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映画のはなし:CGじゃないこと&“こだわりマン”キャメロンの『タイタニック』

リバイバル上映でまた世間を賑わせていますね。ジェームズ・キャメロン先生の『タイタニック』(1997年)。いろいろ言われることもあるけど、全世界の興行収入TOP5のうちの3作品をキャメロン作品が占めてるってすごいことですよ(『アバター』の2作+『タイタニック』。ちなみに残り2作は『アベンジャーズ/エンドゲーム』と『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』)。

私も少し前に自宅で『タイタニック』を観返したのですが(理由は忘れたけど、美しいレオが観たくなったのかもしれない)、やっぱり変態的なこだわり+極力実写撮影というのは、何十年経っても古く感じない良さがあるなぁ、と実感しました。
だからリバイバル上映をしても盛り上がるのかもな、と。
だって今観ても、襲いかかってくる水の勢いが怖いもの!

もちろんCGやVFX否定ではなく、進化著しい技術はたった数年でもその稚拙さに気づいてしまい、直近過ぎて「味」と認識できないというか、やっぱり人間て心地よいとか美しいものにはすぐに慣れてしまうんだな、という感じ。
「あの時はすごー!って思ってたけど、そうでもなかったのかも……?」的な。

実写は経年によって変わらない部分が多いですしね。船に流れ込む水の勢いとかは、何百年経っても変わらないし。
そう考えると、CG嫌いと名高いクリストファー・ノーランが、本当の病院爆破したりトレーラーをタテ回転させちゃったり(『ダークナイト』)、セットを回転させちゃったり(『インセプション』)、ボーイング747を爆発させちゃったり逆回転のシーンなのにそのまま撮影しちゃったり(『TENET テネット』)するのも分からなくもないかも。いや、ちょっとよく分からないことも多いな……(ノーラン作品のクルーってホントにすごい)。

こういうことをボーっと考えていると、毎回、最後にいきつく先はキューブリック先生の『2001年宇宙の旅』になるわけです。

まぁキューブリック先生については、実写うんぬんというより、マジでセンスがハンパないと思っているのですが、未だに何度『2001年宇宙の旅』の撮影舞台裏映像を見ても理解できないですからね、私。全く自慢できることじゃないですけど。
なによりこれが1968年の映画っていうんだから、ホントに常人じゃないと思う。

で、『タイタニック』ですよ。

個人的にこの映画の最大の泣きどころは、沈みゆく船の甲板で「Nearer, My God, to Thee」を演奏し、最後まで職務を全うしたアンサンブルをはじめとする、船と運命を共にする人たちの姿なので、正直途中から主役のふたりは「ストーリー進行上必要なキャラクター」くらいの印象なのですが……。

そして公開後から言われていた、「ローズが乗ってた板の上、ジャックも乗れんじゃね?そしたらふたりとも助かったんじゃね?」問題。
ごもっともよ。ホントにその通りよ。

そしたらこだわりマンのキャメロン先生+ナショジオがやってくれたようですね!
「タイタニックのラスト、ジャックも生き残れたか検証してみた」
(本当の番組名は「Titanic: 25 Years Later with James Cameron」)

なんか最近、キャメロン監督って素直なおじさんなんだな、と思うようになってきた。
『アバター』で「CGばっかりでストーリーなんてなんもないじゃん!」って言われたから『アバター2:WoW』ではストーリーちゃんと作ってくるとか(もともと続編作るのが上手なんだと思うけど)、今回の検証も全面協力してたみたいだし。

しかもこだわりマンなので、スタントマンにちゃんとジャック&ローズと同じ衣装を着せて、映画を忠実に再現して検証するとか、なんなの?もう。変態じゃん(最大限の褒め言葉です)。

ジャック役のスタントマンさん、めちゃくちゃ震えてて大変そう……。
この番組、日本で見れないのかな?超見たいんだけど、早くナショジオで放送してくれないかしら?VPN経由でストリーミング探すしかないのかな。
やっぱVPN契約しようかな……(ここ半年くらいずっと悩んでる)。

ラスベガスの「タイタニック展」の感想もあるので、こちらもぜひ。


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