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尾瀬ガイド協会によるコンプライアンス対応の好例について

エグゼクティブコーチの安藤真由美です。
今日は組織の不正や不祥事について少し考えてみたいと思います。

組織を運営していると、コンプライアンス(規範遵守)やガバナンス(体制管理)の問題に遭遇する可能性があります。
粉飾決算や賃金の未払い、各種ハラスメントなどの違法行為から、意思決定プロセスが少数に依る統治体制の問題など、様々な事態が想定されます。

中には意図的に行われたものもあるでしょう。
悪意なく実施され、脈々と受け継がれた慣行や隠ぺいされてきた不祥事も存在することでしょう。

ここでは具体的な名前はあげませんが、ファンドマネージャー/アナリストとして投資先となる企業を分析していた当時、明らかに違法なものから違法ではないけれど社会的/倫理的に疑問を持たざるを得ない企業の例をみてきました。

不正や不祥事が発覚した際(あるいは企業自ら開示した際)、特に上場企業の場合は謝罪のための会見を開いたり、謝罪と今後への対応を記したプレスリリースを発表することが一般的です。あわせて、外部の専門家を招いた第三者委員会を立ち上げ、なぜそのような事態になったのか、今後どうすればいいのかなどを分析します。

こうした一連の流れが今後の不正や不祥事の発生を予防できればよいのですが、繰り返されるケースも少なくありません。
そもそも、会見やリリースの内容が体裁を整えるためだけの表面的な対応に見えたり、十分踏み込んで分析した印象が持てない場合もあったりします。

組織の体質や風土は年月とともに強固に構築されています。
内部から本気で変えるための非常に強い意志がなければ、外的な力だけで変えていくことは難しいでしょう。
ましてや、一朝一夕に是正することは不可能に近い印象があります。

人間が自分の癖や習慣をなかなか変えられないことと似ていると思います。細胞は入れ替わってもDNAは同じままですし、生まれてから長い年月をかけて培われてきた習慣はそんなに簡単に変えることはできません。

企業も同様に、その体質や風土(=DNA)が簡単に変わることはなく、従って働く人(=細胞)が入れ替わっても体質や風土は維持される傾向にあると考えられます。

ゆえに、トップを含めた強い強いリーダーシップなくして、体質や風土の変革は難しいのです。

先日、これほど深く振り返り、分析し、本気で自省した組織はなかったのではないかと思う事例を見つけました。
尾瀬ガイド協会の「当協会公式アカウントによるTwitterにおける多数の差別的投稿に関して」と題するリリースです。

経営陣はもちろんのこと、コンプライアンスやガバナンスに関するお仕事をされている全ての方々に参考になるかと思います。
是非、ご一読ください。

https://oze.guide/free/houshin

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