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メンタルプラクティス

先週ご紹介した動画TED-Edの後半の部分では、スポーツやダンスなどを練習する時に、鮮明に細かい部分まで思い浮かべて脳の中で練習をすることが効果的であることについて触れられています。一度定着した身体運動であれば、それをイメージするだけで強化されるということがいくつもの研究で言われています。そのような練習はメンタルプラクティス(mental practice)と呼ばれています。

メンタル(mental)というと、”心理的な、精神的な”という意味を思い浮かべますが、このmentalという言葉には”頭の中で行う、知的な”という意味もあります。実際に身体を動かすフィジカルプラクティス(physical practice)に対して、頭の中で行う練習はメンタルプラクティス(mental practice)となります。

TED-Edで紹介されていた研究は、高校の男子生徒を対象に行ったバスケットボールのフリースローの練習効果をみたものです。被験者144名を2つのグループに分け、1つ目のグループは実際に身体を動かし片手でのフリースローの練習を、そしてもう一つのグループは頭の中だけでイメージを用いてフリースローの練習(メンタルプラクティス)を行いました。

身体を動かして練習をしたグループはウォーミングアップで5回、実際に25回のシュートを行い、メンタルプラクティスを行ったグループは同じ回数のシュートのイメージを頭の中で行いました。練習は2週間毎日行われました。練習前と2週間の練習後を比較した結果、身体を動かさず頭の中でだけ練習していたグループも、実際に身体を動かしていたグループと同じくらいの効果があったとのことです。

調べてみると、メンタルプラクティスは1930年代から研究がなされています。バスケットボールやバレーボール、ゴルフなどのスポーツに限らず、現在では脳梗塞の後のリハビリにも応用されているようです。メンタルプラクティスは、その動きに関して解釈をしたり判断をしたりする過程を伴っており、実際に動きを行うことに関わる脳の部位に活動が見られるとの報告もあります。お金もかからず、エネルギー的にもエコな練習を取り入れてみてはいかがでしょうか?

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