明治座創業150周年記念舞台『赤ひげ』の観劇振り返り
おはこんばんちは。
ゆあみまよるの、観劇を振り返るコーナー。
昨年10月30日に観劇した『赤ひげ』について書く。
はじめに
わたしは、新木宏典さんと高橋健介さん目当てでチケットを取った。
船越英一郎さんと山村紅葉さんは、昔からテレビで見ていた人たちだったので、生で!?いいんですか!?生越さん!?などと思っていた。
はじめから余談になるが、お光さんこと山村紅葉さんのブロマイドに一目ぼれして、購入した。大変上品な笑みを浮かべてたっていらっしゃるのだ。まだデコっていない。もっと買っておけばよかったと後悔している。
アクリルスタンドも買った。
実写のアクスタは買わない主義だが、買わないわけにいかなかった。
話を戻す。
観劇後に勢いで書いた、ネタバレ防止の見たい人だけ見れるやつに載せていたものからの転記が主になってしまった。
原作があるのでネタバレも何もないが、脚本や演出によって見え方が変わるものだと思っているので。
ちなみに、未だに原作は読んでいない。
Wikipediaを少し読んだけど、だいぶ変えられているんじゃなかろうか。
うーん。随分長くなってしまった。
雑な感想
まず、すごい舞台を観させてもらったな、に尽きる。
一幕目、周りのおばさまたちが笑ってるのに、一人でボロボロ泣いてた。
他にも泣いていた人はいるだろうか。
非常に分かりやすく伏線を張っているというか、ああ、きっとこの先、彼らはこうなってしまうんだろうな……と伝わってくるシーンが多くて、まだ見ていない先の展開に涙を流していた。
赤ひげは、
終わりがあるのは人間だから避けられない。でも、その終わりに向けてどうサポートするのか。
みたいな人情に溢れた作品だった。
わたしはね、人情に溢れたものに弱い。
おとよと長次
おそらく、おとよだと思うんだけど、長次に対して手を振るシーンがあって。
長次がおとよに風車を渡した後、長いこと、おとよが手を振って長次を見送る場面。
その後、長次は一家心中に巻き込まれる。
長次はさ、これから自分が死ぬことを分かってておとよに挨拶に行ったんだよね。
死んじゃった兄に会いに行くって両親が言ったら、もうそれしかないもんね。
あの一家のシーンが本当につらくて。
「もしかして」がどんどん行かないでほしい未来に向かってしまって、やめてと思っても舞台は止まらない。
「生きて」
その思いが、長らく出なかったおとよの声となって長次に届いた。
偶然が重なっただけかもしれないけど、それでも音代が叫んだから長次は戻ってこられた。
わたしたち観客側も声を出したかった。長次たちに、赤ひげ先生に、保本さんたちに頑張れって叫びたかった。
そんな思いを全部背負ったおとよの叫びだったのかなぁと。
彼女の声が、わたしたちの気持ちも救ってくれたように思う。
あの手を振るシーンからも、おとよが長次を大切に思っていることが十分に伝わってきた。
おとよと保本さん
赤ひげ先生が、おとよを乱暴に抱きかかえて連れ出すシーンとっても驚いたんですよね。
そのときに、おとよがあまり暴れていなかったので、さすがに大御所相手に暴れられないよな……それにしたって力持ちですごい……!と感心していたんだけど、
今思えばおとよのあれは「体調が悪くて大した抵抗もできない演技」だったのでは!?と思っている。
もう答え合わせが出来ないのが悔しいね。
そのあと、おとよが保本さんを看病するシーンもしんどかった。
保本さんなら乱暴をしないと理解しながらも、怖いと思う気持ちが止められないみたいな、そういう感じで。
家族
「家族の関わり」がテーマというか、主軸にあるんだなと感じた。
夫婦、親子、一家、先生と弟子、
死んでいく者、生まれる者、生きる者。
……お杉ちゃんと保本さんがその後どうなったかは原作にありますか?
保本さんがいなくなってしまうと聞いたお杉ちゃんが一人咽び泣いているのしんどかった。
幸せになってくれの一心だった。
あれオリジナルだったらそれはそれでしんどいんですけど。
おえいさん
おえいさんの演技も強烈だった。
おえいさんが妊娠してる間もそうだけど、無事に生まれてからも養生所の女中たちとみんなで一緒に子育てをしていくのもグッときた。
ちょっと今じゃ考えられなくなってしまったよなぁ。
おえいさんの母親に対して怒鳴ってくれた赤ひげ先生に、そうだそうだ!もっと言ってやれ!!とそれはもうマジで思った。
森さん
森さんこと黒メガネさん、「赤ひげ先生のいうことは絶対。赤ひげ先生こそあるべき姿」みたいな盲目的な感じだったのが、保本さんの問いかけと言動に影響されて、段々と己の意志を持って大尊敬する赤ひげ先生にも自分の意見や思いを伝えられるようになるっていう成長がさ、
良いよね~~~~。
しかも、自分の夢まで持ってさ。
津川さんがクビになった経緯は詳しくは掘り下げられなかった(覚えてないだけかも)けど、それでもプライドの塊みたいな自信満々男が、バカにしていた言うことを聞かない子供みたいな男(保本さん)の成長を見て、「自分はクビになった」と弱みを見せるシーンは熱いものがあった。
そして、赤ひげ先生もそんな弟子たちの成長を間近に受けて段々と柔軟になっていき心を開いていく様子が、もうぶっ刺さる。
彼らの心を動かしたのが、彼らだけじゃなく町の人たちの心を動かしたのがわがまま放題だったあの保本さんだったっていうのが最高。
最高だった赤ひげ。
もう一回観たいなぁ。
舞台セット
我が名は人間『舞台裏大好き』!
座席がド上手側だったから、結構重要なシーンが展開される下手側が全く見えなくてぴえんだったんだけど、
ド上手だったからこそ、舞台セットを動かす様子や、正面からは見えないであろう位置でも演技をしているキャストの姿が見られるのは大興奮だった。
明治座の広い舞台を生かしているというか、中央で喋っているキャラをセットの端からちらっとのぞき見しに来て「きゃー!」「こっちこっち!」みたいなことをしていて、結構そっちに目が行ってしまった。
映像では分からない舞台の良さだなぁと思った。
わたしは結構、舞台を俯瞰して観たいタイプというか、
喋っていないキャラがどういう表情や行動をしているかが気になるタイプなので、実は割と大切なことを聞き逃したり見逃したりしている。
最前列で観劇したときの話は少しこちらでも書いた。
近くで細かいところまで観るのもいいけど、
まずは後方から全体を捕らえてから前方でもう一回観るという贅沢がしたい。
今年の目標は、座席が選べるときには後方と前方で二公演チケットを取る。にしようかな。
すべての舞台が何度観ても楽しいとは限らないけど、そのあたりは財布とも相談しつつ見極めたいところ。
では今回はこの辺で。
また次回お会いしましょう。