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映画のはなし:『CUBE』の日本リメイク版

NetflixでCUBEの日本版リメイク『CUBE 一度入ったら、最後』が配信されているよ~という情報を見つけ、正直どうなったかちょっと興味もあるし、と観てみました。本家『CUBE』の監督、ヴィンチェンゾ・ナタリも協力してたみたいだし。

まぁ、感想はというと、公開時から予測していたものと大差はありませんでしたが……。
『CUBE』みたいに、オリジナルが完璧なバランスで完成しているものをリメイクするって難しいよね。何か違いを出したい、違いがないとリメイクの意味はない、というのは分かるけど、その追加要素が余剰に感じられてしまう部分もあるし、撮影技術が劇的に進歩したから魅せ方も大きく変わるよ!という作品でもないし。

分かるんですけどね。時代的な部分だったり、日本でのマーケティングを考えたらこうなるしかなかったのかな、という部分も見えたし。やっぱり興行収入を考えると、そういうバランスを上手く保ってリメイクするって、本当に難しいんでしょうね。趣味じゃないからね。
でもこれだけはどうしても言いたい。

「一度入ったら、最後」は蛇足だ!!!!!
日本のサブタイトル文化はどうしても受け付けられないの!私!!

というわけで、なんか、とりあえず本家もまた観ようかな、と立て続けに1997年のオリジナル『CUBE』も視聴。

気が付くと正方形の部屋に閉じ込められていた、6名の男女。部屋の色だけが違う立方体(キューブ)が続き、なかには命を落とすトラップが仕掛けられたキューブも存在していた。立方体に閉じ込められた理由も目的も分からないまま、この迷宮から脱出すべく、6人はキューブを移動し続ける。
そして、キューブには3桁の数字が3つ並んでいることを見つけ、この数字がトラップ回避と出口へのヒントになると気づくが……。

オリジナル版はひとつのキューブのセットのみで撮影し、かつ、撮影期間は20日間という短期間&低予算。でもそのタイトさが、本当に効果的。
画的にも各キューブ内の色しか変わらないので、自分も閉じ込められているような圧迫感を感じるし、行けども行けどもキューブのデザインの変わらなさが不条理感も倍増させてくれる。
キューブのトラップを避けながらの脱出劇でもあり、閉じ込められた6人間のヒリヒリする人間ドラマの部分もあり、そして「え……でもこれだと……」という、希望も何も与えてくれないラスト。

ちなみに日本版では相当に省略されていましたが(ここを省略するのもちょっとどうかと思ったけど)、3桁×3つの数字をもとに出口を見つけるための計算の理屈が、どうしても毎回理解できません(スーパー文系)。なんとなく理屈は分かるんだけど、理解はできない感じ。まぁでも理解できずとも楽しめるので、毎回よしとしていますけど。

ちなみにこの計算を瞬時に行える、数学の天才の女の子がいるのですが、演じている子は数学で落第したことがあるという裏話、めっちゃ好き。


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