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【読書感想文】片をつける

今日は午後からずっと雨だったので、『本でも読もうか。』と思い
越智月子さんの「片をつける」を読んだ。

独身の阿紗は、ひょんなことから、隣に住む謎の老婆・八重の部屋の片づけを手伝うことになる。
過去の経験から得た掃除テクニックを八重に教えながら片づけを進める中で、明らかになる八重の過去。そして阿紗も、母子家庭で荒れ果てた部屋に閉じ込められていた幼少期の記憶が蘇ってきてーー。
人生で背負いこんだ荷物と厄介ごと。一つ一つ片をつける中で、八重と阿紗が選んだ道とは。切なくも心温まる感動傑作。

先日読んだ「とわの庭」に続き、こちらも育児放棄というか、複雑な環境で育った「阿紗」とひょんなことから出会った変わり者の偏屈ばあさんの「八重」の物語。

お互いに他人に踏み込まれたくない過去があり、人との付き合いにも距離を置いて生きてきたはずの2人が、なぜか唯一無二の存在となっていく。

わたしが「終活」の活動の1つとして考えている「身の回りの整理とこれまでの人生を振り返りながら、思い出や気持ちを仕分けをする・・」がこの作品の中で描かれていた。

この物語の中の阿紗さんと八重さんのように、地域の方の人生を少しでも「心豊かな人生」にできればいいなと読み終えて思った。

***

今の世の中、医療が進歩して色々な薬や機械をつないで生きながらえることはできる。しかし、わたしが考える「生きる」というのは、ただ病院や施設の天井を眺めながら年齢を重ねていくことではなく、人とのつながりを保ちながら、季節の移り変わりや、日々の暮らしを楽しみながら過ごすことが「生きる」というものだと思う。

色々な制約があってできないこともあるけれど、本当は、お年寄りだけに限らず色んな人が集まって、会話して、美味しい温かいご飯を食べて、、、「ここに来るとホッとする。」「毎日に彩が増えた。」と言ってもらえるような環境を作りたいと思っている。

そういいながら、実家の母とも離れて暮らしているので、地域貢献と実家の母とのパワーバランスをどうしたものかと悩むところは正直あるけれど、「三方よし」になるような活動を目指していきたい。


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