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ようやく母と自分を切り離して考えられるようになった

「ほら見てん。奥さんがテレビに出てお金を稼ぐようになった芸能人カップルは離婚するから…」

母はテレビを見ながらそう言った。

そう、これは昭和の話…。

芸能人同士で結婚したら、当時の芸能界では大抵女性側が引退していた。
しかし数年後、多くの女性は再び芸能界に復帰する。

そうした人をテレビで見かけるたびに母は冒頭の言葉を言っていた。


当時の私は母の考えと自分の考えが分離出来なかった。
なので
(ふぅ〜ん。そんなもんなんか。あ?でも榊原郁恵は離婚してないけど?それってどうなんやろ?)
って漠然と思っていた。

母は小さい頃父親を亡くした。
父の温もりを知らずに育った母。
私の祖母は終戦後1人で母と母の姉を泣き言を言わず必死に育てた。

母は「おかえりなさい」と言ってくれる人がいなくて寂しかったらしい。
だから自分が家庭を持ったら専業主婦になる。
そう決めていた。

結婚して母親となり息子(私の弟)の知的障害を伴う病気を発症したのもあってどっぷりと専業主婦を続けている。

そして、そんな母に育てられた私の自己肯定感は昔からかなり低かった。
何も出来ない自分だと思い込んでいた。
(私なんて…)
の気持ちが大きく心の中を占めているような人間だった。

それと夫が転勤族ということもあり、定時で出勤するフルタイムの仕事に挑戦するなんてとんでもないことだった。(果たしてそれも本当に不可能だったのか?今となっては疑問だけど)


そんな私は3年前、noteを始めた。
世の中やテレビでは流行病に関わる不安なことばかりを垂れ流していた。
私はそれらをなるべく避けて大好きな文章を書いた。
書くと同時に多くの人の記事を読ませて貰った。
内観が一気に進む。
また、noteでの交流から私は沢山の愛を貰うことが出来た。

皆さんからの愛のおかげで
(私なんて…)という思いから
(もしかして私でも大丈夫かも…?)と新しいことに挑戦しようという勇気が湧いて来た。

そして昨年、ようやく未知の仕事にエントリー。
面接を経て無事採用。
50歳を過ぎての就職だった。

仕事については、最近ちょくちょくつぶやきのネタにさせて貰っている。
(おかげでnoteのネタは、出勤している限り尽きそうもない)


そしてこの1年数ヶ月、私の周りでは色々あり今月からは3人目の上司と巡り会えた。
先日その上司と2人きりで話す機会があった。

私が
「こうした仕事をするのは初めてです」
と言ったら

「え〜っ!意外〜!」

とめちゃくちゃ驚かれた。

社内で私が知る限り1番心穏やかで落ち着いているこの上司が、思いがけなく大きな声で驚いたことに、私自身が1番驚いたくらいだった。

「えっ?そんなに意外ですかー?」

私は内心嬉しくなった気持ちを悟られないよう冷静を装って聞き返した。

「いやぁ意外〜。だってあんなに書類を綺麗に纏めたり、お客さんへの対応を見てたら、前にも似たような仕事をしてたのかとばかり思ってたよ〜」

とまたまた上司は嬉しいことを言ってくれた。


確かに接客に関しては未体験とまでは言わない。
しかし、自分用のデスクを与えられての事務仕事に関しては、新卒で就職して結婚を機に寿退社(令和の時代ではもはや死語)するまでの僅か3年足らずの経験しかなかったのは本当のことだった。


足りないとばかり思っていたけど私だって役に立ってる。
お給料も貰えるくらい会社にも貢献出来ている私って凄い。
今ようやくやっとそこまで思えるようになった。


そして、再び冒頭の母の言葉に戻る…。

「ほら見てん。奥さんがテレビに出るようになってお金を稼ぐようになったら芸能人カップルは離婚するから…」


さて、我が家の場合はどうだろう?
そんなこと微塵も起きていない(当たり前)

寧ろ夫が家事に協力的になり、今まで以上に土日の有り難さも増し、家族揃って余暇を楽しめるようになった。

そんなことを思いながら、先日夫に対し母からの言葉を伝えてみた。

母の言葉を聞いた夫はこう言った。

「お母さんは自分が仕事に行かないことを、そう娘に話すことで自分自身の言い訳にしていたのかもね〜」


うんうん。
確かにそうだ。


母の自己肯定感も高いとは言えない。
夫の考えは多分当たってる。
夫が私のモヤモヤをしっかりと言語化してくれてスッキリした。


自己肯定感の低い母に育てられた私。
長い間恨んでいた。
このnoteを始めるまでは。
全く生まれて50年過ぎても親に対して腹を立てていた。
そう、腹を立てていたのは私の中にいる小さな私。

その後親との関係も良好になった。
親は変わっていないのに。
変わったのは私自身。
たったそれだけ。

仕事の方も追い立てられるようなことも無く心落ち着いて出来る内容に変わった。
ついでに休みまでも取りやすくなった。

これは「もっと親に会っておけ」
という天からのメッセージだと勝手に受け取めている。

3人目となる上司との相性も上々だ。
先日など、お客様へ出す手紙の添削をお願いしたら「心がこもっていて何も問題無いです。このまま出しましょう」と言って貰えてとっても嬉しかった。

こうした経験を通して大切なことに気づいた。

お母さんと私は違う。

私は仕事をしていても夫婦円満で過ごせてる。
そしてこれからは、心もお財布も豊かな生活を目指すんだ。

もう親を恨んだり呪ったりした小さな私は居ない。

心から今という時間を楽しめるようになれた。
腹を立てることも随分と減り、ようやく中味も大人になれてると自負している。

寂しかった私。
noteで満たされた私。
書くことを辞めずに良かった。
noteの世界で内観が進んだ私はもうかつての私では無くなった。
おかげで毎日心穏やかに過ごせている。

近々母を誘って温泉旅行に行く予定をしている。
これからは大人同士として親子の時間を楽しんで行けたら良いな。
そう思っている。





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