マガジンのカバー画像

透き通る アオゾラ

40
2015〜連載していた、「週刊アオゾラ」をまとめました。現在はマイペースに続きを書いています。
運営しているクリエイター

#トオル

第11話「透き通る風/空白の時間」

第11話「透き通る風/空白の時間」

「なあ母さん、父さんってどんな人だった?」

トオルは帰宅すると母親の風見 マツにずっと気になっていた話をした。ソラの父親の話を聞いて自分の父親の事も聞いてみたくなったのだ。

トオルの父親は医者をしながら医療の研究をしていた。しかし、トオルが10歳の頃、事故で亡くなった。

もっとみる
第9話「遠慮と配慮と失望と」

第9話「遠慮と配慮と失望と」

  ミナミが帰ってなんとなく気まずい空気が流れた。ソラが空気を伺っているとクモリがソラに声をかける。 

 「ソラ君が気になっているのはお父さんの事だね?」 

「え? はい、マヤが父さんは英雄だって。でも俺、父さんの事何も知らなくて・・・」 

 「そうだね、君は知って置くべきだ。私から言っていいものか少し悩んだんだが...」 

先ほどとは違うクモリの真剣な表情に、ソラは唾を飲み込んだ。 

もっとみる
第8話「意地とプライド」

第8話「意地とプライド」

   遠い記憶を呼び起こしていると、ソファーに静かに座るアカリとマヤの姿が重なる。アカリは黒くて長い髪を耳にかける。クモリはアカリが職場を脱走してきたことを思い出しアカリに声をかける。 

もっとみる
第3話 「透明な決意」

第3話 「透明な決意」

    雨の試運転を見にやってきたソラはある少女と出会う。霧野真夜と名乗った少女はいったい何者なのか・・・ソラはそんなことはどうでもよかった。ただ、ソラには分かっていた。マヤが同じ夢を持っている仲間だということが。マヤと出会って、ソラは忘れていた大事な事を思い出した。トオルもまた同じ夢を持つ仲間だということをようやく思い出した。 

「そっか。そうだったんだ。そうだよな。」

  勝手に納得して1

もっとみる