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遊ぶことにも、想像力がいる。

我が家にはおもちゃが少ない。
というか、ほとんどない。
母がくれた、木製の歯固め兼がらがら。
夫のお母さんが手作りしてくれた、ハギレを使った、鈴の音がするにぎにぎ。
妊娠中に、夫が一目惚れして買ったという、木の皮がそのままついた積み木。
チェコに住む義理の兄がくれた、チェコのキャラクター、クルテクの木のおもちゃ。
夫が出張で訪れた香川県で買ってきてくれた、おじさんが売ってたという、竹製の手作りおもちゃ。
ペットボトルに公園で拾った、小さめの松ぼっくりとどんぐりを入れた、お手製がらがら。
しゃぼん玉。
絵本5冊。
以上。

家が狭いという環境もあるが、よくあるおもちゃの電子音が苦手ということもあり、特別なポリシーがあるわけではないのだけれど、おもちゃを買う気になれなかった。

少ないおもちゃで遊ぶなかで、気がついたことがある。
絵本にしろ、おもちゃにしろ、想像力を試されるのは、私たち大人だ。
たとえば、絵本。
どんな声色で、どんなリズムで、どんな表情で、姿勢で読むのか。それによって、子どもの反応はちがってくる。
たとえば積み木。
7ヶ月になる息子は、まだ積むことができない。
目の前に、積み木を広げただけの状態では、つかんで、舐める、叩く、離すの繰り返し。数分ともたない。

じゃあ、どうする?と考えることになる。

今、息子にできることをよく観察し、試してみる。
まず、息子の周りに、小さな積み木のタワーを作ってみた。
様子を見る。
近寄ってきて、壊した。
2回目、タワーの高さを変えてみる。
3段以上積まないと、興味を示さないことを発見した。
よし!とひらめき、小さなタワー(3段以上)をいくつも作る。
予想通り、壊しにきた息子に、
「すごーい!よく壊せたね!」と大げさに喜んで見せる。
すると、次から次に、タワーというタワーを壊しに来るようになる。
ここからは持久戦。
壊す、ほめる、作る、壊す、ほめる、作る、距離を伸ばす、はいはいをする、壊す、ほめる、作る・・・この繰り返しを息子が飽きるまで続ける忍耐力。
ようやく一つの遊びが完成した。
この遊びには、図らずも、息子の発育の悩みを解決するトレーニングも含まれていた。
おすわり、はいはい、つかまり立ちという段階を踏んでの発達が望ましいと言われているが、一足飛びに寝返り→つかまり立ちに移行した息子に、はいはいをもっとさせたいと、常々頭を悩ましていた。タワーとタワーの距離を伸ばすことで、自ずとはいはいをする距離がのびるのだ。

おもちゃがあっても、遊びは自ら作るもの。

そして、なにかの力をつけたいと思っておもちゃをえらぶのではなく、こどもをよく観察していれば、自然と遊びの形で、課題解決の方法が見えてくる。遊び方が見つかる。

そんなことを教わった。
無い世界でどう生きるか、それも大切な身につけてほしい力だ。まずは、欲しいものは、自分の意思と財布の事情によって、何でも手に入れることのできる、大人から、頭をやわらかくしてみよう。

麻佑子

#日記 #エッセイ  #育児 #子育て #おもちゃ

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