岡本太郎、抽象画の魅力とは何であろうか?
抽象芸術の魅力とは何だろうか?
私は抽象画を描くことが多いのですが、何故抽象画を描くことに意義があるのか上手く説明できませんでした。
そこで、1999年に出版された岡本太郎氏の著書から「抽象芸術の影響力」について調べてみました。
【わからない絵の魅力/抽象芸術】
「展覧会に行っても、風景画とか美人画などは『ああ、きれいだ』と思ってそのまま安心して通り過ぎてしまう。
ところが、なにか、わけのわからないという絵にぶつかって、『どうもわからない』と言いながら、それにひっかかり、つい、その前に立ちどまってみます。
会場に出てからも、かえってその絵の方が印象として、あざやかに残る場合があるのに気づかれたことはないでしょうか。
綺麗でもないし、うまいとも思えない、だからわからないという絵が、もしほんとうに、優れた作品だったら、わからないながらも、それにふれた次の瞬間から、心の目がひらけてきます。
じじつ奇妙とも思われる。
新しい絵を見てから、今まで安心して楽しんでいた普通の絵が何かつまらなく見えてきたという人が多いのです。
人は気がつかないでいるかもしれませんが、芸術は生活に物理的といえるほど強大な力と変化を与えるのです。
知らない間に、全てのものの見方、人生観、生活感情が根底からひっくり返り、今まで、常識や型にしたがって疑いもしなかった周囲が、突然生々しく新鮮な光に輝き始めます。
自分ではあくまでわからないと思い込んでいても、すでに正しく理解しているのです。」
[今日の芸術]p36~37 より一部編集引用
著者 岡本太郎氏
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