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#28 囲碁界の師弟制度の仕組みを解説/師匠と弟子の特殊な関係

こんにちは。瀧真有子です。

仲邑菫さんの韓国行きの日程が迫り、国内最後の対局が注目されていましたね。

無事に(?)有終の美を納め、記者会見を行いましたが、このときに持っていた花束が貧相だと言って、怒っている人がいました。

大手メディアでたくさん取り上げられていたので、確かにもっと豪華な花束の方が良かったかもしれませんが、こういうところから、

「彼女の韓国行きは、日本ではあまり歓迎されていないのではないか」

みたいに、裏読みする人もいるようです。怖い世界です。

日本棋院にとっては、稼ぎ頭のような存在を失うわけですから、野球選手が大リーグに行く時のように、多額のお金が韓国棋院から貰えていると良いのですが、おそらくそんなことはないでしょう。そんな状況からか、上記のように思う人がいるのかなと推察しました。

私個人はというと、菫さんの決断を応援しています。ヌルい環境に染まってしまう前に、もっと自分を高められる環境へ行くことも大賛成です。

仲邑菫さんの公式の師匠は、父親である仲邑信也さんですが、菫さんは小さい頃から、色々な囲碁教室に通っていましたし、韓国に修行にも行っていたので、指導してもらった人は数多くいると思います。

囲碁界は「師匠」や「門下」など、つながりが強く残っている世界なので、誰を師匠にして、どの門下に入っているか、というのは、結構大事な要素でもあります。今日はこの辺りのお話です。

その仲邑菫さんからタイトルを奪取した、上野梨紗さんの就位式もあったようですね。

タイトルを取るような、所謂トップ棋士は、囲碁に対する努力や探究心、情熱など、リスペクトする方ばかりです。いくら囲碁が好きだからといって、子どもの頃からずっと同じ分野で研究したり、努力し続け、結果を出すことの大変さは想像以上です。

また、当たり前のことですが、覚悟を持って、日々鍛錬している人たちは、どの分野の人でもリスペクトしています。

ただ、囲碁の世界には棋士が450人もいます。そうなると、志が高い人ばかりではなく、その辺りが今の囲碁界の低迷につながっていると思います。このテーマについてはまた別の機会にお話ししますね。

上記の就位式に先駆けて、上野姉妹を輩出した、藤澤門下の後援会も設立されたようですね。

藤澤一門は、結果を出せる棋士をたくさん輩出していますよね。弟子をとっている棋士はたくさんいますが、これだけ弟子が活躍している、というのはすごいことです。

今日は、この辺りの最近の話から、

「囲碁界の師弟制度の仕組み」「師匠と弟子の特殊な関係」

という話まで、忖度なしでお届けしていきます。

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