DC~Bostonドライブ旅(7):「地図なしドライブ旅」という縛りプレイ
ハートフォードでレンタカーを借りて、あんまり役に立ってくれないカーナビに翻弄されつつも、どうにかこうにか約350Kmを駆け抜けバーモント州ストーまでたどり着いた我ら。
生きてるうちにバーモント州に来ることがあるなんて思わなかったよ。
もうすぐそこ、カナダだよ。モントリオールだよ。
ちなみに例のカーナビは、
「目的地まで連れて行ってくれる」
のではなく、
「なんとなく目的地近くまでは連れて行ってくれるが、街っぽい場所ではGPSを見失う」
というものでした。
まぁでも10年前のことだから仕方ない。たぶん、Hertzのオリジナルカーナビだったと思う(悪口じゃないです)。
そして「日本語対応のカーナビがあるからグローバルWi-Fiいらないね」なんてタカをくくっていたせいで、フリーウェイから離れると道をロストする私たち。
死 活 問 題 !!!
私たちが持っているのは「地球の歩き方 ボストン版」にある狭域&広域地図のみ。
そして行く先々のツーリストインフォメーションで入手できる近隣マップ。
「どっかで地図買う?」
「んー……今は道がシンプルだから(何といってもここはバーモント州)、地球の歩き方さんの広域地図があればどうにかなるかも」
「とりあえず、いけるとこまでこれで行ってみるか」
と、地図を買うという選択肢を捨てて(まずどこで地図売ってるかも分からなかったし)、地図なしドライブというセルフ縛りプレイでストーまでたどり着いたのでした。
バーモント州ストーは、カナダがすぐそこなだけあって、ウィンタースポーツが盛んな場所らしい。
山の中にある、大自然いっぱいの場所。夏は夏で避暑地のようなさわやかさ。遠かったけど、ここも本当にいい場所!
ウィンタースポーツはやらないので(私のウィンタースポーツはゆきあそびと温泉)、もう一度来れるならやっぱり夏がいいかな。秋もよさそう。
飛び込みで入ったB&Bで朝ご飯を食べたあと、午前中のお散歩に出かけることに。そこで目に入ってきた、レンタサイクル。
「このシチュエーションは完全にチャリなのでは!」
「絶対に気持ちいい!借りよう!」
と、マウンテンバイクを借りてお散歩再開。
さわやかな緑のなか、チャリの朝散歩、最高に気持ちいい!来てよかった!
そして途中でファーマーズマーケットを発見。
これはもちろん寄るでしょう!と、チャリを止めてお邪魔することに。
近所の農家さんたちお手製のチーズやお野菜などなど、買えないけど美味しそうなものがいっぱい。
朝ご飯食べてお腹いっぱいだけど、見ているとみんな気前よく試食させてくれた(もの欲しそうな顔してたのかな、私……)。
そのなかでもレベチで美味しかったのは、自家製のメープルバター。
なにこれ!超おいしい!!
めっちゃおいしい!!!!!!
メープルシロップを煮詰めたスプレッドなので、正確にはバターではないのですが、日本まで持って帰れるかな?と相談したら、開けなければ大丈夫とのこと。
買います。
あまりにも感動して、先に足を進めていた友人を呼び戻し「超おいしいから食べて!」と試食を強要するレベル。
カナダが近いって最高。
ストー、素朴で自然いっぱいでとてもいい場所。アクティビティもたくさんあるみたいだし、1週間くらい滞在するのもいいかもしれない。
ただ、来るのが大変。
あ、カナダから入ればいいのか!
ファーマーズマーケットで大感動した後はB&Bで周辺地図をもらい、トラップ一家がオーストリアから亡命し、経営する「トラップ・ファミリー・ロッジ」へ向かう。
このロッジには、マリアと一緒にトラップ大佐のお墓もあるとのこと。
『サウンド・オブ・ミュージック』好きとしては行かないわけにはいかない!
もちろん道中の車内では『サウンド・オブ・ミュージック』の名曲を歌いながら。どの曲も好きだけど、やっぱり「My Favorite Things」が好き。
「トラップ・ファミリー・ロッジ」は、いまでもマリアの孫などトラップファミリーが経営しているらしいです。すごい!
そういうのを聞くと、本当にマリアもいたんだな、みんなで遠いアメリカまで亡命してきたんだなと感じる。
予約が取れなかったので宿泊や食事はしなかったけど、ロッジ内の売店や、トラップ大佐&マリアのお墓をお参りしたり。
売店ではもちろんトラップ一家のCDも売ってました。
映画ではアメリカ亡命の描写はないけど(オーストリアを離れるために山を越えるところで終わり)、ストーも同じような山に囲まれた場所。
やっぱり祖国と似ている場所を求めてしまうのかな。
そう思うと、少し切ない気持ちになった。
オーストリアに帰りたかったかな?
それでも、(いろいろあったらしいけど)自伝がミュージカルになって、映画になってオスカー5部門も獲得して(どうでもいい話ですが、エリザベス・テーラー主演の『クレオパトラ』がFOXつぶれるレベルの大赤字だったのを『サウンド・オブ・ミュージック』が立て直してくれた)と、本当に激動の人生だなぁ。
まだ音楽の道に行くかどうか決めていなかった子どものころ、母親が
「芸は身を助けてくれるけど、芸だけで食べていくのは本当に大変なこと」
と言っていたのを思い出しました(母の三味線の先生のお言葉らしいです)。
そんなこんなで、広い草原のど真ん中でポスターのマリアと同じ気分で写真を撮ったり、もう本当に『サウンド・オブ・ミュージック』の世界!
遠かったけど、来てよかった!
気持ちよかったし、ロッジもすてきだった!
満足して車に乗り込み、次に向かうのは、マサチューセッツ州コンコードにある、「若草物語」の著者ルイザ・メイ・オルコットの生家。
一気に北に来たけど、今度は約400Km南下だ!
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