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【2024年版】デザイナーが初回ヒアリングで聞くこと&聞き方まとめ
株式会社RabeeでUI/UXデザインをしているmayukiです
0→1を生み出す瞬間、プロジェクトのエンジンとなれるようなばちイケデザイナーを目指しています。
突然ですが…こんなお困りごとありませんか?💭
「デザイナーとしてクライアントの要望をうかがう際に、何を聞いたらいいかわからない」
「ヒアリングしてきたものの、いざ手を動かし始めたらわからないことがポロポロ…」
「クライアントに聞きたいことがたくさん出てきてしまった…」
今回は、webサイトやアプリのデザインの制作を受注する想定で、クライアントへの初回ヒアリングをする際にデザイナーとして聞くべき最低限のことをまとめました。
※保存版のためなかなか長い記事となっています。
この文章はこんな方におすすめです
・デザイナーになりたてのジュニアクラスの方
・スクールに通ったり独学で勉強したのでそろそろクラウドソーシングでお仕事を受けたい方
・急遽打ち合わせに一人で出ないといけないけど、何をどうしたらいいのかさっぱりわからない方
・ノンデザイナーだけどwebの要件を聞いてこないといけない状況になった方
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以下の構成で書いています
7個の項目に分けて、各項目ごとに以下の構成で書いています。
1.知りたいこと
2.なぜそれを聞くのか
3.質問例
①サービスついて
知りたいこと
誰のための商品?
その商品はなぜ「いい」のか?
競合/同業と差別化しているところ、推しポイントは何か?
近しいイメージの商品やサービスは?
サービスがすでにある場合は、今実際にその商品を使っている人はどんな人?
なぜ聞くのか
サービスやプロダクトを自分のことのように説明できないと、webやアプリを制作するのは難しいはずです。ヒアリングをしながら、頭の中に以下のようなピラミッドを組み立てるイメージで商品の全体像を掴んでいきます。
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質問例
・HP/募集内容/いただいた資料を拝見したのですが、こんな商品/サービス/プロダクトですか?
・このサービスってこういうイメージであってますか?
・他社様で恐縮ですが、〇〇と近い感じですか?
・特に推してるというか、一番売りにしたいポイントってあったりしますか?
・今ご利用されている方はどんな方/どんな業界が多いですか?
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②背景について
知りたいこと
発注するに至った背景は?
今ヒアリングしている方の立場は?
決裁権は誰にあるのか?
ステークホルダーの全体像は?
なぜ聞くのか
制作をスムーズに進めるためです。
「誰に」「何を」確認しなければいけないのかをはっきりさせておくことで、コミュニケーションコストを抑えることができます。
例えば、コンセプト、情報設計、トンマナ、デザインなど、制作工程の各所で誰の合意を得る必要があるのか。複数の立場の人の合意を得る必要がある場合、スケジュールを引く際に先方の稟議の時間を長めに確保するなど、不慮の事故を未然に防ぐためのアクションができます。
また、直接関わらなくても、アウトプット物に接点がありそうな人は念の為一通り把握しておくと、プロダクトを制作する際に意思決定の材料が増えます。
さらに、ご連絡する担当者様の立場を知っておくことでできる気遣いが増えます。
例えば、ヒアリングしている方はwebやアプリを作る依頼を受け、委託されている立場だったとします。その場合、「ヒアリングしている方は必要情報を全て持っているものだ」「意思決定権がある人だ」と思って情報をガンガン請求したり、フィードバックを求めるとどうでしょうか。ヒアリングしている方が、開発を依頼した方と制作者の間で板挟みになってしまうかもしれません。
制作をスムーズに進めるために、コミュニケーションをとる上で必要な情報は多いに越したことはないと感じることが多々あります。
質問例
◯サービスに直接属する方の場合
・今回サイトのリニューアルとのことですが、リニューアルするに至った経緯はありますか?
・webサイトは既にあるけれどアプリも開発しようということですが、どういった流れで…
・プロジェクトメンバーはどんな方がいますか?
◯他者から委託されて開発をすることになり、外注をする立場の方の場合
・〇〇さんは(企業名)さんからご依頼を受けて、今制作する人を探されているご状況でしょうか?
・〇〇さんはコーディングやプログラミングが専門で、デザインできるパートナー的な関係の方を探されているのでしょうか?
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③課題について
知りたいこと
今抱えている課題は?
なぜその課題があるのか?
解決したい課題の優先順位は?
なぜ聞くのか
解決したい課題の核を掴むためです。
デザインの目的は課題の解決です。「どの課題さえ解決できていればいい」のかを把握することで、課題解決のための手段や優先順位、スケジュールを選択することができます。
クライアントの「こうしたい」の背景には「これを達成するために」があります。その「これを達成するために」が分かればOKです。
質問例
・今一番困っている/解消したい/モヤっとしていることは何ですか?
・今一番解決したいのは、この部分ですか?
・他に感じている課題はありますか?
・今マストで解決したい課題はどれですか?
課題を深掘りする際には、縦軸と横軸を意識します。
縦軸は一つの課題の「なぜ?」の深掘り。横軸は一番解決したい課題の周辺情報の収集です。横軸の情報があることによって、どんな解決方法が最適か?を考えるヒントになります。
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④理想について
知りたいこと
本当はどんな状況が望ましいのか?
目標数値はあるか?
なぜ聞くのか
そのクライアントが制作を依頼をする背景や意図を探るきっかけになります。
その人の立場が必ず達成しないといけない任務、ミッションがあるかもしれません。その達成しないといけないミッションによってデザイナーが手を出すべき規模が変わり、選択すべき手段も変わります。
質問例
・いつ頃までにはこうなって欲しいというスケジュールとかあったりしますか?
・直近の目標値はありますか?
売り上げ、流入数、利用者数、来場数、購入数、購入率、ダウンロード率など、プロジェクトに応じて関連しそうな項目を聞いてみましょう。
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⑤導線について
知りたいこと
そのwebサイト/アプリへの流入源は?
そのwebサイトから遷移する先は?
今やっている/今後展開する予定の施策は?
なぜ聞くのか
遷移元からそのサイト、そのサイトから遷移した先までの文脈を掴む必要があるためです。制作しようとしているサイトやプロダクトが担うべき役割、そのサイトで述べるべきことを考える上で必要な情報になります。
例えば、そのサイトやアプリを訪れた人が訪れた時点で持っている情報量に対して、プロダクトが提供する情報量が不足しすぎ/多すぎていないか。あるいは、遷移元と遷移先のデザインのトンマナと乖離しすぎて混乱しないか。
ユーザーが一連の体験をする上で混乱が生じないかを考えながら制作する必要があるため、体験の前後に存在する情報が必要です。
また、デザインの力を過信しすぎていないかを確認するためです。
「デザインさえ良ければアプリはガンガンダウンロードされる!」とクライアントが考えていて、プロダクトを伸ばすための何らかのアクションする予定が全くない場合は厳しい戦いになる可能性があります。
質問例
・このサイト/アプリを使う方は主にどちらから流入される想定でしょうか?
・このサイトのゴールとしては、お申し込みページ(関連サイト、購入ページ、アプリストアなど)へ流したいということでしょうか?
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⑥素材の用意
知りたいこと
画像はあるか?
テキストはあるか?
ロゴとそのガイドラインはあるか?
なぜ聞くのか
素材の有無によってアクションが変わるためです。
例えば、素材がないなら「作りましょうか?」と言えます。あるいは先方にご用意いただく場合、早めに手配していただくことで待ちの状態を防ぐことができ、よりスムーズにプロジェクトを進めることができます。
また、使って欲しい素材がある場合、それによってデザインも大きく変わります。ロゴがある場合は特に、ガイドラインとともに早めにいただきましょう。トンマナ策定に影響を及ぼす可能性があります。
質問例
・使いたい写真はありますか?
・「About」のセクションに入れるテキストの内容はご用意いただくイメージでしょうか?
基本的にそのまま聞いて大丈夫だと思います。
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⑦その他条件
知りたいこと
フィードバックを依頼するタイミングは?
予算は?
納期は?
なぜ聞くのか
フィードバックを依頼するタイミングを事前にすり合わせておくことで、クライアントが意図しない方向に制作が進む心配がないことをお伝えすることができます。
また、「このタイミングでボールを渡しますからね」という前振りをお伝えすることで、クライアントも心づもりをすることができます。
質問例
・制作の途中で内容のご確認を依頼したいのですが、基本〇〇さんにご確認いただいてOKなら進めて大丈夫ですか?それとも上長の方(社長、依頼元の方など)にご確認されますか?
・ご予算の上限や下限はございますか?
・納期は決まってますか?いつ頃にはできていたいな、という目安はありますか?
納期や予算など数字にまつわることは、それは訳があってマストなのか、このくらいにできていればいいな〜くらいなのか、温度感とその数字をおいた背景も探れると良いなと思います。
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番外編:スタンスについて
最後に、項目に落とし込めない個人的なスタンスやマインドのようなものを書いておきます。
「メンバーというスタンス」
「タスクを依頼されて受ける」というより、プロダクトを一緒に作っていく一員、メンバーというスタンスで話をうかがいます。ただし相手の状況にもよりますから、やはり空気を読みながら…にはなってしまいます。
敬語は少し崩れてしまっても良い
あまりに固すぎる敬語を使うとクライアントと距離を近づけることができず、聞きたいことを聞ききれないこともあります。丁寧な受け答えは大事ですが、多少敬語が柔らかくなってしまうことを割り切ってしまっても良いのかもしれません。
「答え」を彫刻のように彫っていく
クライアントが必ずしも言語化できる明確な答えを持っているとは限りません。答えを出してもらうというよりこちらが発掘する気持ちで話をうかがいます。答えがあるものだと思って聞いてしまうと就活の面接みたいになってしまいます。デザイナーは課題を特定しその解決方法を一緒に考え提示するのが任務だと思っています。
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経験を積もう
やはり経験だなあと思うこともたくさんあるのでまずは数をこなしたいところ。
非の打ちどころがない完璧なヒアリングをするのは難しいですが、ヒアリング一発で信用を失いクライアントを怒らせるような失敗をするのもなかなか難しいはずです。気負わずに経験をするのが一番かもしれないです。
一緒にばちイケデザイナーを目指して頑張りましょう。。。
アイキャッチに使用したイラストはこちらです。
https://www.figma.com/community/file/1091370964776006563