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【祝CM大賞部門賞・幻想を恥じない存在でありたい】※裏話あり


今年で第23回を迎えるYTS山形ふるさとCM大賞が昨日発表となり、朝日町のCM「Asahi in wonderland」が、プロ制作会社が手掛けたCMを審査する一般部門で部門賞を獲得しました。(他は手作り部門、学生部門)地域おこし協力隊時代は毎年作っていましたが、まよひが企画を立ち上げてから自治体職員さんや小中学生の制作サポートにまわっていたので、町からの完全委託での制作はおよそ10年ぶり。朝日町の風景だけど、ゴシックファンタジーな感じに魅せるように撮りたいと、山形のbrandnewdayさんに協力してもらい、描いていたイメージをつくる事ができました。セイジさん、シンタマンさん、マコさん本当にありがとうございました。

中学の時からゴシック&ロリータ(このCMに出てくる衣装のテイスト)というファッションが好きで、でも人口3,000人くらいでコンビニも無い町で育った僕には、憧れてるって言葉にするのも身の丈にあわず恥ずかしいと思っていました。実際に表現としても田舎のヒトや制作モノが評価されるのは純朴さや不器用さや飾らない自然体、求められるてるモノが都会とは真逆で、しかもそれを真逆の着飾ったスタイリッシュな世界の人に評価されているような、そんな居心地悪さを味わいながら僕の思春期の制作活動はありました。

今回の審査会の中でも都会には居なそうな高校生を褒めるシーンがあって、そのときだけはなんか凄く胸が痛かった。もちろんそれも大変評価すべき要素なんだけど、僕自身の原体験からはおそらく田舎の芋っぽさが褒められる瞬間って至極辛いものとして突き刺さったんだと思います。だからこそこの作品では「純朴や自然的な山形らしさ」ではなく、「ドラマチックはココで創れる」という思いで世に出しています。これを見た山形の中高生に、地元でファンタジーっくなイメージを作っても馬鹿にされたり、あげあしとったりなんかしないよ、ちゃんと突き詰めて幻想を作っていきたいと思ってる大人がいるよって事が伝わってほしいです。

CMとしてPRするのは、朝日町が持っている生粋の良さ、今回はりんごと空気神社なんですが、その魅せ方に関しては、僕のこれまでの人生と重ねながら、憧れや幻想を恥じる事なく表現しようってメッセージを詰め込んで臨んだ審査会の舞台でした。また、何処かでこんな制作ができたら嬉しいです。

全ては一昨年の怨嗟から始まる・・・ふるさとCM制作の現実

<2024年7月に追記しています>
山形ふるさとCM大賞は今回で23回を迎える長寿番組です。制作は春頃にTV局から各自治体に出品要項が送られ、締切までに局にデータ納品をするまでは、原則各自治体におまかせになります。
自治体職員はもちろんCM制作のプロではありませんので、ここでまず以下の3つの選択が迫られます。

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なんでそんなことをしたの?の疑問に答える舞台裏の話をコラムにプラスしてお届けします。

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