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【#青ブラ文芸部】忘れっぽい詩の神

 終わったわ。
 これから民達に神託を授けようとしていたけど、その詩を綴った紙を羊に食べられてしまった。
 そして、原稿があるからと安心して、ほとんど暗記していない。
 最悪だ。
 どうしよう。民の運命を左右する重要な神託なのに。
 そうだ。思い出した。
 確か念のためにもう一枚同じのを書いたんだった。
 そうだ。そうだ。ついうっかりしていた……けど、どこに置いたかも忘れちゃった。
 あ、まずい。
 それそろ始まるぞ。
 えーと、まぁ、いいや!
 ぶっつけ本番で何とかしよう!

 神は民達に敵の領地を攻め込むか否かの詩を即興でうたった。
 その結果、どう解釈したのか、民は自分の特産品を相手に渡して、敵国にある欲しいものと交換していた。
 これが国際間での貿易の始まり……かもしれない。

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