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【読書感想文】とわの庭

今日は在宅勤務の日でしたが、指名待ちのキャバ嬢状態だったので小川糸さんのとわの庭を一冊まるごと読み終えました。

かなり前からご近所さんにお借りしていて、読もう読もうと思いながら、なかなか読書にどっぷり浸かれる時間が無く、ようやく今日読むことができました。

ご近所さんに会うたびに『ごめんなさい、まだ読めてなくて』と言うと「そうよね、あの本はね、結構重い内容だからね・・。」と、こちらは時間が無くて読めていないのに、相手は「重い内容だから、なかなか読み進めるのが難しいよね。」と仰られていて、『そうなんだ、重たい話なんだ』と思うとなおさら片手間に読めなくなってしまった。

まだ読まれていない方のために、ざっくり言うと「無戸籍」のこどもの話であったり、「育児放棄」であったり・・結構ディープでした。でも、主人公の「とわ」がとても強い子なので、慰められたというか、読み手として苦しまずにはすんだけど、世の中には「とわ」みたいに強い子ばかりではないし、周りの環境に助けられる子ばかりではないと思うと、やっぱり辛いお話でした。

でも、現実から目を背けてはいけないので、『世の中にはこういう境遇の子供たちがいるんだな』と考えるきっかけになるので、ぜひとも読んで欲しい。

***

この本を読む前に、朝、駅で見かける女の子で気になる子がいる。
彼女はおそらく16~19歳までの間だと思うんですが、いつも同じ服装で、しかもなぜか服がしわしわで、髪もおそらく自分で切ったようなバラバラ頭で、だいたい同じ時間に見かけるので、どこかに通っているんだとは思うんだけど、どうも気になって仕方がない。

不潔な感じは一切しないんだけど、しわくちゃの服とザンバラな髪形から想像するに、親が全く子供に関心がないか、複雑な環境で育った子なんじゃないかと思える。

その子を見るたびになんだか切なくなり、手を差し伸べてあげたいと思うけれど、本人がSOSを出している訳でもなし、毎日どこかへ通っている様子なので、彼女なりに生活はできているんだろうとも思う。

個々の家の中の問題に、他人がなかなか足を踏み入れられないことに心がモヤモヤした。

困っていれば「どうしたの?」と声を掛けれるけれど、何もないのに声をかけたらただの不審者だし、『服を買ってあげようか?』なんていったら失礼にあたるかもしれないし「怪しい宗教の勧誘か?」とか思われても困るし。

気になって仕方がない。


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