親切に慣れない
ママズクラブシアターに行ってみた。
映画好きの夫は、映画館好きでもある。
私も影響されて、すっかり映画館で過ごす時間の素晴らしさのとりこになってしまったくちだ。
しかし、子どもが生まれてからというもの私と息子を気づかって、TSUTAYAのレンタルDVDでずっと我慢してくれたのだが、やっぱり映画館が恋しくなっているよう。
そんな彼をみかねて、映画館好きには嬉しいサービスを発見。
ついに親子3人で行ってみたわけだが…
開始早々、私たち夫婦は顔を見合わせてしまった。
「この声誰だっけ?」
「てゆうか、この年齢で、この語彙ないよね。」
「うわー、こんなおしゃれな家住めなくね?」
「はいはいは、そういう設定ね。予想と違うんだけど」
「あーこういうポーズするよね、子供って。あはは」
たまたまその日のプログラムは、アニメで、より子どもも楽しめる雰囲気だったから。それにしても、おしゃべりしていいのは、大人だっけ?
うー、あー、わーん。
泣いている赤ちゃんの声よりも、大人のおしゃべりの方が気になってしまった。
赤ちゃんを連れて観ていい=映画館の基本ルールを大人も無視していいのだろうか。
なんだか、さみしい気持ちになってしまった。
きっと、そういうことって、ほかにもあるのだろうと思う。
子どもを連れていると、どこでもみんな優しい。
電車のなかで泣き出しても、お店で奇声を発しても、
「いいよ、いいよ、みんな通ってきた道だから。」と、特別に扱ってくれる。
その優しさは、本当にありがたくて、救いであるけれど、それに慣れてしまってはいけないのだと、もう一度自分を戒めた。
赤ちゃん歓迎、赤ちゃん連れに優しい、赤ちゃん連れOKの文字は安心できるけれど、だからと言って、なんでもありなわけじゃないんだ。
かくいう私たち夫婦にも、心当たりがある。
比較的大人しい息子を、静かな大人の場所に無理やり連れて行ってしまったこと。
ホテルのラウンジや、時にはお酒を嗜む場所にさえ。
最初はドキドキ恐縮していたのに、「かわいいね、ちいさいね。」と、ちやほやされるたび、逆に、この子を連れて歩くと、みんなにしあわせをふりまいている?と錯覚しているような心境になっていたように思う。
気をつけよう、そして、親切な心づかいに、その都度感謝しよう。
麻佑子
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