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更地 いつか舞台をやめる人へ

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2024年3月22日(金)〜3月25日(月) 戸山公園 陸軍戸山学校軍楽隊 野外演奏場跡にて公演を行った ルサンチカ『更地』 と一緒にいた、記録
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#舞台

更地② 20240319火 晴れ、強風

更地② 20240319火 晴れ、強風

また逮捕される夢をみた ばれちゃったなーておもってる
逃げてたけどけっきょく家で捕まった

「公園入り」 公園って寒すぎ
鳥が多い公園だ
くるっぽーくるっぽー
カーカー
ぽぽぽぽぽ
やっぱり私鳩なのかもしれない

今回美術には15m×15mの白い布と、50mの長さの透けている布が用意されていた

戯曲を読んで思ったのは、
「ここにはかつてなにがあったのか(なにがなくなったのか)」ということ

嘘偽

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更地③ 20240320水 晴のち雨ときどき雹 強風、激寒

更地③ 20240320水 晴のち雨ときどき雹 強風、激寒

強風の吹いたあとはかならず救急車のサイレンが鳴る

昨日の晩スーパーで買った材料を使って朝まをさんがホットサンドを作ってくれた
トマトとハムとレタスのホットサンド
ワンルームから荷物を持ち出し、キャラバンに積んで、公園へ
晴れている このあと雨予報だなんて信じられない快晴
小屋入り期間中、今日と、本番の後半が雨予報になっている
まをさんが持っていた「韓国のサイダーみたいなもの(サイダーよりもっと甘

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更地④ 20240321木 曇りのち晴れ

更地④ 20240321木 曇りのち晴れ

5時半に起きて公園へ 風は相変わらずつよい
物を搬入して、石舞台に布を貼る実験
風で舞う白い布、コートの裾、長い髪の裾
ナポリタンの皿が飛んで、白い布にナポリタンのオレンジが
髪が伸びた伊奈さんは葉っぱで髪を束ねていた
帰りに寄ったヨドバシでパフェを食べた

夜は銭湯へ行く
銭湯ははだかの博覧会だ ほんとうに色々な体
浴槽から、ずらっと並んだ裸体が見える
若者は若者なりの 年寄りは年寄りなりの さ

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更地⑤ 20240322金 晴れ 初日

更地⑤ 20240322金 晴れ 初日

5時半に起きて公園へ 舞台設置して通し
日向ってあたたかい 晴れっていいな
風の唸る音
鳥の影が舞台を横切る
赤ん坊の場面で、ちょうど子どもたちの散歩の声「バイバーイ」「バイバーイ」
力づよいカラスの羽音 鳴き声のかけ合い
自転車のブレーキの音 キャリーを転がす音
ランニングする人
どこかへの通り道の人
犬の散歩

鳴き声も上げないで、鳩はどうして一斉に飛び立つことができるんだろう
そしてどうして

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更地⑥ 20240323土 曇りときどき雨 二日目

更地⑥ 20240323土 曇りときどき雨 二日目

雨予報の日
朝から気が重い 体も重い 小雨が降っている
何もやる気になれず、とりあえずマクドのドライブスルーで朝食を買い、公園で座って食べてみる
オレンジジュースを注文したのを後悔した 寒いし紙ストローだし
もうこの頃になると朝から上下レインコートを着ている

雨足は、弱まったり戻ったり
バタバタのまま開演
雨は、思ったより降らず、ときどき晴れ間も差す
ドラマチックな照明効果になってよかった

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更地⑦ 20240324日 曇り、晴れ 三日目

更地⑦ 20240324日 曇り、晴れ 三日目

雨が降らない(だろう)というだけでこんなに楽だとは!
布の扱いにも慣れてきたような気がする
体感もさほど寒くなく、春の心地 いける
ほっとしたのかあまり記憶もメモもない
GRは砂の影響か調子悪く、アウトドアカメラを買うことを決意

更地⑧ 20240325月 雨 最終日

更地⑧ 20240325月 雨 最終日

朝から雨 でももうやるしかないんだな
止むかも、と一瞬思ったがそんなことはなく終始濡れたままの回だった
でももう明日のことを気にしなくていい それだけでずいぶんと気楽
お客さんもしっかり雨装備で来てくれて安心だった

この公演、鳩や太陽の光が味方してくれたな
雨も風も寒さも、公園だった、屋根も壁もない外だったからこれでよかった 実働はたいへんすぎたけど

水を吸って重くなった土と布 茶色と白が混ざ

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更地⑨ 20240326火 雨 余剰

更地⑨ 20240326火 雨 余剰

2人はまだ眠っている
家抜け出して、都写美と資生堂ギャラリーを見て高円寺へ
夜は家でピザパーティーの予定
スーパーでまをさんと落ち合って、シードルとつまみを買って帰る
朗くんが帰ってくる頃合いを見計らってピザを注文する
雨の気だるさがある もう帰るんだな 徐々にグラデーションが

21時、家を出る
駅まで送ると言ってくれる2人、甘えて一緒に雨の中歩く
駅まで着いたら「新宿まで一緒に行く」と言ってく

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2024○○○○○

2024○○○○○

舞台の上で死ねる人がどのくらいいるだろう
ほとんどいないと私は思っている

経済的なこととか、心身のこととか、家族とか、仕事とか、それ以外のこととか
いろいろな理由で人は舞台の上で死ぬことができない

舞台をやっているからには、いつか舞台を辞める
今から舞台をはじめます、と決めたわけでないのに、いつからか舞台ははじまっていた
でも辞めるときにはたぶん「辞めたな」とわかる
もうないんだな、と

それ

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