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妄想のカケラ 【命を拾うということ】

【命を拾うということ】

数ヶ月前に拾った小さな命は、

小さくて
ふわふわで
丸くて白くて

手のひらにのせると
トクントクンと鼓動を感じる

命というより何か生命体のようなもの?

....

陽当たりのよい窓辺にベッドをこしらえ
餌やりは特にしなかったけれど
時々、霧吹きで水を吹きかけた
きゅるん♪とふるえる様子が喜んでいるような気がして愛おしく感じた

数週間後、
小さな芽のようなものが出てきた
ほんの少しの成長に喜びと愛おしさは増すばかり...

そして、今、
部屋いっぱいに蔓を這わせ
咲いた毒々しい花は
今夜にでも私を取り込んでしまいそうなのに
その花の放つ魅力的な匂いから私は逃れられずにいる

取り込まれてこの子の糧となるのは怖くないけれど
その後の成長を、見届けることができないのが本当に残念で仕方がない。

.......

小さくとも「命」を拾うには大きな覚悟と責任が必要なのだろう。

果たして、あの時の私に
そんな覚悟があったのだろうか?

そして、責任を果たすことはできたのだろうか?
見つからない答えを考えながら
今、私は消化されている。

書く習慣アプリのお題「小さな命」から #ショートショート

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