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夢の話2 誰のためでもない音楽祭

映画館やお酒の場以外に、もう一つ足が遠のいている場所がある。
ライブハウスやコンサートホールといった、音楽を聞く場所だ。

かなり積極的に、大人な場所に息子を連れ歩いている私たち夫婦でも、やはり躊躇してしまう。
息子と一緒に過ごすようになって、赤ちゃんというものは、泣き出さずとも、突如、かなりのボリュームで奇声を発するということがよくわかった。

一度、どうしても行きたいかった、小島ケイタニーラブさんの弾き語りのライブがあって、うちの子は割と大人しいし、ギターが大好きだし、眠ってしまうかもしれないし、大丈夫なんじゃないかと、夫とギリギリまで悩んだことがあったけれど、結局あきらめた。
寝てくれるかどうかは、大きな賭けだし、そもそも開始時刻が遅いというのが結論に至った理由。ほとんどのライブやコンサートは夜なので、どうしたって難しい。
その場合、選択肢は、
①子どもだけ誰かに預けて行く。
②夫か私のどちらかだけ行く。
③行かない。
ということになるのだが、両親と離れて暮らしながら、完全母乳で育てている息子を預けるのはなかなか難しいし、どちらか片方だけ、というのも、それはそれで気がひけるわけで、結局③になってしまうのが常。

そこで、夢のお話。

子どもと一緒に行けるコンサートについて想像してみる。

○子どものためのコンサートと銘打ったものではない。子ども向けの楽曲ばかりであったり、プログラムの所々に、「一緒に踊ろう、歌おう」というコーナーがない。ただし、踊りたくなったら、大人も子どもも自由に踊っても良い雰囲気。
○大人もちゃんと楽しめる内容。
○音楽のジャンルは、クラシックのみにとどまらない。
○子どもの声が気にならない、できれば屋外での野外コンサート。
○広場にテーブルと椅子がちょうどいい距離を保って置かれている。あるいは、ピクニックシートを広げている家族もいる。大人がひとりで聞きに来ていたり、子どもだけのグループがあったり。
○テーブル席では、白ワインやカラマリなどの軽食が楽しめる。
○あまり遅くない時間、夕暮れどきから星がきらめきはじめる頃に静かに終演をむかえる。
○定期的に行われ、気軽に参加できる。
などなど。

どこかにないかな、そんな場所。
きっと、どこかで誰かがもうすでに開催しているかもしれないけれど、私はまだ行く機会を得ていない。

私の中のイメージでは、数年前に訪れた、ベルリンのフィルハーモニーのランチコンサートに限りなく近い。
近くの幼稚園児たちが、ホールのエントランス?の吹き抜けのステージの前の地べたに座ったり、車椅子に乗った人専用の席があったり。
吹き抜けを囲む階段に座る、手すりにもたれかかって場所取りする人。
コンサートホールの売店で、ルバーブのサイダーとプレッツェルを買って、夫と現地に住む友人と、幼稚園児の後ろに陣取って、飲み食いしながら素晴らしい演奏を生で聴いた。しかも無料だった。

そんな場所やイベントがあったら、うれしい人はいるかしら。よろこぶ人はいるかしら。
そんな場所をなんと呼ぼう?
決して、子どものためのコンサートではない。かといって、大人のためでもない。ファミリーのためでもないし、玄人のためでも、若者のためでも、老人、素人のためでもない。今は、誰のためでもない音楽祭としておく。

いつか、息子を連れて、気兼ねなく音楽を楽しめるそんな場所に行ってみたい。
夢はぐんぐんふくらんでゆく。

麻佑子

※一度はあきらめた小島ケイタニーラブさんのライブ、

入場料 [未就学児]無料 ※小学生以上有料。未就学児童は無料(大人1名につき、子供1名まで膝上可)。ただし、座席が必要な場合はチケット必要。

という表記を見つけて、やったー!と嬉しくなりました。
こういう表記が明確にあると、安心だし、親切だなと感じました。楽しみです!
もうすぐ来日するyo la tengoと坂本慎太郎のライブも、どうにかならないかしらと悩み中・・・流石に難しいかな。


#日記 #エッセイ #育児 #子育て #コンサート #ライブ

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