採用・面接で「採ってはいけない人」の見きわめ方①
やばい本を見つけてしまった、と本棚の前で少し躊躇いました。
私は採ってはいけない人の日本代表のような人間ですので、
こういう人間はいかに企業に迷惑をかけて損害を与えるゴミかどうかが書いてあるんだろうな、と思いつつ手に取りました。
ですが、この本によると、ものすごく優れた超優秀な人は、
すべての企業で重宝されるわけではないようです。
そして、ある会社でゴミ社員であったとしても、
必要とされる場所を見つけることができれば、力を発揮して仲間の役に立てるかもしれないヒントもありました。
「採ってはいけない人」 とは?
この本の中で、繰り返し強調して説かれているのは、
自社の風土にあった欲しい人材像を明確に持つ大切さです。同時に「欲しくない人材像」を持つことも大切です。
そして、今時の求職者はちゃんと企業のwebページを見て、企業が欲しい人材に見せようと擬態してくるので、
それをいかに見分けるか、がキモです。
高学歴の新人を期待して採ったのに、とんでもないポンコツだった
というパターンは世間にありふれた話ですね。
そういうことにならないようにするには、採用側がしっかりと軸を持って採用活動に臨むこと、それが現場に配属された後のミスマッチを防ぐ有効な方法であるようです。
採るべき人間と採ってはならない人間がいるわけではないのです。(中略)
1人の人間の中に、いい要素と悪い要素が、いい状態と悪い状態が共に存在するだけです。採用においては、1人の人間の中に“採るべき要素”と“採ってはならない要素”がともに存在しているだけなのです。(P56)
なぜ「採ってはいけない人」日本代表は面接ボロボロなのか
私は今求職者ですので、自分に置き換えて考えてみました。
私は新卒の頃はそれこそ3桁は余裕で落ちたし、転職活動でも50社は落ちていると思います。(エージェントを利用しているので、エージェント社内の選考に落ちている可能性も高いですが)
企業にとっては、私の「採ってはいけない要素」が「採るべき要素」よりも大きかったため、不採用にした、ということです。
採ってはいけない要素は、能力が低い、性格的に合わないだろうと判断された、などがあると思いますが、
要するに、その会社とは縁がなかった、ということですよね。
そう思うと、少し気持ちが楽になりました。
ゴミ社員、つまり問題社員とは
とはいえ、能力が足りないこと、企業に求められる人材でないことは問題です。
企業に求められない「ゴミ社員」「問題社員」とはどのような人物なのか、
ということがP27からの2章「問題社員の共通点とは」で説明されています。
問題社員だと自覚のある方は、この章がとても勉強になると思います。
発達心理学の教科書で見かけるデビット・D・バーンの「認知の歪み」や
E.H.エリクソンの「発達課題」などがわかりやすく解説されています。
自分が問題社員だと思いつめ、自分で自分を責め続けるよりも
心に余裕があるときに、こういう勉強を通して、自分の考え方の癖を捉えることは大切だと思います。
著者の松下直子さんの肩書きは人事コンサルタントと社会保険労務士。
この著書の中でも度々触れられていますが、本来は「採用」というより「育成」が専門の方です。
私が問題社員であったとしても、少しでも改善して会社の仲間の役に立てる状態になれるヒントが、この章にあります。
長くなったので、この本の感想は、2回に分けます。
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