見出し画像

#スキすぎてごめんなさい 〜clubhouseから始まる、熱くウザい食の波

なんでこんなことになったのかよくわからないままに、
私のスマホのカレンダーには最近、「#スキすぎPJT」の文字が刻まれるようになりました。

#スキすぎPJT、そうこれはプロジェクト。
生まれたばかりの今は、仕事でもなくギャラもない、
義務でもないし、誰かから頼まれたわけでもありません。
それでもれっきとしたプロジェクトで、
最初のミーティング時から、メンバーたちの暑苦しさったらなくて、結果、

#スキすぎてごめんなさい

というタイトルがごく自然発生的につきました。

何がスキか?→料理です。食です。

メンバーは4名。
書籍「彼ごはん」シリーズ(累計370万部!)の料理研究家、SHIORIさん
代々木上原で「sio」というレストランを営む、鳥羽周作オーナーシェフ
鳥羽シェフを支える「sio」の仕掛け人兼編集者、オリタタクヤさん
食関係のディレクションを本業にする私、山口繭子。
皆、食を生業(なりわい)としながらも、ベクトルも手法もてんでバラバラという4人です。性格はもちろん、生きるテリトリーも得意分野も違う。

しかし、ひとつだけ共通していることがあって、それが食への、少々ウザすぎる思いの強さ、熱さ。
アルコールが入ろうが入るまいが、食について語り始めると、とてもじゃないけれど「打ち合わせ」の体裁にもなりませんでした。

#スキすぎてごめんなさい (#スキごめ)

は、食の世界で食い扶持を得ている4名の大人が、

食を取り巻く環境がもっと良くなるにはどうすれば良いか、
美味しい料理が誰の手にも容易く行き渡るにはどうすれば良いか、

を真剣に考え、いろんな人を巻き込み、
問題提起を行っていこうとするものです。
その先にある目標は、私たち日本人の食に対するリテラシーが、ほんの1ミリでもいいから上がること。

つまんない顔して目の前にあるつまんないものを、「あぁ、つまんない」と言いながらつまんでる。そんな食卓を滅ぼしてしまいたい。

それにはどうすれば?というのを小さいところから取り組んでみようかと目論んでいる、それが#スキすぎてごめんなさいPJTです。

具体的な話をすると、例えば下記のような事象について、clubhouseのようなオンラインミーティング、リアルイベントなどで公開討論し、さらにはその解を求める活動を個人のSNSでもスタートさせ、広められたらと考えています。

・今ってシェフと料理研究家が反目しあっている場合か?
・「お母さんの料理は世界一」にとらわれすぎている日本人は少々しんどい(料理のジェンダーフリー化を急げ)
・料理本コーナーに並ぶ本は9割が時短手抜き料理推奨って意味なくない?
・料理は、作っただけで満足するのではなく、伝え切ってこそコンプリート

……など。テーマは無尽蔵です。

さらに、「#スキごめ」ではこのプロジェクトを立体的、かつ多彩な展開につなげるべく、定例化することにしました。
月に1〜2度開催し、開催後は早々に全員がnoteにその回の「感想文」をつづることをルールとし、
この物語が一過性のものにならないようにしようと、息巻いています。

***********

先日、そのキックオフとなる「vol.0」会を開催しました。
#スキごめ 、しばらくは、メディアとしてはclubhouseとnoteを用います。
clubhouseでリアルタイムで音声バージョンを発信し、その後、noteの場をお借りして各自が“振り返り”を行うというもの。

今回のテーマは実は別に準備していましたが、振り返ってみると

#伝え切らなければ料理じゃない

というのがテーマだったのかなと思います。

メンバーのひとり、SHIORIさんと私はもう長いお付き合いですが、
一昨年、久しぶりにお会いした際に彼女から聞いた話に触発されて、
このようなnoteを書きました。

肉じゃが一つにしても何百回と試作を繰り返し、しかも時代に合わせてどんどんレシピを進化させていくSHIORIさん。
自分のレシピが、思わぬところで歪んだ形で展開されているのを見ると悲しくなることもあったが、それさえももう厭わなくなった。なぜなら、それでも作ってくれる人との接点が愛おしいと思うし、純粋に自分の手からレシピが羽ばたいていくのを見ると感動するから、と話してくれたのでした。

一方、「料理を伝える」という話で私を驚かせてくれたのが、鳥羽シェフ。

自分はTwitterでどんどんレシピ、公開してます

とおっしゃる。え、料理研究家ならまだしも、シェフのレシピって門外不出じゃないんですか?

SHIORIさんと鳥羽シェフが異口同音に語るには

#レシピは総プレゼン時代

その料理に自信があるなら、どんどん積極的にプレゼンし、選んでもらうようにすれば良いと言います。
チョイスされたら価値あり。シェアされたら本物。
パクられたら、それに負けない新しい素晴らしきものをまた生む、
そういう時代ではなかろうか、と。

自分に迷いがあるようじゃ、人の心は動かせないと思うんです

というSHIORIさんの言葉が、今も心にぷすりと突き刺さったままです。

鳥羽シェフはガストロノミーを率いる人、SHIORIさんは家庭料理の人、と勝手に考えていたのですが、#スキごめ のルールで言い換えてみれば

#料理に棲み分けは不要

なのかもしれません。
もちろん、伝統の和食や祭事に合わせていただく季節の料理など、日本には守るべき大切な食がたくさんあります。

が、コロナの影響で「家で食べる料理」の意味を誰もが真剣に考えるようになった今は、もっと根源的な話、つまり

自分は何を食べたいか。思想ある食を実践できているか

こそ、考えるべき最初の第一歩なのかなぁと思うのです。

***********

「#スキすぎてごめんなさい」の公開トークを行った後は、メンバー4名全員、別々にnoteを書いて投稿します。みんながvol.0を通してどんなことを思ったかは、公開次第、ここにリンクを貼りますね。私も読むまでドキドキです。

鳥羽シェフnote

SHIORIさんnote

オリタタクヤさんnote

さて、次回の「#スキすぎてごめんなさい」vol.1(これが正式ローンチ)は、3月12日(金曜)20:30からです。
次のテーマやルームのURLは、決定次第に各メンバーのSNSで発表します。
また、clubhouseがご使用になれない方にも、今後またnoteでも振り返りを行うので、広くご覧いただけたらうれしい限りです。

ご意見、ご感想、ご要望などありましたら、ぜひコメントをお待ちしています。
しばらくおやすみしていたnoteですが、これからもよろしくお願いします。

#スキすぎてごめんなさい #noteをやってよかったこと #食の仕事

フードトレンドのエディター・ディレクター。 「美味しいもの」の裏や周りにくっついているストーリーや“事情”を読み解き、お伝えしたいと思っています。