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認知科学のコーチングとは

1. コーチングとの出会い


あなたにとっての最高の1日ってどんなものでしょうか?
1年後は、10年後は?人生をどんな状態で終えたいでしょうか?

仕事、家庭、年収、休みの日の過ごし方、住環境、食生活に健康や体型、着ているものや身に着けているもの、一緒に過ごす人たち。自分を取り巻く要素はたくさんありますが、それら要素たちは「本音で生きて、満足できている」「自分と繋がりつづけている」と、自信を持って言うことができるでしょうか?

今回はコーチングを始めて、いろんな方に「どんなことをするの?」と聞かれるので、詳細を書いてみることにします。
私はコーチングというものがよく分からずに5年前に一度うけて心が沈んでしまったという経験があります。また、あなたの中に答えはありますよという問いかけにうまく答えられないこともあり、その当時は一概にコーチング全般に苦手意識を持っていました。
いまでこそコーチングにはいろんな流派があることはわかりますが、当時は知る由もなく、昨年やっといろんな流派のコーチングを受けることで違いを知り、この認知科学のコーチングにたどり着きました。

あなたが、自分の思い願いと繋がり、本音の自分で生き、自分の現状をアップデートし続け未来へと進んでいくためのこの認知科学のコーチングは存在します。

コーチングには様々な流派があり、それぞれ定義が異なりますが、ここで扱うコーチングは、「認知科学に基づき、自分を現状の外に置き最高のパフォーマンスを引き出すコーチング」です。認知科学とは、情報処理という観点から、生体(特に人)の知の働きや性質を理解する学問です。言い換えれば、「知的な仕組みがどう動くのか」を探る学問です。科学に基づいているので、誰にでも適用できるし、再現性もあります。
では、認知科学に基づくコーチングでは何をするんですか?と聞かれたら
ゴールをセットしますとお伝えしています。そしてそのゴールの条件が以下の二つになります。

◆ゴールの条件
1つ目は、あなたの本音に正直で、素直な思い願いであること。
2つ目は、あなたがもっている能力を使って想像を超えるパフォーマンスを発揮できること。

いかがでしょう?そんな状態に本当になるのかと思うとワクワクしませんか?

2.マインドの作用 スコトーマとRAS

私たちの思考や行動は、マインド(脳と心)の作用に大きく影響を受けています。これは、世の中で起こる全ての事柄に、無意識の中でマインドが優先順位付けをしているということなのですが、例えば、ご自身のスマートフォンのホーム画面、ありますよね。「さて、いまアプリケーションの並び順を教えてください。」と言われたら、あなたはどれぐらい覚えていますか?ほとんど覚えていないですよね。
このように、我々毎日見てるけど見ていないことがいっぱいあるということなんです。マインドは無意識的にあなたの優先順位を決めています。
もっと他の例でいうと、妊婦になった時のことを覚えてますか?妊娠するまでは渋谷にあんなに赤ちゃんがいるなんて気づきもしなかったのに、自分が妊婦になったとたん、渋谷の街中を歩いている人に赤ちゃん連れが多いことに気づくんです。自分が必要だと思う情報が目に飛び込んでくるんです。受け取っている情報は変わらないのに自分で認知する違いを生んでるのはあなたのマインドの作用なのです。

あなたの無意識の優先順位によって、情報の取捨選択している脳の機能をRAS(Reticular Activation System、網様体賦活系・もうようたいふかっけい)と呼びます。RASが日常に目に入れる情報の「フィルター」のような役割を果たしてくれて無意識の優先順位によって認識する情報を決定します。RASが99.9%みなくてよいようにしてくれている、この機能のおかげで頭の中の計算量、情報量が爆発しないんです。このフィルターが活性化することをRASが発火すると言います。


逆に、赤ちゃん連れの人や妊婦は歩いているのにもかかわらず、あなたの情報には浮かんでこない意識のことをスコトーマ(心理的盲点)と呼びます。思考だけに限らず、目で見てるもの、情報収集、状況把握でも全く同じで、そこに、情報があると見えるのか、見えないのかはあなたの気持ち次第なのです。

例えば、あなたの周りにも、できない理由ばかり言う人がいませんか?あれがないからできない、これがないからできない。そういう人は、ご自身がその状況を作り出しているということなんですね。

3.エフィカシー

では、このRASを発火させて、ポジティブな見方をしていくためにはどうすれば良いでしょうか?コーチングでは、その重要な概念を「エフィカシー(Efficacy)」と表現しています。エフィカシーとは、「ゴールを達成する自己の能力の自己評価」と定義されています。「自分ならやれる!」という根拠ない自信のようなものです。あなたにもそういう根拠のない自信に突き動かされた!という経験があると思います。
エフィカシーと似ているのですが、実は真逆の概念が「セルフエスティーム(Self-esteem)」です。セルフエスティームとは、自分で自分を愛せてますか?という話です。それが高まってないと,新しい欲求もでてきこないし,うまくいってないのは自分に自信がないからなので、これがあることが前提条件です。通常のコーチングだとこのセルフエスティームが大事といいます。我々がみているのはセルフエフィカシーの方で、エフィカシーが高い状態(やれる気がする!という気持ちが満ちている)になると、RASが発火して、未来に向けて必要な情報がどんどん飛び込んでくるようになります。不思議な感覚かも知れませんが、あなたが世界に対して重要だと思っていることが変化しているために起こることで、この仕組みも認知科学で明らかになっています

例えば、スラムダンクの桜木花道は、エフィカシーの塊のような人ですよね。バスケを始めた瞬間から流川よりうまいと言ってるし、「おれは天才だ」と言ってしまうんですから。実際に1年で、めちゃくちゃ成長するじゃないですか。その時の花道のマインドでは何が起きてるかというと、自分はできてるのが当たり前だと思ってるし俺は強いと言ってる、その方法は今から作り出すだけだと思ってるんですね。ちなみにこのエフィカシーっていうのは自分自身だけじゃなくてチームにも当てはまります。集団的エフェカシーが高い状態とは俺たちは強いとみんなが思えるチームのことです。湘北チームは全員が根拠のない自信をみんなで持っていて、山王戦も互角に戦いましたよね。何か失敗してもナイストライ、じゃあ次だねというように、本来は自分たち全員ができると信じているから、できている状態をイメージして声かけをする。それが当たり前のように行われていることが強いチームを生み出すのです。
他の例でいくと、受験の時です。それまで東大なんて考えたこともなかったのに、いきなり東大行くって決めた途端、どうやったら受かるのかという情報が目に飛び込んでくるようになります。でも、きっと高校の先生、親などあらゆる人に無理だろと言われたりしますよね。それでも、いや自分ならやれる、頑張ると思い走りきるからこそ、見えてくるのです。自分のこれまでの人生にはありえなかった現状の外側のゴールにむけて走り出す時に、エフィカシーが高くないとできないのです。ぜひご自身がエフィカシーが高い時をぜひ思い出してください。


ちなみに、これの真逆の働きをクリエイティブ・アボイダンス(Creative avoidance、創造的回避)と言います。マインドがネガティブになっていたり、そもそも無理だ、と思っているので、ダメな理由やできない理由ばかりに意識がいってしまうのです。あなたの周りにいる、できない理由ばかり言う人はこれが発揮されているのかもしれません。
日常で、義務感だったり、「~ねばならぬ」みたいな感覚で、周りの人や家族から言われたり、期待されたり、社会的常識を意識して行動する他人軸な行動は全て「Have to」といいます。この「Have to」にまみれてるとクリエイティブアボイダンスが発動し続け、エフィカシーが下がっていきます。あなたも無意識に日常のHave toにまみれていませんか?

4.ゴール

次は、エフィカシーと深い関係がある、コーチングにおける重要な概念ゴールについてです。
コーチングにおけるゴールには、必要なことが3つあります。
1つ目は、「Want to」であること。目指すゴール設定の際にHave toが紛れている限り、自分の本音と繋がり続けて生きることができません。「本音でやりたいこと」を探しそれに擦ることが必須です。
2つ目は、「現状の外側」であること。コーチングにおける現状とは、「現在の状況のままいけば十分に起こりうると予想される未来」のこと。「現状の外側」とは、今のあなたが想像できる限界の、さらにその外側というイメージです。
3つ目は、「人生の全領域」で設定すること。仕事や家族、健康や人間関係、その人をあらわす色々な場面において現状の外側を生きる伴走をすることで、キャリアだけを変化させるのではなく、人生全体を更新していくことができるのです。

2つ目の現状の外というところでいうと、なぜ現状の外側にゴールを置くことが大事なのかというと、無意識の力をポジティブな方向に発揮させるためです。現状ではたどり着く方法が想像できないゴールを設定することにより、無意識が書き換わり、色々探そうと努力してRASを発火させるのです。スティーブジョブズがいう「Invent on the way」というのはまさにそういうことですね。逆に、ゴールへ達成の道のりが想像できてしまうとRASが発火せずに無意識がポジティブに働くこともないのです。「自分が本音でやりたいと思って、それでいて今の自分じゃ想像できないくらいのぶっ飛んだゴール」を創ることが重要なんです。ワクワクドキドキ、怖い気持ちもあるけどやってみたい!そんなゴールです。
ここで必要なのが、コーチの役割です。あなたにとって「想像の限界」を超えているということは、ご自身が考えつくことは簡単ではないので、コーチがマインドをお借りして想像を超える役割を担います

3つ目について、ゴールは、仕事に絞らず「人生の全領域(オールライフ)」で設定していきます。具体的には、仕事、趣味、人間関係、社会貢献、知性、家族、健康美容、ファイナンス、の8つの領域です。複数設定して大丈夫なのですか?と聞かれることがありますが、大丈夫なんです。特定の領域だけでゴールを設定し集中しすぎてしまうと、その影響で他の領域を犠牲にしてしまうようなことがあったり、他の領域を無駄だと感じてしまうことがあります。例えば、仕事のゴールを現状の外においた時に仕事にばっかり時間を使いすぎて家族との時間がとれずに家族から文句が出たり喧嘩になったりすることありませんか?また、寝る時間を惜しんで仕事をしていると、睡眠不足で倒れてしまって結局健康が蔑ろになったりすることありますよね。そんな感じです。

オールライフでゴールを設定することで、ゴール同士が影響・連動し合って、より良いゴールに更新したり、相互的に良い影響が出たり、臨場感が高まり、効果的なアプローチを思いついたりするようなことが生じやすくなるのです。

仕事:本音のwant toであり、身銭を切っても人・世の中の役に立つこと
趣味:本音のwant toであり、人・世の中の役に立たないこと
人間関係:誰とつながっているか、仕事やプライベートの人間関係
家族:パートナーや子ども、両親にとって、どう在るか
社会貢献:自分の利益ゼロで、自分の重要度の外への貢献(慈悲心)
知性:抽象度を高める、体系知識を身につける学び(生涯学習)
健康・美容:上記のゴールに対して必要な体力・健康・休息・美容の在り方
ファイナンス:上記のゴールを実現する際に必要な収入と資産

人生の全領域で、義務感じゃなく純粋に自分がやりたいことで、想像できないぶっ飛んだレベルのゴールを掲げて、24時間を夢中で過ごす。これが正しいゴール設定によるパワーです。

5.コンフォートゾーン

正しいゴール設定ができると、RASの発火により、世の中の見え方が一変します。今まで見えていなかった情報や人とのつながりがたくさん飛び込んできます。これまで大事にしていた考えが、なぜそれにこだわっていたのかも思い出せないくらい価値観が変わります。
ところが、ゴール設定をしてしばらく過ごしていると、「やっぱりこんな大胆なゴールは実現できるわけがない」とか、「自分には不相応なんじゃないか」と言った気持ちが芽生えてくる時があります。これは「コンフォートゾーン」による作用です。こう言ったコンフォートゾーンは何によって作られているかというと、あなたのお父さんやお母さん、尊敬する先生など権威のある人間からの言葉が蓄積されたもので作られています。そこで自分の心を動かした出来事、”情動”によって、常識とか、価値観が形成されてきています。それをコンフォートゾーンと言います。つまり、幼少期から育ってきた環境において、生成された偏見の塊であり、無意識が集めている優先順位の集合体と考えてください。ゾーンというくらいなので、少し幅があるイメージです。「自分が大切だと思うものの集合体」なので、このゾーンの中にいるときはとても居心地が良いんですね。このコンフォートゾーンというのはとても強力です。これを維持しようする機能をホメオスタシス(恒常性維持機能)と呼びます。理科とかでもやったことがあるんじゃないでしょうか。人間の体温が36.5度だとしたらサウナにはいっても、水風呂に入っても36.5度を維持しようとしますよね。暑くても寒くても維持しようとする力がホメオスタシスです。これが人間の脳の考え方や、思考にもあるのです。これを無理やり努力してがんばらせようとして、それでも戻ってしまうホメオスタシスがモチベーションの本性だったりします。

例えば、自分が少しぽっちゃりしているとして。そんな自分が嫌でたまらないので、頑張ってライザップ行くとします。3ヶ月で10キロ減量できたとして、1ヵ月後にはリバウンドしてしまう。そういうのってよく聞きますよね。これって、実は、意識では「痩せたい!」「変わろう!」と思っても無意識は「変わりたくない!」となっているわけですね。自分のコンフォートゾーンが無意識では10キロ増えてる自分だとなると、いくら論理的に意識的に痩せようと思っても、無意識が勝ってしまうんです。この無意識をSystem1、意識をSytem2と言います。周りからの他人軸でこうあるべきなんじゃないかを無意識に察知して、外からの要請に合わせなきゃというところでゴールを設定している可能性もあります。
コーチングでは、このコンフォートゾーンの強烈な現状維持機能を、マインドの作用によって逆手に取って、利用していきます。
体温が平温で1つに一定しているように、私たちはコンフォートゾーンを1つしか持つことができません。ということは、コンフォートゾーンをゴール世界のほうにずらしてしまえば、「新しいコンフォートゾーン」に対して、強烈な現状維持機能が働くと言うことです。だからこそ、自分の無意識を意識していくということや、コンフォートゾーンはどこなのかと自覚的になるってこと、そして本当はどうありたいのかを設定していきながら、未来の自分にコンフォートゾーンをずらしていくことが必要です。これにより、強烈な我慢や無理をすることなく、健やかに新しい現状に向かって進んでいくことができるようになるのです。

6.セルフトーク

正しいゴール設定を行って、エフィカシーが高まって、コンフォートゾーンがずれ始めても、新しいコンフォートゾーンに安定せず、すぐに元のコンフォートゾーンに戻ってしまう、ということがよく起こります。ここにはセルフトークの存在があります。人は無意識に自分に3万から5万位の言葉を無意識に語りかけているおり、その自己内対話をセルフトークといいます。そんなことできわけがない」とか、「私には無理かもしれない」とか、「私は能力がない・頭が悪い・学歴が無い」とか、条件反射的に頭の中で繰り返されてる言葉のことです。それによって、自分の意思が決まっていっているのです。


コンフォートゾーンが「臨場感の高い方に引き寄せられる」という性質があるのですが、ネガティブな自分としてのセルフトークを続けているかぎりそちらに「臨場感」があり身動きが取れない状況になってしまうのです。
当然ながら、目の前の現在・現実の臨場感は非常に強力です。そのため、現状の外においてやりかたも見えないゴールは夢の話だなって捉えてしまいがちなのが脳の仕組みなのです。臨場感を未来にずらすための工夫としてセルフトークを活用していきます。
実は、マインドのカラクリを利用すると、「臨場感」を決めるのは目の前で見えていることではないんです。むしろ「2.マインドの作用」で説明した通り、私たちは自分が見たい世界しか見ていない。それよりも、セルフトークが語り掛ける言葉によって、言葉が脳に映像を出力する。そして、映像の情報によって感情が動く。その感情のパワーによって自己イメージを形成して、自己イメージが新しいコンフォートゾーンを作り上げる。この一連の作用がセルフトークがもたらすパワーです。
つまり、セルフトークを書き換えると、それが勝手に「ゴールの臨場感」を高め、エフィカシーを高く維持することにも繋がるわけです。従って、ゴールを達成した自分の人格を今の自分に取り込んで、未来の自分が使っていそうな言葉やフレーズをセルフトークとして毎日唱え続けてることで、新たなコンフォートゾーンが定着していくのです。



コーチングの基本的な概念はここまでです。セッションの中では必要に応じてくわしく説明を行っていきます。
自分と繋がり本音で生きる日々を過ごすためには、ゴールへの決断とそれができると信じるエフィカシーをもつだけです。

さあ、まだ見ぬ冒険にむけて一緒に踏み出してみませんか?

コーチングセッション募集


このような自己革新、ゴールの設定、現状維持の突破への感覚を掴みたい方に向けて、コーチングを通じて支援を行っています。現在は学び中のためトライアルセッションとして初回は5000円で行っています。(2024年3月まで)

自分の力やスキルを磨いて広い社会に価値を提供していくために独立した個人事業主やフリーランス、転職や起業を志すビジネスパーソンの方々、そしてなにより自分の本音で生き、自分の才能を発揮して社会に影響を広げていきたい方。

ぜひ私と一緒に幸せの輪郭を作りましょう。
ピンときた方、ぜひメールアドレス、もしくはにてご連絡ください。

pmayuu@googlemail.com

https://twitter.com/Mayunesa

私がなぜコーチングを始めたのかについては、こちらをご覧ください。



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