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人生に大きく影響する“潜在意識”とは

自分らしい人生を生きるための2つ目のステップである「感情の改善」を紹介する前に、まずは潜在意識と顕在意識についての話をする必要があります。というのも、心の悩みは潜在意識と深い関わりがあるからです。

人間は、潜在意識と顕在意識を持っています。潜在意識とは、普段自分では気づいていない意識のことで、無意識を指します。一方の顕在意識とは、自分で選択や決定をするための意識のことです。

日常生活で自覚して使っている意識は顕在意識と呼ばれる部分ですが、驚くことに、意識全体の10%に満たないといわれています。そして、人生に大きく影響するのは、普段自分では気づいていない“潜在意識”の部分です。私たちは自分で判断して生活しているように感じますが、実は潜在意識が顕在意識に大きく影響を与えているという事実があるのです。

潜在意識と顕在意識

分かりやすく例を出して説明しましょう。例えば、いくら転職して職場を変えても、なぜかいつも怒りっぽい上司がいる職場にあたり、怒られてしまうという人がいるとします。このように、場所を変えてもいつも同じような環境になってしまう人は、潜在意識が大きく影響しています。この人のような場合、次のようなパターンを持っています。

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A:上司に怒られた。

B:やっぱり私はダメな人間だ。何をやってもうまくできない。

C:さらに自信がなくなる・落ち込む。

このパターンを持つ人の場合、自信を失って落ち込むと萎縮し、さらにミスを重ねて怒られるといった、負のループに陥りがちです。しかし、上司に怒られる本当の理由は、冷静に考えれば決してこの人がダメな人間だからではありません。同じミスをしてしまうという別のところに原因があります。にもかかわらず、「やっぱり自分は何をやってもダメだ」という結論に結びついてしまうのはどうしてでしょうか。これこそが、潜在意識の中にある「思い込み」なのです。

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思い込みには、先ほどの例のように自分を落ち込ませるネガティブな思い込みだけでなく、ポジティブな思い込みもあります。さらに、思い込みには人生をより良くするために「必要なもの」と「不要なもの」があり、必要な思い込みは自分を幸せにしてくれるのです。

例えば、“自分には最後まで諦めない粘り強さがある”という思い込みは、努力を重ねることでスキルアップや成功に導いてくれますよね。また、“自分は社交的だ”という思い込みは、人脈や生きる世界を広げてくれ、様々な意見を取り込めるので精神的な成長にもつながります。

また、不要な思い込みがないという状態は、心がニュートラルな状態です。起きた出来事に対して、冷静に客観的に事実を見て対処することができるのです。不要な思い込みがあると、先ほどの例のようにネガティブになったり、逆に有頂天になったりします。有頂天になるとは、自信過剰になるあまりに奢ってしまう・傲慢になるようなことです。これも、自分の正当な価値を見誤っていることにほかならず、自分のプラスにはなりませんよね。このような人は、一見自信があるように振る舞っていますが、そのことについて批難されたりすると、激しく落ち込みます。

さらに、他人に対しても、この思い込みが発動することがよくあります。あなたは、自分の思い通りに相手が反応しなかったり行動しなかったりした場合、「なぜ◯◯してくれないの!?」「◯◯しないなんてありえない」と、イラッとしたり、相手を許せない気持ちが湧き上がったりした経験はありませんか?

本来、自分と他の人とは価値観が違うのは当たり前なはずですが、自分の常識やルールのような思い込みを基準にして無意識にジャッジしてしまいます。そのため、自分の常識やルール通りに相手が反応してくれなかったり行動してくれなかったときに、怒りや相手を許せない気持ちなどの否定感情が出てくるのです。

仲が悪い

このように、不要な思い込みは否定感情を増やし、世界を狭めてしまう上に、他人とのすれ違いや軋轢を生んでしまうことにもなります。

不要な思い込みの例を、いくつか挙げてみましょう。

[自分の世界や行動範囲を狭める思い込み]
・60歳を越えて資格を取得するなんて、とてもできない(年齢に関する思い込み)
・太っていると馬鹿にされる(容姿に関する思い込み)
・誰とでも仲良くしなければならない・嫌われてはならない(人間関係に関する思い込み)

[他人との軋轢を生む思い込み]
・遅刻は絶対にしてはいけない。遅くとも10分前には到着しておくべきだ(時刻に関する思い込み)
・家事や育児は基本的に女性がやるべきことだ(ジェンダーに関する思い込み)

たとえばジェンダーに関する思い込みの場合、「世間ではこうだから」という価値観が当たり前のこととして夫婦の間に流れ、夫も妻もなんとなく生活している家庭が多いのではないでしょうか。すると当然、妻にばかり負担がいくので、妻が夫よりも我慢していることが多いのです。「女だからこれくらいしなければならない」「男は家事をすべきではない」という思い込みに囚われている例です。

このようなケースでは同時に、お互いの価値観をすり合わせてもいないことがほとんどです。同じように働いていてどちらか片方の負担が大きいのならば、本来は話し合いを持ってお互いの価値観をしっかりすり合わせるなり、2人の間にルールを設ければ良いことです。しかし、それができないのは思い込みがあるからなのです。

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