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My way of life

安藤真由子
株式会社ミウラ・ドルフィンズ所属。
体育学博士、登山ガイド、健康運動指導士、低酸素シニアトレーナー、登山医学会代議委員。国立登山研修所講師、石井スポーツ登山学校講師なども務める。
2003年自転車競技(ロード)ワールドカップ日本代表。

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人生の半分を過ごした福岡

私は福岡県糟屋郡宇美町出身です。三郡山や宝満山の麓で過ごしました。子供の頃はとにかくやんちゃで、道路で裸足でリレーをしたり、坂道をおもちゃの車に4人乗りをしながら駆け下りたり、通学路を短縮するために崖を登ったり・・・そんな田舎の子供にありがちな生活をしていました。「人は人。やりたいことは自分で決めなさい。」そうやって両親には育てられました。

走ることや体の仕組みが面白いと気づいた「心拍数」の測定

中学時代は陸上部に所属していました。夏はハードル選手、秋以降は駅伝選手という、今考えると不思議な組み合わせで中学の試合には出場していました。特に駅伝メンバーと一緒に、厳しいメニューをこなした日々は懐かしい思い出です。その時の顧問の先生がトライアスロンをされていたのですが、ある夏休みの約2ヶ月間、毎朝の体重と心拍数を測定すること、そして練習日誌をつけることが課題でした。そこで心拍数を他のメンバーと比較している時に、私だけ極端に少ないことがわかりました。友人たちは「60〜70拍/分」と言っていたのに対し、私は「45拍/分前後」だったのです。それを聞いた顧問の先生は「卒業したらトライアスロンやろう!」と言ってくれました。

トライアスロンとの出会い

中学の顧問の先生が入っていたチームでトライアスロンをやる決意をしました。当時、トライアスロンをやっている人は少なく、特に10代の人はいませんでした。同じチームのメンバーもほとんどが大人で、合同練習はもっぱら土日のみ、平日は一人で行っていました。同世代の人がいないため、地方の大会に出場するたびに上位の成績でした(笑)ただ、トライアスロンチームの代表は厳しくて、「そのうちトライアスロンはオリンピック競技になる。そこを目指すためにはもっと必死に練習しなきゃだめだ。オリンピックに出たいな〜、ではなくて、何としても出場するんだ、という意識を持て!」と日頃から言われていました。

人生を大きく変えた鹿屋体育大学への編入

高校を卒業した後、福岡の九州女子短期大学へ進学しました。そこで、九州と中四国地方のトライアスロンを行なっている学生の集まりを見つけました。練習会や合宿に参加するようになり、同世代の人との関わりで意識が高まり、トライスロンのインカレにも九州地区代表として出場しました。また、短大では運動生理学がとても楽しく、書かなくても卒業できたのですが、最大酸素摂取量を測定し、卒業論文を提出しました。そして、トライアスロンを続けること、そして運動生理学をもっと勉強したいということから、鹿屋体育大学の3年次編入試験を受けて編入することにしました。

鹿屋体育大学でトライアスロンを続けるためには、自転車競技部に所属する必要がありました。そして、入部早々行なった自転車の練習で、思わぬ実力を発揮。監督に「自転車競技に専念した方が、いい成績を残せるぞ!!」と言われ、出場した全国大会で3位、そこから一気に自転車競技一本の道に進むことにしました。もともと水泳が苦手だったので、意外とすんなりと転向できました。

それと同時に運動生理学に興味があったので、山本正嘉先生の研究室にお世話になることにしました。山本先生は登山の運動生理学の第一人者として有名ですが、先生の研究には競技力向上のための運動生理学なども多数あります。その先生のもとで、自身が実験台となりながら、運動生理学を学ぶことはとても有意義な時間でした。「興味があるものはとりあえずやってみる。そしてそれを世の中に発表する。」その教えは今でも私の中の基本となっています。

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自転車競技・登山を運動生理学と結びつける

本格的に自転車競技を始めましたが、自分自身の体力や弱点を知るために、最大酸素摂取量や血中乳酸濃度の測定を行い、それを改善するために練習メニューを組み立てる。うまくいけばパフォーマンスが上がり、ダメだと下がる。試合で結果を確認することもできる。その一連の作業が楽しくて、気づいたら出場する大会で上位の成績を残し、日本代表でワールドカップに出場するまでになっていました。しかし、「競技選手」としてはいい選手ではなかったかもしれません。優勝を目指すことや、オリンピックの枠を取ること、というプレッシャーがとにかく苦手でした。そして、競技の集大成と研究を進めることを目的に、大学院へ進学しました。

大学院でも山本先生のもとで学びましたが、山本先生の登山の研究にも協力させていただきました。これが今の仕事に大きく繋がっています。詳しくは以下へ・・・

ミウラ・ドルフィンズへ入社 そして山へ

2005年、大学院修了とともにミウラ・ドルフィンズへ入社しました。

私の仕事〜低酸素室から夢を伝える〜

ミウラ・ドルフィンズの低酸素室は2005年に営業を開始し、2020年7月末までにのべ1万人の方にご利用いただきました。高所登山・トレッキングの高山病対策を目的として、研究室でのデータと実際の高所登山中のデータを収集し、より良いプログラム開発と提供を目指してきました。一流アスリートやベテラン登山家のための低酸素室ではなく、一般登山者が積極的に利用できる低酸素室としては日本一、いや世界一の稼働率だと言っても過言ではないと思っています。そして低酸素室からたくさんのデータも発表してきました。その集大成が2018年に発表した私の博士論文でもあります。

高山病対策が大きな目的の低酸素室ですが、低酸素室からたくさんのお客様を送り出す仕事が大好きで、「無事に帰って来れました」と笑顔で帰国の報告を聞くことがとても嬉しい。そして最近は低酸素室だけでなく、講習会を通して、たくさんの方とお会いして体の使い方などをお伝えすることで「登山が楽しくなりました」と聞くことも嬉しいことでした。社会人になって15年、それが私の仕事だと思っていました。過去形じゃなくて、今でもそう思っています。

また、低酸素室に来られる方々は、それぞれが素敵な夢と目標をお持ちです。そして、その夢の達成のためにたくさんの悩みや苦労を克服された方々ばかりです。私は低酸素室で皆様からたくさんの元気をもらえるのですが、その経験をもっと広く伝える機会があったらいいな〜という思いから「Dreamers Summit」も開催してきました。

私の仕事〜講習会で元気を伝える〜

ここ最近は、旅行会社や登山用品店、国立登山研修所主催の講習会などでも講師として話をさせていただく機会が増えました。「登山のための体づくりの方法」「エネルギーや水分の摂取方法」「高山病対策」など。一般登山者の方が登山で感じたことに対して、なぜそのような悩みや不安が発生するのか、どうしたら対処できるのか、などを今までのデータや体の仕組みを使ってお伝えしています。私の話を聞いていただき、「登山が楽しくなりました」と言っていただけることが何よりも嬉しいことです。今まで、競技スポーツも行ってきましたが、私自身が「自転車」も「登山」も大好きでずっと続けていきたいと思っていることです。なので、その気持ちを共有できることが幸せだと感じます。

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私の仕事〜山で素敵な時間を共有する〜

2020年、登山ガイドの資格を取得することを決意しました。

子供達にも自分で生きる術を伝えたい

私には子供が二人います。現在中学3年と小学5年の男子です。長男はハンドボール、次男はトライアスロンをやっています。それぞれ自分で決めたことです。ある程度の道筋は伝えますが、そこからは自分で考えて決めることを伝えているつもりです。夫が不在なことも多く、相談する相手が子供達しかいないこともあるので、私が彼らに悩みを話すこともたくさんあります。答えを求めているわけではないけれど、彼らなりに真剣に聞いてくれます。何が正しいのかわかりませんが、そうやって日々過ごしています。ちなみに夫の安藤隼人は大学の同期で同じ山本ゼミ、同じ自転車部出身で、現在は自転車のスクールやマンツーマン指導を行っています。夫の会社は以下のスマートコーチングです。

子供達とも2年に一度くらい、大きな山に行くようにしています。そこに向かうまでの計画、実際の山での判断など、子供達とその共有をすることで、生きるために大事な選択ができるようになってくれると嬉しいです。

私と山

行きたい山や行きたいルートがたくさんあります。なだらかな山の縦走も好きだし、険しい道をルートを探しながら歩くことも好きだし、クライミングも大好きです。色々な判断をしながら山に登り、下山できた時の喜びはとても大きなものです。ただ、自然には「絶対に安全」という状況はないので、ひたすら謙虚に山に向き合って行きたいと思っています。

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たくさんの人との出会いがあり、今の私があります。人に感情移入し過ぎて、同じように落ち込んだり同じように喜んだり、一喜一憂してしまうこともたくさんあります。そんな自分ともしっかり向き合って、これからも前向きに過ごしたいです。

プロフィールをまとめていただいた記事「303 BOOKS」


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