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モノクロからの脱却

銃口のまわりには
生温かい風が流れていて
それなのに真空の時間と空間のなかで
ただただじっとしていた

真っ暗闇に慣れてゆくのが苦しくて
銃口のかたちを確かめようと
その縁を唇でたどる

鉄と鉛の刺激に粘膜がひりひりする感覚
苦みが脳裏から存在意義を呼び覚ます
舌はその記憶を留めながら
色彩の世界に向けて前進する

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