わせなきゃ、口を閉じさせなきゃ、ってやつですね。

 プロフィール、撮られるの苦手、とか、緊張する、ていう方、たくさんいらっしゃると思うのですが、

 「良く見せよう」

 っていう心理状態がとてもじゃましてます。
 その大きな原因が

 「良く見せよう」=「普段の自分の表情じゃだめなんだ」

 っていう先入観。たった今からその考え捨ててほしい。
 私は以前から、その人らしさ、を撮りたくてプロフィール撮影に臨んできましたが、このごろ、お顔の作り、特に口のカタチと、お顔全体に占める口の割合、また、口と歯のバランスが、その方の表情のほぼほぼを決定するんじゃないのか、と推察するに至りました。
 人それぞれ、千差万別、幾通りのパターンがありますが、目と、口角と、口を開ける度合い、を、被写体ごとに変える、ということを意識して撮影しはじめたら、ますます思い描いたイメージの感じで撮影できることが増えてきました。

 簡単に言うと、Aさんには全開の笑顔をしてもらうけど、Bさんには笑わないでいてもらう、みたいな極端なことも起こります。

 納品カットは1カットということはまずなく、表情ちがいで最低3カット以上はお渡しするようにしていますが、口を開けて笑っているパターンと、閉じてきりっとしたパターン、ほとんどの方は両方お渡しするなかで、どちらかが全く無いパターンの方もいらっしゃいます。
(提出先の指示等で必要な場合はこの限りではありません)

 少し前に撮影させていただいた、男性のお見合い用の写真でのエピソード。
 ご自身の笑顔に全く自信がない様子で、写真が苦手です、って聞かなくてもわかりますよ、っていうオーラ全開で現場にいらっしゃいました。
 また、これまで数々のカメラマンや、撮影をしてくれた人から、ほら!笑って!って言われて撮られて自分で見て嫌だな、この顔、っていう経験をたくさんされてきたんだろうな、っていうのが見て取れて、私が一瞬泣きそうになりました。
 今まで、中途半端に笑わせてごめんね。とことん向き合えなくてごめんね。カメラマンを代表して謝りたい、そんなきもちでした。

 その方のお顔の特徴は、お口が小さい割に、歯が大きい。八重歯もあってチャームポイントなのですが、男性で気にされてるんだろうなあ、というのも感じました。

 もう「がはは!!!」ってくらいの勢いで笑っていただかないと、本来の人の良い感じが消えてしまうのです。

 初対面で、短い持ち時間のなかで、彼の人生を変えうるべく、最高に彼らしさを伝える写真を生み出していかなければなりません。
 私は正直に思ったことをお伝えし、彼にご協力願うことにしました。コンプレックスこそがチャームポイントだということを、言葉を変えながらお伝えし、肚におとしていただきました。
 一緒に目指すゴールを共有し、テンション上げて(笑)何度も笑っていただきました。
 合言葉は、明日は筋肉痛!
 何十年と動かすことのなかった部分の表情筋を使ってもらいました。彼らしい、優しさと奥ゆかしさが感じられる写真が撮れたと思っています。
 今は、その後の経過報告待ちです。

 写真が苦手、笑えない、どんな顔をしていいかわからない。
 お任せください。一緒に、いちばん自分らしいプロフィール、撮りましょう♪


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?