上條まゆみ

結婚や離婚、再婚、育児など「家族」の問題をテーマに取材・執筆しています。

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最近の記事

別居母親 事例3 引き離しの背後に義母がいる

別居母親や親子の引き離しの取材をしていて感じるのは、配偶者から子どもを引き離す人の背後に、ほぼ必ず義母の存在があるということだ。とくに夫の場合、夫本人というより義母が扇動していることが多いような気がする。そして、子育てを取り仕切る。 家庭のなかで「母」という立場は、ある種の権力だ。その権力をもう一度、取り戻したいのか。息子の子ども(孫)のうえに母として君臨したいのか。 実際、取材のなかで息子とその子ども(孫)を抱え込んだ義母が、自分のことを「ママ」と呼ばせているという話も聞い

    • 別居母親 事例2 鬱で入院中に子どもを取り上げられた

      離婚・別居からの親子の引き離しは、子どもに対する虐待であり、配偶者に対するDVである。とくに、まだ幼い子どもを母親から引き離すことは、双方にとってあまりに残酷だ。 乳児期は、身近にいる特定の大人との愛着形成によって情緒的な安定が図られる。必ずしも母親でなければというわけではないが、少なくとも愛着形成の初期のプロセスは、妊娠・出産、授乳を子どもとともに体験してきた母親が担うことがしぜんである(もちろん事情によってそれが叶わない場合もあること、父親や養育者によっても愛着形成は十

      • 別居母親 事例1                夫が子どもを連れて実家に行ってしまった

        今日は母の日。子どもと無理やり引き離されて会えないでいる母親は、どんな思いでこの日を過ごしているのだろうか。 「子どもと会えない親などいない」「面会交流調停をすれば会える」「会えないとしたらよほど問題があるからだ」――そのような主張は、どこからどうして生まれたものか。 実際に子どもと会えないでいる側の声を聞いたことがあるのだろうか。 母親であっても、子どもと会えない親はいる。 なぜその存在を無視できるのか。 ここでは、アイコさん(仮名、43歳)の事例を紹介する。(個人特定

        • 別居母親というマイノリティ

          いまの日本では、ひとり親といってイメージされるのは母親だ。実際、未成年の子どもがいる夫婦が離婚すると、多くの場合、子どもは母親に引き取られる。 令和2年度の司法統計のデータによると、離婚調停や調停に代わる審判で親権者を決めたケースのうち、母親が親権を取得している割合は90%以上。 つまり、子どもの親権をもたない母親、子どもと暮らしていない母親は、全体の10%にも満たないマイノリティということになる。 マイノリティである別居母親は、偏見の目で見られがちだ。 「子どもは母親が

        別居母親 事例3 引き離しの背後に義母がいる

          子どもに会えない親がいる

          いま、Twitterで「子どもに会えない親がいる」「いや、面会交流実施の原則があるのだから、子どもに会えない親などいない(いたとしたら、それは酷いDVがあるなどの特殊事例だ)」論争が賑やかしい。 声を大にして言いたい。 子どもに会えない親は、いる。 離婚の取材を始めて数年、男女合わせて100人以上の話を聞いてきた。そのなかで、多くの「子どもに会えないで苦しんでいる」親に出会った。 ●妻あるいは夫が、子どもを連れていきなり実家に帰り、訪問を拒まれる。 ●妻あるいは夫に

          子どもに会えない親がいる

          はじめまして

          ライターの上條まゆみです。 夫婦や親子関係など、おもに家族の問題を取材・執筆しています。 離婚や再婚、ステップファミリー、共同養育などについて記事を書くことが多いのは、わたし自身、親の離婚や自分の離婚を経験している当事者だからです。 自分の経験をどう捉えればいいのか、これからどう生きていけばいいのか、答えを見つけたいという思いから、家族の問題について取材を始めました。 取材では、たくさんの方に会ってきました。 どんな方のどんなお話にも深い学びがありました。 Noteで

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