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「不安」をペットにしたくって

専門家たちが口をそろえて、この事態は長丁場になるとコメントを出すにつれ、Webには「自粛期間の精神状態をどう保つか」というトピックが多くなってきた。経済の、自分の生活の先行きが見えない状態で、さらに家に引きこもっていれば、たいていの人が不安を覚えるはずだ。

私は、人よりすこーし早めに自粛期間に入った。1週間~10日が一番きつかった。2週間~3週間であがき始めた。3週間経って、私なりに一つの結論がでた。それは「不安とともに生きよう」ということ。

この事態になる前に、「不安」が自分の状態を悪化させる出来事があったことは、以前にも書いた。その上さらにこの状態で、不安二重奏のハーモニーが超不協和音でぎーぎーゆわせている日々なのだった。

不安を抱えた解の出ない状態のままでいることは、単純なくせに理屈っぽくてこざかしい人種には、ひどく苦痛だったりする。それはまさに私なのだった。平時では、自分が行動すれば解決することも多かったし、相手のいる場合は、成功するかどうかはともかく、きちんと伝えるなどして自分のやるべきターンが完了すると、不安はけっこう消える。

でも、今のこの不安。当然自分一人では解決できない。相手……ウイルスだから言葉も通じない。だから、消えることはない。どうする……?!ともがいた。その結果。

またbig waveは来るかもしれないけれど、私なりに抜けたトンネルの経由地は、「解消できない不安は、糖尿病や高血圧なんかの『持病』と同じだと思って、うまく飼い慣らそう」だ。あと2年くらいだって? その時間をこころ健やかに生きるために、この子としばらく一緒に暮らす。不安をペットにするんだ。

そう思うことがあたりまえにできる人には、簡単なことなのかもしれない。でも、私自身もともと、「不安に惑わされない」が課題だった。だから、それに一つの方針が打ち出せたのは、今回の事態が教えてくれたことだったりする。ずいぶんひとりよがりだと承知の上で言わせてもらえば、私は、世界中のみんなが「不安にどう対処するか」の実践例を見せてくれて、乗り越え方のワークブックを一緒にやってくれているような気持ちでいる。「不安をペットにする」以外にも、もっと素敵な方針があれば、それもみてみたいのだ。


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